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【詩】女

「女」という字は妊婦の姿に似ていると
外国人のウエイターが微笑んだ
お洒落なレストランで
親友とランチを頬張っていた妊娠七か月の頃

細見が自慢だったのに見事な太りっぷりだった
ダイエットなどすっかり忘れ 
栄養補給の名の下で食べ物に魅了されていた
いつも無意識にお腹をさすりながら
何でもおいしそうに食べるパンパンの私を
そのウエイターは「美しい」と言った

あれから六年
元気な双子の息子と娘はもうすぐ小学生
私の身体は
母乳を出し切って萎んだバスト以外
自然と元通りになった
バストの形が崩れた分だろうか
心のまるさが気持ちいい

(2004年)

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