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生きたくなる映画 。『All the bright places』

生きたいと強く願う

4月19日、目に見えないウイルスと戦う日々にも、少しずつ慣れてきた。
世界中の人々が、これほどまでに死を身近に感じ、生きたい、と強く思うことは中々なかったのではないだろうか。
そんなタイミングで、たとえ目の前が真っ暗になっても、生き続けることを選択したいと思える映画を観たのでここに記録しておきたい。(ネタバレ含みます…)

All the bright places 『最高に素晴らしいこと』

邦題は、『最高に素晴らしいこと』。
Netflixオリジナルの映画で、暇を持て余した週末に、エル・ファニングがかわいい〜という理由だけで観始めた作品。笑

エル・ファニング演じるのは、
姉を交通事故で亡くした女子高生、ヴァイオレット。
悲嘆にくれ、橋の淵に立ち虚空を眺める彼女の元に現れたのは、同級生のフィンチ。
彼は学校で変人と噂され、距離を置かれている青年だが、心根が優しい彼にヴァイオレットは少しずつ心を開いていく。

フィンチがプレゼントする言葉が光る

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どんな場所でも意味がある
少なくても僕らにとってはね
君のいいところは分かる?
色んな色が混じり合って、明るいんだ。

映画の中で、フィンチがヴァイオレットに放った言葉だ。頻繁に思考が頭の中で渦を巻き、混乱してしまう彼は、自分の思考をポストイットに書き、部屋の壁にペタペタと貼っていく癖があった。
頭の中で練り練りして放つ言葉だらけだから、ずっしりと重みがあり、ストレートに心に響く。
映画を観ていても、きらりと光る言葉が多くて、
何度も一時停止ボタンを押して、ノートに書き込んでしまった。

生きることを選ぶ人と、死ぬことを選ぶ人

山を登らなくても世界を一望できると。
みにくい場所にも美しさがあると。
時間があればわかると。
迷うのは悪くないと。
帰り道さえあれば。

ラストシーンでヴァイオレットが詠みあげる文章の一文だ。帰り道さえあれば、迷うのは悪くないと、教えてくれたのはフィンチだった。
そして、ヴァイオレットが何度となく悩んでもそれでもなお、帰れる場所を作ってくれたのもまたフィンチだった。

この経験の中で一番大切なことを見逃してた。
フィンチ、彼の心の痛みを。
前を見て進み続けることを教えてくれた。
彼は夢を見てた。
起きていながら美しい世界を実現させる夢を。
知られない美しさを見せてくれた。
この暗い世界の素晴らしさを、
それがなくとも自身がそうなれると。
可能性は無限だと。

エンドロールが照らすのは、誰かの帰り道

死ぬことを辞め、生きることを選ぶ人々がいる。
でもそのすぐ隣で、
生きることを辞め、死ぬことを選ぶ人々もいる。

この映画は、暖かな映像とともに、
迷うのは悪くない。生きることへの帰り道さえあればそれでいいと、
優しく教えてくれる。

(最大のネタバレですが)フィンチが歩けなかった、その帰り道を、この映画を観ている迷える人々に対して、
エンドロールで示す導線があった。

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このサイトにアクセスし、日本語を選択すると、
悩み電話相談窓口である、「よりそいホットライン」のページに繋がるような仕組みになっている。

生きることを選択する

日々辛いこともあるが、生きることを選択したいなと強く思える映画だった。

私の父は、病気にかかり意気消沈と過ごす日々があったけれど、今は家族みんなで一緒に筋トレをして、元気でいるぞ!と笑い、生き続けることを選択して少しずつ歩んでいる。

これからも、生きたいなあ。そして、だれかが生きたいと思える帰り道に、自分がなれたらうれしいなあ。
明日からも頑張りましょう!

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