見出し画像

子供にスマホを持たせる前に考えること

子どもに携帯を持たせるときって色々不安はありませんか?

私も子供にスマホを渡すことに躊躇しました。それがきっかけで子供のスマホ使用に関してのリサーチには、結構な時間と労力を費やしてきました。その流れで、スマホやソーシャルメディアを子供が使うにあたって、健康的なテクノロジー使用習慣を身に付けて欲しいと思い契約書を作りました。ハイスクールに通う私の娘と息子は今でも契約書に書かれた約束事に守られながらスマホやパソコンを使っています。反抗することもありますが、親に守られていることでティーンは内心安心するんです。情報過多の現代の子供達には、一昔前とは違う心とからだの健康管理の手段が必要だと思います。

統計を見てみると、日本でのスマホを子供に持たせる平均年齢は10.6歳で、中学校入学を機にスマホを持たせる家族も多いようです。大人でもつい時間を忘れて使ってしまうスマホですが、まだ成長中の子供の脳、精神衛生にどのような影響があるのでしょうか。


子供がスマホを持つことの短所

スマホがあるとどこにいても簡単に友達とコミュニケーションが取れること、そして興味があること・知らない事をすぐに調べられることができ、その分野の人たちと繋がることができるなどスマホを持つことで広がる世界があり短所はどうでしょうか。私が思いつく短所を箇条書きにいくつか挙げてみます:

  • 睡眠不足になる

  • 勉強などやらなければいけないことに集中できない

  • 嫌なことや悲しいことがあった時にその感情を認知して家族に話したりせず、スマホをいじることで気を紛らわす

  • オンライン上でのいじめ

  • 年齢に合わないコンテンツを吸収してしまう

  • 証拠写真やスクショが流出し学校で問題になる、進学や就職にまで影響することがある


私の観察と経験

子供達が通っていた小学校でも10歳(アメリカの5年生)くらいからスマホを持つ子が出てきました。アメリカでは子供ケータイはないのでスマホになります。これは5−6年前の話ですが、スマホの使用について私のように危機感を感じている親は、全体的に少なかったように感じます。


決してメジャーではありませんでしたが、スマホを子供に持たせるのは”Wait until 8th”(8年生まで待て)という運動もありました。私も8年生(通常アメリカの中学は6−8年生)まで待ちたかったのですが、その頃娘に持たせていたblackberryが壊れ、買い換えるのにもちょうど良いものが見つからなかったのと、blackberryを持っている子は周りに一人も居なくて、グループでチャットするにも画面が見にくく使いにくい、という理由から「まあここまでよく頑張った」ということでスマホを7年生の途中で渡すことになりました。

我が家は全員iPhoneなので、子供達にスマホを持たせる際に子供用iCloudアカウントを作成し、家族のアカウントに追加しました。こうすることで、子供は新しいアプリをダウンロードする際に親の承認が必要になるように設定出来ますし、各アプリの使用時間制限も可能です。

スマホは12歳で持つことをOKしましたが、ハイスクールに入るまでソーシャルメディアの使用を禁止していたために、それまでにソーシャルメディアの使用についての長所や短所を学ぶ時間がしっかりと取れました。

現在日本の夜中にオンラインでの心のカウンセリングをしていますが、小学生から高校生までの子どもが夜中の1時2時にスマホからアクセスしてきます。睡眠は(特に脳が成長している時期)心の健康のバロメーターと言われるくらい大切です。大人でもスマホでついつい夜更かししてしまいます。最低でも寝る時間の1時間前に、スマホを預かることはとても重要なことだと考えています。


我が家ではキッチンのカウンターに充電エリアを設置し、そこにスマホ契約書に表記された時間までに毎晩置く習慣がついています。お友達が来た時や宿題でスマホを夜の使用時間後も使いたい時は「XXで使いたいからあと30分使ってもいい?」と親に確認を取るように教えます。このようなコミュニケーションは大人になっても役立つスキルです。

”スマホ欲しい”パワーを最大限に利用する

子供のスマホが欲しい気持ちはとても強いです。犬を飼いたい時のお決まり文句「なんでもするから」と似ています笑 この欲しいパワーを最大限に利用して、約束事を子供と一緒に考えていきます。スマホを使う際の心配事、ドーパミンの影響、睡眠の大切さなどを出来れば実例も挙げて話します。勝手に親がルールを決めて『これを守れ』と言っても、子供は不貞腐れて反抗します。逆に”なぜこのようなルールが要るのか”を理解していると、文句を言いながらも子供は自分のために労力を費やしてくれる親に安心感を感じ、ルールを守るようになります。私の2人の子供たちは2人ともハイスクールの年齢ですが、現在でも契約書の約束に沿ってスマホを使っています。約束事は最初は厳しめにして、成長の様子を見ながら緩くしていきます。

ちなみに、この手作りの契約書は子供の成長に合わせて項目を追加したり訂正したりしていきました。周りのアメリカ人ママ・パパ友達の間でちょっとした話題になり「契約書シェアして」とよく頼まれたものなので、和訳して皆様にも参考にして頂けるように設定しました。小学生用と中高生用の2種類用意してあります。
📱スマホやくそく事/契約書のダウンロードはこちら


日頃からスマホ・ソーシャルメディア使用について会話をする

テクノロジーに飲み込まれず、テクノロジーを自分のツールとして上手に使う習慣を作っていくには親のガイダンスが必要です。スマホで見る動画、ゲーム、ソーシャルメディアについて普段から会話する事で、物事を客観的に観察できる力を培います。この客観的な視点は、特に外見が気になってくる年頃の女の子をソーシャルメディアの悪影響から守ってくれます。また、年齢によりますが、私は子供たちにソーシャルメディアが及ぼす影響についてのドキュメンタリーなどを一緒に観たりもします。

スマホやその他のディバイスの制限機能を使用する

子供のスマホやインターネット使用の制限と管理をする方法は色々あります。私はその分野のエキスパートではありませんが、iPhoneの場合は子供用のiCloudアカウントを作り、スクリーンタイム⏳(iPhoneの設定アプリ内)を活用をしましょう。私の娘(16)は”今日はスマホを使う時間が長すぎたかな”、と感じると自分でスクリーンタイムをチェックし「あ、このゲームにこんな時間を使っちゃった。来週からテスト期間だから削除しておこう」と、だんだんと”使いすぎセンサー”が働くようになり、自分で管理出来るようになってきました。

健康的なスマホの使い方を家族で心がける

子供には「携帯ばかりいじってないで勉強しろ」と言うのに、自分はスマホを使いっぱなしという状態だと説得力がありません。家族でご飯を食べるときや子供と話しているときはスマホをしまい、親がお手本を見せたいものです。ただ、大人は子供の学校や習い事、仕事のことでもスマホを使います。子供が友達とやりとりしたり、ゲームをしてりするのとは違います。夕食中にどうしても使用しないといけないことがある場合「ご飯中だけど仕事のメールを待っているからちょっとチェックさせて」と一言家族に断りましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?