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クリスマスプレゼントなんていらないわのよ

タイトルは、お金のかからない女だということがアイデンティだった私の意地と、ピノコへのオマージュです。

うちの次女(6歳)Mちゃんは、思いやりがあってとてもいいやつだ。私が(日々)幼稚園の準備物を忘れても、「ママは忘れん坊だなあ」と言って許してくれる。しょうもないギャグやおしりなどのお下品ワード連発にも、絶対笑ってくれる。こないだプラネタリウムに連れて行ったら「綺麗すぎてちょっと泣いちゃった」とか言う。

6歳ながら、なかなか空気が読めるやつだなあと思うけれど、しばしばおかしな時がある。

クリスマスプレゼント、サンタさんに何お願いするん?と聞くと、去年と同じ、すみっこパッドと答えた。え?なんで同じなの?と聞くと、なくしたから、という答え…。

すみっこパッドはまあまあ高かったので、母は激怒した。そんなんサンタ(ブチギレのため敬称略をお許しください。)は絶対許さへんからな!死ぬ気で探さなかったらサンタ(同上。深謝。)は今年は来ない!と鬼の形相で叱った。

しかし、一向に探す気配がない。その上、「じゃあipadが欲しい」とかのたまった。さらに高いやないか。

舐めている。完全に母を舐めている。サンタ(もうこのままいかせて下さい。深謝アゲイン。)のことも舐めている。

もうこやつにはクリスマスはないな、育て方を間違ったか、とダークサイドに落ちかけていたところ、不穏な空気を察した長女が、おもちゃ箱という名の魔界の深淵からすみっこパッドを掘り出してきてくれた。

「おねえちゃん、ありがと〜」と満面の笑みで受け取る次女。何の努力もせずに、今年のクリスマスプレゼントとすみっこパッドを勝ち取ったのだ。腹立たしいが、奴の笑顔は全てを帳消しにする魔力を持っている…。母完敗。

で、今年のクリスマスはどうするー?と気分を取り直して聞くと、ちっこいちっこい紙に「ちゃれんじいちねんせいがほしい」と書いて、窓に貼っていた。(次女はすぐに何かを窓に貼る習性を持っている。)

そんなちっこい字ではサンタさんは見えへんわ!というツッコミはさておき、はて、ちゃれんじ1年生をご所望とは如何に???とクエスチョンマークが並んだので、ママ友に伺ったところ、「可愛いねー。でも年間購読だよね。」とのお言葉。ねねねね、年間購読ていくらになるねん!と却下!すべく、策を練らなくては。

ちなみに次女は「ちゃれんじ1年生」のお試しDVDを封も開けずに捨てていた。DVDの見方も知っているし、字も読めるのに、だ。やる気あるんか?まじで。

そして先週誕生日。誕生日プレゼントは何が欲しい?とおうかがいすると、「プレゼントペット」との回答。はて、プレゼントペットとは?と思い、聞いてみると「はこに入っててね〜でんちのかみをぬいたら、うごきだしてはこからでてくるの〜」と、さも持っているかのように、スラスラとお答えになる。Youtubeで見たそうだ。恐るべきネクストデジタルネイティブ世代!(正式名称なんて言うの?)

で、それを聞いたのが誕生日当日(詰めの甘さが売りです。てへぺろ)だったので、近所の電気屋さんに電話して「プレゼントペットまだ在庫ありますか⁈」と鬼気迫る問い合わせをしたところ、30分以上待たされた挙句「あと1点だけ残っていますが、取り置きはできません。店内にもお客様が多数いらっしゃって…」と煽られる。思わず「今すぐ行けってことですね⁈」と半分キレながら、車に乗り込んだ。

道すがら次女は「おきゃくさんってどのぐらいたくさんなのかなあ〜」「こどもづれかなあ〜」「おんなのこがおおいのかなあ、おとこのこがおおいのかなあ〜」と6歳なりに確率論で可能性を推定しようと聞いてくる。必死の母は「しらん、いっぱいってゆうてたわ」としか答えず、自発的学びを促す。(最短ルートを考えるので頭いっぱい。)

車を降りてからは風邪気味の次女を爆走させ、2人で呪いのように「プレゼントペットください」「プレゼントペットください」と唱えながら店内に駆け込む。

そしておもちゃ売り場に着いたところ、おや、お客さん、います?これを沢山って言います?という半ば詐欺にあったぐらいのキョトンさで、みまわす。しかし、ライバルがどこに潜んでるかわからない。「あそこに同じくらいの歳の女の子いるよ!」と発破をかけて次女に探させる。が、当然のごとく売り場は広すぎて見つからない。

研修中のお兄ちゃんに「プレゼントペットありますか!あと1点て言われたんですけど!」と迫ると、「ええっと…」と頼りない返事。もういい、自分で探す!と視点を逸らすと、あったよ!

「あったよ、プレゼントペット!」と駆け寄ると嫌な予感…。「うーん、これ、Mちゃんがほしいやつじゃないけどがまんする〜。」とのこと。謙虚を装った嫌味か。

母としての力量を試された気がした私は、「ネットで見てみるね、ネットに在庫があったらサンタさん持ってきてくれるから!」と必死でネットサーチ。そう、我が家では、サンタさんとヤマトさんの格はほぼ同じなのだ。

ほしい種類のプレゼントペットの在庫はネットにあった。プレミア価格とのことで、2000円アップだったが、楽天ポイントで買えるからタダみたいなもんだ。(夫には、楽天ポイントをタダだと思うのはやめなさい、現金だと思って、と忠告されている。)で、速攻ポチる。

一安心。しかし、誕生日プレゼントはゲットできていないため、再び売り場を巡る。リカちゃん人形が欲しいと言ってたので、リカちゃん売り場を巡る。しかしお気に召すものがなくテンション下がり気味。

「ほら、リカちゃんのママが売ってるよ!」「(リカちゃん彼氏の)はると君も売ってるよ、王子さまバージョンもあるよ!」と盛り上げると、優しい次女は「そうだね〜」と欲しくもないのに、笑顔で相槌を打ってくれる。

リカちゃんに妹がいることは何となく知っていたけど、妹は双子な上に3つ子の弟もいて、大家族になっている。大きいお店だとリカちゃんのママや彼氏は売ってるけれど、パパの現物は見たことがない。ジェンダー差別ではないか。

セレブ間漂う巻き髪の(金がかかりそうな)妻と大家族を支えているであろうのに、リカちゃん顔に仕立て上げられ、苦労が微塵も垣間みられない可愛らしいパパが可哀想すぎて、私だったら即買いするだろう。

と言う、私の無駄な逡巡を差し置いて、次女が「これにする〜」と持ってきたのは、謎の、髪が伸びるリカちゃん(冒頭の写真参照)。

怖くないか?何が怖いって、ヘアアイロンなるもので髪を挟むと、引張られた髪が頭頂部からずずずずーっと伸びてくる。そして長髪に飽きたら、お腹のネジにボルトを差し込んで巻くと、ずずずず〜っと髪が頭頂部に吸い込まれいく。やっぱり怖すぎひん?

伸ばしたり吸い込んだりする時に絡まると壊れるので、髪を丁寧にとかなければいけない。夫が、「パパ、こういうの得意やねん」と言うのでなぜかと訝しがったが、「細いファイバーと同じやん?ファイバーはもっとちくちく刺さるよね〜」とか同意を求めてきたが、しらん。なぜこの家族は私が何でも知っていると思うのだろうか。

「ファイバーは一回広げてからとくんやで〜」と自慢げなパパを一生懸命見つめていた次女は、妖怪髪のび〜るリカちゃんの髪が絡まるたびに、床にリカちゃんの髪を広げ、おまたをおっ広げて梳かしている。

こんなに長々とクリスマス(半分以上は誕生日)の話を書いた私が伝えたかったことは、とにかく子供のプレゼント選びは一大事だってことだ。(浅い。)

我が家の場合、長女はもう、今年まではサンタさんいてることにしとくわ〜、でも誕生日と合わせて値段2倍でもいい?とか言ってきて、こちらは、お、おう…と答えるしかないような年齢だし、2人なのでまだマシだろうけど、3人以上のお子さんがいて、ちっこい奴らが法外なリクエスト出したり、旦那さんが髪をとかしてくれなかったらどんなに大変だろう。病むよ。

子を産むまで約30年、クリスマスは美味しいものを食べれる素敵なシーズンだと思って生きてきた。プレゼントは面倒臭いので基本やりとりはせず、ただ自分へのご褒美と飲み食いを楽しむ。まだその感覚が抜けず、クリスマス1週間ほど前までワクワクしながらマライヤキャリーをかけて踊りまくってしまうが、子供へのプレゼントについて何も考えてないことにハッとしてbadで、サッと血の気がひく、ここ10年。

全く関係ないが、学生さんがラジウムについての英文訳をした時に、発見者が「マライヤキャリー」になっていたというAちゃんの話が好きだ。音楽を共に愛したあなたのおかげで、名曲をニヤつきながら聞くことになって、幸せです。

今日も、お父さん、お母さん、お疲れサマンサ。自分のための時間をちゃんと取るんやで。愛くるしい天使たちがわがまま言ってきても、しらん、でいいんやで。

長々と読んでくれたみなさんにはお礼として、シュトーレン切ったら自分のところだけフルーツがぎっしりすぎて食べにくいと言う幸せのじゅもんをお届けします。ホナ!


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