セレモニースタッフの過酷な業務。

セレモニースタッフは、式典の進行やご案内以外にも、たくさんの業務がある。

まず、設営。

会場の規模はオーダーされた式典の価格によって変わり、それぞれのコースの祭壇の見本写真を見ながら、3段じゃない5段だ6段だ、と急いで創っていく。


細かい作業だけれども軍手をはめてリンゴをピカピカに磨くところから始まる。

祭壇という場所は、やがて仏様になられた故人様も安置される所なので心を込めて一つ一つ設営していかなければならない。

祭壇が出来上がったら、ホール周りの設営。

ご遺族様より、受付のところに、ウェルカムボードを設置したいというご意向を急遽受けることもある。

「こんなに素敵な写真があったから」と。

あ、、、!!、、、。


それはそれは素敵な写真なのだ。。

お預かりしてコピー。

拡大に拡大を重ね、大きなポスター大にしてボードに貼り、周りを羽と綿を組み合わせて飾りつける。

己一つの脳みそのアイデアでは心許ない。故にここは人手が要る。

「そういえば故人が好きな曲があったんです」と。

宇多田ヒカルさんの「花束を君に」

え!
それめっちゃいい!!
流そ流そ!

その作業を即座にその場のメンバーで判断して設営する。

時間に追われる。
なまものすぎて、その仕事を成文化して残して引き継ぐ余裕がまるでない。

マニュアル作成に至らない現場のジレンマを垣間見た。

腰を据えてこそ成就してゆく現場であることは言うまでもない。

しかし、私は、そのもう一つ先の現実で折れ、現場を離れるのであった。

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