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9/30 学校には、希望がない

今朝も学校に行く時間になって、「行きたくない」。
じゃあカードで話をしよう、と言うと持ってくる。
息子にとっては、姉である娘が学校に行って、私と二人になってから、がいいのかもしれない。

今日選んだ8つの感情は、分けてみると、
「今、学校に行くことを考える時の気持ち」
「今、こうやって話をしている時の気持ち」
「学校にいる時の気持ち」の3つの場面での気持ち。

今、こうやって話をしている時からいこうか、と
「この大事にしたいカードの方の、何があるからこういう『わくわくする』感じになるんだろう?」
「逆に、何がないからこういう『つまらない・退屈』な感じになるんだろう」

そう聞いて選んでいくと、他の2つの場面での気持ちにあるニーズも混じっているかな? というものをいくつか選んでいく。
そうだよね、気持ちは全部つながっているね。

「これは、今話している時だけの気持ち? 学校にいる時のもある? ……うん、あるんだね」
「いくつかあるけど、これは、いい感じになる時に『ある』もの? それとも嫌な感じになる時に『ない』もの? どっちだろう。どっちも、というものもあるかな」

「ある」から満たされているもの、「ない」から満たされていないもの、に分けてもらう。

「ある」ものは、学びや理解、つながり、楽しみなど……
昨日までの話では嫌な気持ちの時にほしいもの、としていたものもある。
うん、得られることもあるよね。

「ない」に息子が置いたのは、ふたつ。
つながりと、希望。
つながりは、話していたら、違うかも、とよけた。

つまらない・退屈なのは、希望がないから

「『希望』がないんだね。この希望ってどういうことを言っているんだろう?」

うーん、えっと、漢字。漢字と、ことば。と返ってきた。
「そっか、漢字とことば。漢字とことばに希望がないっていうのはどんな感じか、もうちょっと教えてくれる?」

うーん、と困った顔をしている。
「希望っていうのは、こうなったらいいな、と思っていること。
希望がないっていうのは、こうなったらいいな、と思っていることが、今のままだとそうならないな、って思っている、ってことなんだけど、そう?」
というと、頷く。

「そうか。じゃあ、漢字とことばについて、こうなってほしいんだけどそうならないな、って思ってるんだね。どうなったらいいな、って思ってるの?」

聞いていくと、言いたいことが言葉にならない時に、ごにょごにょしてしてしまう。ごにょごにょじゃなくて、ちゃんと言えたらいい。ということらしい。
(普段、息子がごにょごにょ言う時、「はっきり言って」「ちゃんと喋って」と言っている自分が脳裏に浮かんで、ごめん、と思う……)

「学校でごにょごにょになっちゃう時ってどれくらいあるの? 毎回の授業中に1回くらい?」
「そうなった時は、どうしてる? 黙ってる? ……そっか、黙ってるんだね。ごにょごにょして、言えないな、って思っているうちに次の話にいっちゃう、って感じかな」

そうだ、と言い、休み時間も含めて2時間で1回くらいあるらしい。
ごにょごにょになっちゃうのを、ちゃんと言いたい。言えるようになりたい。
だから、漢字とことば。なのか。

「だから漢字とことば、なんだね。そうだね、漢字とことばをたくさん知っていたら、言えるようになることもあると思うよ」
「もうひとつ、ことばはもう知っているんだけど、もやもやしている気持ちや言いたいことが何かつかめてない、だからことばとつながらない、ってこともあるかもしれない。どうだろう?」

ふたつ目の話をしたら、ちょっと首を傾げて考えてから、頷く。

「そっか。じゃあ今、かーちゃんとこういう話をしていることは、ごにょごにょがわかる、言えるようになる助けになってる?」

それも、頷く。

「そっか。あなたの助けになれてかーちゃんは嬉しいと思ってるよ。よかった。かーちゃんはこういうお仕事してるの」
「かーちゃんはお仕事でやっているから助けになれるけど、そうじゃない人は難しいかもしれない。学校に、そういう人がいるかはわからない」
「いるといいね、でもわからないから、こういうのはどうだろう」

これをあげる、と新しい小さなノートを渡す。

「今度、学校でごにょごにょになっちゃった時、絵でも線でもぐじゃぐじゃでもいいから、そのごにょごにょをこのノートに描いてよ。なんでもいいよ。
それを持って帰ってきて、あの時のごにょごにょはなんだろうね、ってカードで話そう」

わかった、とノートを持っていく息子。

「ごにょごにょがわかる、言えるようになりたい、って気持ちがあること、かーちゃんはすごいと思うよ。帰ってきたら教えてね」

じゃあ3時間目から行く、と言うので、準備する時間、出る時間を話すと、本を読み始める。
準備する時間になったら、「行くよ」と私を呼びに来た。

ごにょごにょがわからない、ちゃんと言いたい。言えるようになりたい。か。
そうだね、勉強も大事だけど、それもとっても大事なこと。

そういえば、カードと感情、ニーズリストと紙とペンを置いたコーナーを作って、ここに作ったから、書いて伝えたいことがあったら使ってね、と声をかけた時、目をこすっていたな……

言えるようになりたい、は、自分にあるものを伝えたい、わかってほしいから。
そうだね、そうだよね。


その日の夜は不在にしていたので、息子は私の机の上にノートを置いたらしい。
置いてあることに気づかず寝たら、朝「見た?」と言われる。

見てない、ありがとう見せてー。
と言って開いた1ページ目。

きょうわなにもなかった。

そうか、昨日はなかったのねー。

あなた正しく書きたいと思うから言うと、きょう「わ」は、「は」だよ。という朝のやりとり。

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