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I think about son15

夏休みの終わりは31日ではなかった。
なんとも中途半端に、確か、8/26から始まった。お盆が過ぎるとなんだかイライラが募っているような彼。学校の始まりを意識していたようだ。週2くらいで行ってみよう、とカレンダー片手に彼に言ったことが、今思えば追い詰めていたんだと反省した。

2日前から苛立ちがピークに達し、彼の心は夜は荒れに荒れた。ゲームの延長を頻繁に求め、不安を忘れようとしていた。

夏休み明けの自死率は高いことはよく知っていた。私も彼とは違う不安が募り、部屋で彼が静かだと余計にそれは深まった。自分の気持ちを沈め夜も深く眠るため、私はキッチンの包丁を紙に包み引き出しの奥にしまった。
アウトドアで使うために買ってあったロープもわかりにくい場所に隠した。

学校が始まる前日の夜、寝ようとした時、彼は私を呼び止めたが「いいや、なんでもない、、」と呟いた。嫌な予感が溢れ、私は彼に「明日はいいよ、行かないで。また9月に入ってから考えよう」と返した。

彼はその夜、とてもゆっくり眠れたようだ。

9月に入ってすぐは期末試験だった。余計に行きづらいじゃないか。返却期間も考えると落ち着くのは下旬。

夏休みの「休み」ってなんだ。

〈何にもないとこから
  何にもないとこへと
  何にもなかったかのように
  巡る生命だから〉

引用
 森山直太朗ー【生きてることが辛いなら】


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