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《神話-3》デメーテルとペルセフォネー

こんにちは。
Ayaです。
《神話》シリーズ第3話は『デメーテルとぺルセフォネー』を取り上げます。

オリュンポスの12神

《神話》シリーズも第3回目を迎えましたが、ギリシア神話の神々にも地位がありました。特に位が高いとされたのは、

(1)ゼウス
最高神。女好きで、毎回正妻へーラーを激怒させます。詳しくは第1話をご覧ください。
(2)へーラー
ゼウスの姉にして正妻。結婚の女神。ゼウスの浮気相手や隠し子に厳しい制裁を課します。詳しくは第1話をご覧ください。
(3)アテーナー
ゼウスの娘。知恵と戦い、工芸の女神。処女神のひとり。
(4)アポローン
ゼウスの息子で、アルテミスの双子の兄。太陽神、予言、芸術の神。イケメン枠のはずがなぜか悲恋のエピソードばかり伝わっています。
(5)アフロディーテ
愛と美の女神。詳しくは第2話をご覧ください。
(6)アレス
ゼウスとへーラーの息子。戦いの神。アテーナーとは違い、残虐性が強調されています。アフロディーテの不倫相手。
(7)アルテミス
ゼウスの娘で、アポローンの双子の妹。月光、狩猟の女神。第1話のカリオペーの項でも述べましたが、処女神のひとり。
(8)デメーテル
今回の主役です。
(9)ペパイストス
ゼウスとへーラーの息子。鍛治の神。アフロディーテの夫。
(10)ヘルメス
ゼウスの息子。神々の伝令者として各地を飛び回っているため旅・商業の神とされますが、赤子のときに泥棒をしたというエピソードから泥棒の神でもあります。
(11)ポセイドン
ゼウスの次兄で、海を支配しています。
(12)ディオニソス
ゼウスの息子。酒の神。元々ゼウスの姉でかまどの女神ヘスティーアがこの座についていましたが、彼に譲ってやってます。

の12神でした。この神々をまとめて、『オリュンポスの12神』といいます。ギリシア神話では彼ら・彼女らが何らかの形で登場しますが、今回はデメーテルのエピソードについてとりあげます。

デメーテルとぺルセフォネー

デメーテルはゼウスの姉で、農耕の女神です。いつもの女癖の悪さから、ゼウスと関係を持たされてしまいます。へーラーも実姉のであるデメーテル(姉妹の順番はヘスティーア、デメーテル、へーラーとされることが多い)には制裁を下すことはできなかったようです。デメーテルはゼウスの娘コレーを出産します。コレーが美しい乙女に成長した頃、ある神が彼女に一目惚れします。
その神とは冥府の王ハーデスでした。彼はゼウスの長兄にあたります。父クロノスらを倒した後、ゼウス、ポセイドン、ハーデスの兄弟が籤で支配する領域を決めたのです。ゼウスと違って生真面目なハーデスは、コレーとの結婚をゼウスに相談しました。
ゼウスはこの結婚を承諾します。彼女の母デメーテルに許可を取ろうとするハーデスには自分から伝えておくと言った上、コレーを攫うように唆します。ハーデスは女性経験の多いゼウスのいうことから間違いないだろうということで、実行します。
花摘みをしていたコレーを無理やり拉致したのです。絵画もありますが、この彫刻が有名です。

ベルニーニ『ペルセフォネーの略奪』
バロック彫刻の巨匠ベルニーニによる作品。わずか23歳のときの作品だが絶賛される。


一方、娘が行方知れずとなり、心配したデメーテル。そのうちハーデスとゼウスが共謀の上コレーを連れ去ったと知り、激怒します。自分の農耕神としての職務を放棄して、世界各地を放浪します。

『エレウシスの秘儀』(ポンペイの壁画より)
各地を放浪中、デメーテルはエレウシスという地で秘儀を伝えた。この秘儀はローマ時代には大流行した。

デメーテルが農耕神としての職務を放棄したため、世界中が飢餓に苦しむこととなりました。ゼウスも流石にマズいということになり、伝令神ヘルメスに命じて、コレーを連れ戻します。

レイトン『ペルセフォネーの帰還』

喜ぶデメーテルでしたが、コレーが冥府でサグロを口にしていたため、一定期間冥府で過ごさなくてはならなくなります。ゼウスの仲裁によって、コレーは半年間冥府で過ごし、残り半年をデメーテルと過ごすことに決まりました。娘のいない半年間はデメーテルが嘆き悲しんで、農耕神としての職務を放棄するため、世界に四季ができたとされています。

ロセッティ『プロセルピナ』


コレーはハーデスの妃として『ペルセフォネー』
という名が与えられました。こんな馴れ初めでしたが、ハーデスとの夫婦仲はよかったようです。ハーデスとペルセフォネーの間には子どもがいませんが、これは冥府なので新しい命は誕生しないということらしいです。
ゼウスと違って浮気は少なかったハーデスですが、一度だけメンテーというニンフに夢中になります。ペルセフォネーは嫉妬し、このメンテーをミントにしてしまいました。

デメーテルとペルセフォネーのエピソードは、農耕神と種の関係を象徴しているといわれています。当時の人々は種は一度死んで、蘇って花を咲かせ、果実を結ぶと信じていたようです。冥界にいる神々は他にもいますが、ペルセフォネーはよく登場します。このあと取り上げようとしているエピソードにも登場しますので、出てきたら拉致られたひと(神だけど)ね〜と思っていただけたら幸いです。






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