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中3の息子の修学旅行に付いて行った、母親の体験記

うちには、発達障害で学校に行きにくい中学生の息子がいる。

息子は、学校にはほとんど行っていないのに、修学旅行には行きたいと言っていたので、これまで学校の先生に何度も相談させてもらっていた。

小5の時の宿泊学習も、小6の時の修学旅行も、初日しか参加できなかった過去があり、今回は2泊3日な上に、迎えに来てと言われても、ちょっとやそっとじゃ迎えには行けない遠い距離。

とにかく修学旅行先で息子の不安が少しでも軽減できるよう、思いつく限りのあらゆる事を予想し、学校側にどこまで対応してもらえるか分からなかったけれども、モンペと思われそうな、かなり図々しいお願いも思い切ってしてみた。

その結果、私も修学旅行に付いて行くことに!!!

まずはお金と体力の心配があった。

ホテルやら飛行機やら、息子がみんなと一緒に行動できない可能性も考慮し、学校の修学旅行費とは別で、私個人で息子の分と2人分予約する必要があった。

発達障害の夫はお金にうるさい人な上に、私は現金収入が一円もない専業主婦。

夫は、「どうせ修学旅行なんて行ける訳ないんだから、キャンセルしてお金返してもらえ!」とずっと言ってたくらいなので、私の分の旅費なんて一円も出してくれない。

しかも、私はかなり体力がない…修学旅行の準備だけですでに疲れていたのに、現地でレンタカー借りて車の運転もしなければならなかった。

お金はいくらかかるのか、体力はもつのか…不安がいっぱいの中、息子の修学旅行準備をすると同時に、私も修学旅行に付いて行く準備をし始めた。

まずは、飛行機とレンタカーの予約。

何でもかんでも携帯から予約が出来る時代、住所だの名前だの入力して登録する必要がある。

ちょっと戻るボタンなんかを押してしまおうものなら、また一から入力し直し…を何度も何度もやってしまって、超うんざり。。。

そしてレンタカー会社が山のようにあり、その中から選ぶのだけでも至難の業…車に詳しい夫に相談したら、「ベンツのレンタカーがある!滅多に運転できないからベンツにしときなよ!!」と、真顔で何度も言ってくるので、夫に頼るのはやめた…。

少しでも安くあげたかったので、とにかく調べに調べて、飛行機とレンタカーの予約だけでも4~5時間かかったように思う。

その上、私はセルフのガソリンスタンドでガソリンを入れる事ができない…なので、うちの近所のENEOSと出光のガソリンスタンドをはしごして、ガソリンを入れる練習もした。

4~5時間かけて飛行機とレンタカーの予約、そしてガソリンを入れる練習をした翌日、息子が39°を超える熱を出した…私は『終わった』と思った。

39°の熱を出した翌週が、修学旅行だったからだ。

修学旅行も、私が予約した飛行機やレンタカーも、全てキャンセルかな…どうしよう…と思いながら、フラフラな息子を病院へ連れて行き、コロナとインフルエンザの検査をした…結果が出るまで本当に気が気でなかったけれど、両方とも陰性!…とりあえずホッとした。

2~3日後、徐々に回復してきた為、今度は息子も含めて学校の先生と3人で修学旅行の最終打ち合わせ…1時間くらいで終わると思いきや、なんだかんだで2時間半もかかった…そして、まだ足りない物がたくさん出てきて、翌日、息子と買い出しに行った。

とにかく普段あまり学校に行っていないので、いつの間にか制服が小さくなっていたり制服のシャツが足りなかったりして買いに行ったり、持ってなかった学校指定の水着を買いに行かなければならなかったり、前から放置していたメガネの不具合を直しにメガネ屋さんに行ったり…やらなければならない事がたくさんあった。

そして修学旅行前日に、息子が血便が出たと言い出し病院に連れて行ったりして(大したことは無さそうだった)、既に私は意識朦朧になるくらい疲れきっていたけれど、病院から帰って来てから息子と共に修学旅行の最終準備。

そして修学旅行当日の朝、私は緊張で3時半に目覚めた。

息子の弁当を作り、息子を起こして出かける支度。

当日朝の学校集合についても、先生と事前に綿密に打ち合わせしていた為、その通り実行…何とか息子は、先生が待機してくださっている場所へと行けた!

息子を学校まで送って行ったが安心している暇はない…急いで帰って今度は自分の支度…私の支度はまだ何1つやっていない。

急いで私の旅の準備をし、空港へ。

初めて利用する空港で、初めて利用する航空会社の飛行機、そして今日から3日間の修学旅行が一体どうなるのか…かなりドキドキしながら飛行機に搭乗…約2時間のフライトで目的地に到着。

そしていよいよ第1関門のレンタカー。

まず、わざわざ事前に携帯ホルダーを買って用意していたのに、持って来るのを忘れた…クリップタイプとクーラーの風が出てくる風向口に設置する用と、わざわざ2個買ったのに😭

レンタカーを借りた後、ホテルに行く前に100均に寄って携帯ホルダーを買うか悩んだけれど、思い切ってレンタカー屋さんに聞いたら、なんと無料で携帯ホルダーを貸してくれた!

そして、いよいよレンタカーの運転…私は運転が苦手だけれど、普段、運転している車はミッション車。

AT車は、ほとんど運転した事がない。

レンタカーの笑顔がめっちゃ素敵なお兄さんが、優しく丁寧に車の説明をしてくれる。

レンタカーのお兄さんに、普段はミッション車に乗っていると話し、AT車の使い方を教わる。

そしたら、そのレンタカーのお兄さんも普段ミッション車を運転しているらしく(ミッション仲間がいて嬉しいです!って言ってくれて私の方こそ嬉しかった!)、左足はサイドブレーキなので気をつけてくださいと教えてくれた…そう、クラッチと間違えて左足を踏んでしまうと、超急ブレーキになってしまう!

加速の方はそうでもなかったけれど、減速の時は左手左足がめっちゃうずいてモヤモヤする。

その度にレンタカーのお兄さんの顔が浮かび、何とか運転操作を間違える事は一度も無かった。

そしてレンタカー屋さんからホテルまでは、高速に乗らなければならなかった。

高速を運転するのは超久しぶりだということに、レンタカーを運転し始めてから思い出した…ヤバい😨💦

もう息子の準備でいっぱいいっぱいで、私自身の細かな事前準備が全然できていなかったことに、運転開始してから思い出した😓

初めて運転する車に、初めての道、そして初めて走る高速道路…その上、方向音痴の四重苦…。

何度もコンビニに寄って道を確認しながら(駐車場だけ利用するのは申し訳ないと思い、その都度、水を買ってたらホテルに着いた時には4~5本になっていた😅)、迷いに迷って何とか高速に乗ったものの、看板の地名を見ても土地勘がないので、もしかしたら逆方向に向かっているのでは…と不安になって、PAに寄り、停車して確認。

そしてまた発進…道があまりにも心配で、車のナビと携帯のナビを付けていたら、両方のナビが違う方向を示してくるので大パニック!…また停車して、道確認。

辺りはどんどん暗くなる…真っ暗になる前に何とかホテルに着きたい!

何度も何度も停車しては道を確認…を繰り返し、本来は一時間で着くところ、二時間以上かかって、やっとホテルに到着!

ホッとして、何だか泣きそうになった。

まだ旅は始まったばかりだというのに、もう全力を出し切った感があってグッタリ…でも休んでる暇はなく、そこから先生と打ち合わせ。

そしてなんやかんで、やっと就寝…ものすごく疲れているはずなのに、枕が変わると寝られない私は、一時間毎に目を覚ます…ってしているうちに、朝が来た。

息子はどうかな?
2日目もみんなと一緒に参加できるのか、できないのか?

帰りの飛行機は、息子が、私と一緒に帰るのか、みんなと一緒に帰るのかが分からなかった為、この時点では、まだ帰りの飛行機のチケットの予約を取っていなかった。

でも、その日にレンタカー屋さんに、帰りの飛行機の便をお知らせしなければならない為、2日目の朝に、息子に帰りはどうするか判断させた。

「何とかなりそう。」

その一言で、すぐに私の分だけ帰りの飛行機のチケットを予約!

毎日毎日、帰りの飛行機の便をチェックしていて、座席が残っている便があるかどうか、そして当日が近づくにつれ、どんどん金額が高くなっていくし(最終的には一番高い便で一人6万円くらいになってた😲)、とても不安だった。

夫には休みを取ってもらっていた為、息子より私の方が帰宅が遅かった場合は、夫に学校に息子を迎えに行ってもらう手はずにはしていたが、息子が帰って来る前に私の方が先に帰宅しておきたかった…息子に「おかえり」と言いたかったからだ。

かといって、最終日の朝、私がホテルを出発するのは、学校のみんながホテルを出た後でならなければならない…朝、息子が私と一緒に居る可能性があったからだ。

そんな訳で、絶妙な時間のフライトを選ばなければならなかったので、2週間前にチェックした時より1.5倍くらいに値上がってしまっていたけれど、息子の分の飛行機のチケットは予約しなくて良かったし、その絶妙な時間の便の席がまだあったので、そのフライトを予約することが出来て少し安心した。

私の帰りの飛行機のチケットを予約し、レンタカー屋さんにも連絡し、少し自由時間が出来たので、2日目は私一人で観光地にお出かけした…そう、息子は2日目もみんなと一緒に行動できた!!

本当は私は疲れきっていたので、ホテルでのんびりしようかと思ったけれど、どうせお昼ご飯を食べにホテルから出ないとならなかったし、せっかく高いお金払って飛行機に乗ってレンタカーも借りているので、何とか体を起こして出かけた。

カーナビに目的地を設定しようにも、地名の読み方が分からず😅、電話番号入力が可能な目的地は電話番号で入力した。

目的地付近のデカい立体駐車場に停めたものの、方向音痴の私は、まず駐車場のどこから出たら良いのか分からない…Googleマップを見ても、さすがに駐車場からの出方は載っていない😅

駐車場で車を誘導していたおじさん2人くらいに聞いて、やっと駐車場から目的地までの矢印が書いてあるところまで行けた。

そこからは、外国人観光客の方々が歩いて行く方に着いて行った…笑

日本人の私より、よっぽどちゃんと行き方を分かっている😅

駐車場に車を停めた場所の写真を撮り、車も分からなくなりそうだったので車の写真を撮り、駐車場から出てみたら、目的地まですぐそこって所だったけれど、帰りに駐車場まで戻って来れるように写真を撮り…笑

おかげで帰りは、すんなり駐車場の車まで帰って来られた!

ドキドキのドライブだったけども、レンタカーがあったおかげで、あちこち行けて良かった!

事前に調べる余裕は無かったけれど、行き当たりばったりで美味しいものも食べられた!

その日の晩は、なんだかんだ色々あって3~4時間しか寝る時間が無かった…もうここ一週間くらいずっと3~4時間くらいしかしか寝ておらず、かなりの睡眠不足。

そんな中、ついに修学旅行最終日。

息子は疲労MAXだったと思うけれど、皆と行動を共にすることを選んだ!!

良かった~!…だけどもまだ手放しでは喜べない…なぜなら私が、この旅の最難関である、レンタカーにガソリンを入れてから車を返却するという大仕事が残っている…しかも私の方こそ疲労MAX極限状態で、フライトの時間に間に合わせなければならない😵💦

まぁ疲労MAXは想定していたので、前日にコンビニで一番値段が高くて効きそうな栄養ドリンクを購入しており、ホテルのチェックアウト前に飲んでおいた。

そしてまずは、前日のうちにレンタカー指定のガソリンスタンドの場所を検索し、道順を徹底的に調べ、何度もガソリンスタンドまでの行き方をシュミレーションしておいた。

ホテルをチェックアウトし、車を走らせ高速へ…あれ?そういや高速はどこで降りるんだっけ?…何度もシュミレーションしたのは、高速おりてからガソリンスタンドまでの道だけだった~😣😣😣

とりあえずPAに寄り、車を停めて高速降りるICを確認…栄養ドリンク飲んでても眠くなってきたので、ついでにコーヒーも購入。

そして再び車を走らせる。

そしたら今度は、車のカーナビと携帯のナビが、私が降りようとしてるICでない出口の名前を一斉に言い出し、私しか乗ってないはずの車内が騒がしくなるほど💦

ど、ど、どうしよう…冷や汗たらり…ナビは違うようだったけど、自分で確認した方を思い切って選んだら合っていた!(いや、ナビが間違っていた訳ではなく、きっと違う行き方を示してくれてただけだと思う😅)

もうフライトの時間が迫っている…道を間違えている暇はない!

何とかガソリンスタンドに到着!!

練習した通りにガソリンを入れるも、満タンになっているか不安だったので、いちおガソリンスタンドのスタッフさんを呼んで確認してもらった!…よし、オッケー!!

ここからレンタカー屋さんはすぐ近く…着いたーーー!!!

無事にレンタカーを返却し、空港まで送ってもらう送迎車の車内で、他のお客さんに気づかれないよう、私はそっと涙を拭った。

安堵と達成感の涙だった。。。

超プライベートな事で、ここには書けないような事もまだまだたくさんあり、とにかくめちゃくちゃ大変だったけれども、息子の為に同行した修学旅行だったはずが、何なら私が一回りも二回りも成長した旅だったように思う。

そして、なんだかんだ修学旅行が終わってみたら、息子は3日間みんなと行動を共にすることが出来ていた!!

帰宅した息子は、今まで見た事のない、とても生き生きとした表情で、

「楽しかった!」

と、力強く言った。

うちのワガママ特別待遇を許してくれた学校の先生方には、本当に感謝の気持ちでいっぱい!!

というのも、息子が小5の時の宿泊学習の保護者説明会の後、当時の小学校の校長先生に挨拶に行ったら、私的な予想では、『○○君(息子の名前)、宿泊学習に行きたいって言って良かったですね。』とか言ってくれると思いきや…

「支援担は同行しますが、児童一人に付き教員一人が付ける訳ではないので、ご了承ください。」

とバッサリ言われ、うちの息子が宿泊学習に参加するのは迷惑なのかな…と、かなりショックで落ち込み、当時、息子の付き添い登校していたけれど、私の方が不登校になり、しばらく学校をお休みしたことがあるという経験をしていたこともあったので、今回、中学校の校長先生を始め中学校の先生方には、本当に感謝でしかなかった。

何なら私が学校にお願いしたこと以上の配慮を、先生はしてくださっていた…きっと先生方は、うちの事だけだけでもかなりの時間を話し合いに費やしてくださっていたであろうし、あちこち連絡したり許可を取ったりする必要もあっただろうと思う…先生方、本当にお礼を言いたい!

ありがとうございました!!

息子にとって一生の思い出となった修学旅行だということは間違いないと思うけれど、私の方こそ一生忘れることはないであろう貴重な旅となった。

ちなみに私が中3の時の修学旅行は京都・奈良だったけれど、奈良公園で鹿にお弁当を食べられてしまったこと、理由は忘れたけど何か悪い事をしたのか、夜中に宿の廊下に正座させられたこと…しか覚えていない…笑

長文、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙏

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