製菓力ゼロの漫画家と編集者で、生れてはじめてスコーンを焼いてみた~準備編~
2020年、コロナで渡英取材の予定が吹っ飛んだ。
今年一番楽しみにしていた計画が立ち消えてしまった絶望の中、私は飢えていた。
焼き立ての…おいしいスコーンが食べたい…!と。
イギリス好きならきっと好物であろうスコーンは、私も勿論大好物!なのですが、気軽に食べられなくなってしまいましたね…。
お店に取材には行きづらい…それならば!と、お取り寄せのスコーンを購入して食べてみたりも致しました。
それはそれで大満足だったのだのですが、渡英が吹っ飛んだ悲しみの中で、私はなにか新しく、面白いことをやってみたい…!と感じていました。
そこで思いついたのが、自分で焼くという選択。
こう思い立って、長年お世話になっている仲良しの編集さんであるゆみさんにお声がけしました。
ちなみにこれは竹内が勝手に行っている自主企画なので、出版社などから取材費や原稿料等は一切頂いておりません。
完全に、我々のおこずかいで成り立ってる企画です。
それを承知でゆみさんは、「楽しそ~!やろ~!」と花丸笑顔でご快諾くださいました。う、うれし~!感謝しかない~!!
勢い始めたスコーン企画ですが、折角だからいろんな方にも見たり参加したりしてほしい~!と、過程は逐一Twitterで公開していました。
その結果、思った以上にたくさんの方に助けていただいて、面白おかしく進めていくことができたと感じています。
ここでは、私とゆみさんがスコーンを焼くまでにもだもだした軌跡を、フォロワーさんたちの知恵やレシピやツッコミ満載でまとめてみました。
お菓子作りに興味のある人もない人も、きっとちょぴり楽しくなっちゃう内容なので、ぜひ覗いてみてね!
まずは、レシピを決めよう
おらスコーン焼くど~!と勢い決心したものの、私とゆみさんの製菓レベルはゼロでした。
いや、1くらいかな?フルーチェとか作れるし…!
そんなわけで、検索すればスコーンのレシピは山のように出てくるけれど、いったいどれがいいのか皆目見当がつかない…。
そこで私は早速、Twitterで「誰かおすすめのスコーンレシピ教えてくれろ~!」と聞いてみたのです。
勢い余って聞いてみたものの、みんなそんなお菓子焼くのかよ…?と反応があるかは若干不安でした。
けれども結果的には、30を超えるおすすめレシピやスコーン情報が集まりました!皆さんすごいよ!ありがとう!!
中には、自作のレシピを超素敵な写真付きでご紹介くださった方や
「スキルゼロでも出来ますよ!」と簡単レシピをセレクトしてくれた方
本場イギリスのお母さんのレシピまで!
どれもこれもめちゃくちゃおいしそうで、ツイートのリプライ欄にやさしいスコーン広場(これもフォロワーさん命名)が出来上がるという現象が…!いやぁ、ありがてぇ~。すでに腹が減ったぜ~。
この中で、フォロワーさんたちに「実際に見てみたいレシピにいいねしてね~」と伺ったところ、一番人気だったのがこちらのホテルオークラさんのレシピでした。
こちらのレシピ、門外不出だったのだけれど、コロナ禍でも「自宅で楽しんでいただけるように」と公開に踏み切られたものなんだそう。なんという粋な計らい!
こりゃ~ますますおいしく作るしかないぜ~!と決意が新たになったわけでした。
スコーンにはクロテッドクリームが必要だ
見たところ、スコーンの材料はどれもスーパーで手に入りそうな身近なものばかり。
しかし!その中にひとつだけ、日本のスーパーマーケットで入手しづらい材料がありました。
そう、クロテッドクリームです。
クロテッドクリームは、イギリスでスコーンを注文すると、必ずと言っていいほど一緒に出されるトッピングのクリームです。
トッピングなので、まぁ無けりゃあ無いでなんとかなる…とはいいつつ、ポジション的にはこう…納豆にネギ、鰻に山椒的な…やっぱりスコーンには欠かせねぇ~!という一品なのです。
折角だから作ってみるかとも思ったのですが、調べてみるとめちゃくちゃ手間がかかる模様…。
クロテッドクリーム(Clotted cream)はイギリスの乳製品。
イギリスの南西部・デヴォン州で2000年以上も前から作られてきた伝統的クリーム。ジャムとともにスコーンに付け食べられるのが一般的である。
脂肪分の高い牛乳を、弱火で煮詰めたものをひと晩おいて表面に固まる脂肪分を集め作られる。
脂肪分は60%程度であり、バター(80%)よりは低く、生クリーム(30〜48%)よりは高い。
(Wikipediaより)
まさかのオーバーナイト調理…!
生クリームを使った「クロテッドクリーム風」のレシピもいろいろあったのですが、かなり体力を使うらしく腕が死ぬとのコメントも笑。
商売道具の腕が死んだらたまらんので、こちらはサクッとネットで購入しようとの合意に至りました。
クロテッドクリーム、フォロワーさんの中には複数種類を食べ比べていらっしゃる猛者がいらっしゃったり
北海道産のおススメも、おいしそうだったな~!
頂いたリプを読んで、カルディに買いに行ったりしつつ(私の近所の複数店舗では扱っていなかった…)検討した結果、Amazonや楽天でも購入可能な英国メーカー・Rodda'sのものに決めました。
ただこちら、送料なんかを考えると複数購入の方がお得な気配だったので…まさかの5個セット(28グラム×5個で、1,800円なり!)で購入。
いやでも、本場イギリスで食べるときもクロテッドクリームはたっぷり♡が基本だからね!足りないよりいいよね!花丸!!
というわけで、大満足で次に進みます。
バエるお皿がやってきた
折角だからさ、テーブルコーディネート的なものにもこだわって、素敵なお皿で食べたいじゃん?なんて思い立って英国産陶器(ウェッジウッドとかさ、有名だよね)についても調べていたんですが…た、た、高ぇ~~。
お皿周りはまた別の機会に勉強して特集しよう…なんて思っていたところ、友人の陶芸家・なるちゃん(八代成美)から「私前にスコーン皿焼いたから貸してあげるよ」とのありがたいお言葉が!!
なんかやたらおしゃれなスコーン専用皿を貸し出していただけることと相成り申した。
しかし陶芸家すごいな!なるちゃんに言われるまでスコーン皿って私の人生には存在してないアイテムだったよ笑⁉
こんな感じでスコーンを載せる超素敵なお皿まで入手して、ますます当日が楽しみになっちゃったのであります。
スコーン作りのアドバイスいろいろ
あっという間にスコーン作り目前になったのですが、私を一抹の不安が襲います…大々的にスコーン焼いちゃうぞ宣言をしたものの、果たしてちゃんと焼けるのだろうか…
クロテッドクリームのツイートが便乗バズして(三越英国展の影響で「スコーン」がツイッターのトレンド入りし、私のツイートもついでに注目を浴びた)、数百人単位でフォロワーさんが増えたこともあり(ありがてぇ)、少なくとも数百人が拙スコーンを見守ってくださっているはず…これは…失敗…できない…!
こういう謎のプレッシャーに襲われたので、またしてもフォロワーさんたちに「焼き方のコツやテンションの上がるスコーン情報をください!」と泣きついたところ、今回も多様なエンジェル情報が集まりました。みんな天使かな!
そうか、簡単なのか~!と慰められ
なるほど、あたためないで、コネ過ぎないのが大事なのか~
そういえば前、「雑に作るのがコツ」と教えてくださった方もいたな…なんて思い出し…
中には失敗談を送ってくださった方もいらしたんですが
「これは漫画的にはオイシイ!200点満点!」と思い直し
みなさんの自作やおススメのスコーンを見てテンションをあげ…
おのれを「おいしいスコーン焼くぜ態勢」に作りこんでいったのです…!
頂いた写真やコメント、ここには全部は載せきれなかったんですが、すべて読み返して、ニヤニヤしたりパワーにしたりしていました。
漫画を描く作業って基本的に超孤独なので、この「一人じゃない感」が大変に幸せでした…ここまで付き合ってくださってありがとう…!
そんなわけで、いよいよ調理当日を迎えます。
続きは漫画で、オフショットとともにお届けします!
~調理編につづく~
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