人の幸せが憎い
自分が、欲しくて欲しくてしょうがないものを、他人がもってたら、羨ましいし、悲しいし、憎たらしい。
そら、そうですよ。
妊娠した友人が、会うたびに、とっても嬉しそうに妊婦ライフの報告をしてくれるのが苦痛で会いたくなくなったし、街ですれ違う妊婦も見ると苦しくなってたし……。
でも、そのダークな気持ちを発散できたら、他人を攻撃するなんてところまで発展しないんじゃないかな、とフランスに住むようになって思い始めた。
自分の意見を主張して練り歩くデモや、国や市が主催するお祭り騒ぎイベント(年に一度の音楽祭は、どこでも誰でも、音楽演奏してもいい)とか、
理由なく、川べりや公園に座り込んでダベって飲み明かしたりするフランス人の姿もよく見る。
仕事よりも、飲んで騒ぐのが好きで、それが上手いので、とりあえず発散できているんじゃなかろうか。
ほかにも、フランス人個人の日常の態度を見てみると、
不平不満を我慢せずに口にだす。真面目にやらない。自分のことしか考えてない。
そんなとんでもない人間が普通にゴロゴロいるので、陰湿に溜め込んで、あげくに他人に攻撃する、なんてことは日本より少ないんだろう。
(フランスに住む日本人が、そういうフランス人にまともに毎度、傷ついていたら、「パリ症候群」という心のダメージを受けてしまう)
もちろん「ねたみ」「恨み」はフランスにももちろんある。私が住む街で一番成功している高級・ケーキ屋のオーナーのBMWの車に傷が付けられてたなんて話も聞いたことがあるし。
デモやストのどさくさに紛れて、店をぶち壊したり、路上の車に火をつけたり、なんていうとんでも暴力集団もいる。
まあでも、さすがに妊婦の腹を蹴ったり、暴言を吐いたり、抱っこ紐をこっそり外したり、他人の子どもを抱っこさせてもらってわざと落としたり、なんて話はフランスで聞いた事ないし、ニュース検索してもなかなか出てこない。
日本で実際に起きてる事件は、完全に、欲求不満で自分が幸せになれてないから、その腹いせ&解消の結果だろう。
気持ちを押さえ込んだり、押さえ込まれたり、それに気づかないで真面目に、空気を読んだり、忖度して生きようとすると、人は壊れる。
壊れた先に、他人の攻撃。
人や周りを優先して、自分にやさしくなれないで、自分に素直になれなくて、自分を後回しにする人ほど壊れちゃうんじゃないだろうか。そして、最後の最後の砦、自分を守るために他人を攻撃してしまう。
この記事のタイトル、「人の幸せが憎い」にドキッとした人は、
口にだしてあの人が憎い、○○だから憎い、と言ってみたり、紙になぐり書きしてみると、案外スッキリするのでおすすめ。
自分が壊れるのを少し解消してくれるんじゃないだろうか。
ほんのちょっと、
不平不満を我慢せずに口にだしてみる。
真面目にやらない。
自分のことしか考えない。
を、ある1日だけ限定にして意識して試してみる、なんてことをやってもいいかもしれない。