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とっておき

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金曜日、以前イベントでお世話になった植物屋fytóさんの個展に行った。初めましての街。関西に住み始めて7年目、大阪には何度も行ったことがあるけれど、たどり着いた場所はおしゃれとディープな大阪を両方味わえそうな場所だった。

会場のお店haloさんは、初めて。素敵なお姉さんに緊張しちゃったけれど、fytóさんが笑顔で「あやかちゃん〜」と声をかけてくれて、ほっとする。こういうお店の在り方、続け方を大事にしたいと尊敬する方。今日も優しさと朗らかな空気に包まれていた。

なんとその時、イベントの時にご一緒したお店の方も偶然居合わせて、「かわいい〜」とそれぞれ植物たちを見つめては微笑みあった。

以前その方は、さらさちささんと垂井真さんの『植物園』をお迎えしてくれたのだけれど、『植物園』の中の言葉をとっても気に入ってくれて、きらきらした瞳でその感想を伝えてくれた。伝えてくれる言葉ひとつひとつに赤べこのようにぶんぶん頭を振りながら共感して、垂井さんもさらささんもとても素敵な本を創られる方々なんです〜とおふたりの別の作品も紹介した。なんて嬉しい時間なんだろう。

『植物園』は初めて作家さんに直接連絡をして取り扱わせていただいた作品。さらささんと垂井さんに出逢えてなかったら、この時間はなかったと思うし、他の作家さんにも声をかけることすらできていなかったかもしれない。ありがたいなぁと嬉しさを噛み締めながら、おふたりに会いたいなぁと思った。

目に涙を浮かべて口元は嬉しさを隠しきれないまま、植物に再び向き合う。

そこで、ちょこんっと小さな脚で立っている器にころんと心地良さそうにいるガジュマルを見つけた。ああ、かわいいと思わず声に出てしまう。

他にもいくつも迷うほど、fytóさんの植物と鉢のセレクトは本当に全てが愛らしい。それらが居る空間にいるだけで癒されるのだけれど、手に取って縁をいただくことでより一層癒される気がする。行く前から、かみつれ文庫へ迎える植物はfytóさんから以外は考えられないと思っていたけれど、植物たちと見つめ合うたびにそれは確信になった。

悩んだ末に、わたしはガジュマルを連れて帰ることにした。

かみつれ文庫お店にて

そのかえりみち、このまま大阪を後にするのは少し勿体なく感じて、イベントでご一緒した大阪府茨木市にあるお店「kirsikkapuu(キルシッカプー)」へ。

オーナーのお姉さんがあたたかく迎えてくださり、色々お話しながらお店を何周も回る。いろんな角度で見つめたり、ちょっと触れたり。ものたちがみんな優しい空気に包まれていて、その場にいれること自体がとても嬉しかった。

イベントの時に気になっていたのに買い損ねたボールペンを、かみつれ文庫で使いたくてお迎え。一緒にお店へいきたい友だちを頭に浮かべながら、ほくほくとした帰り道。

お話し中、近くに川端康成文学館があることを教えてもらい、立ち寄った。だが、運悪くその日は臨時休館。しょんぼりするけれど、またこの土地に来れる理由がひとつ増えたと思うとうれしい。全てがうまくいくはずはないから、臨時休館がこの日の帳尻合わせだったのかも。

そして茨木を後にし、大阪駅の以前アルバイトをしていたお店で夫へのお土産を買う。お世話になっているギャラリーさんへのいつものお礼を込めたお菓子も。

大阪という都市に行くことは、私にとってエネルギーが必要なことだけれど、また行きたいと思う場所がひとつずつ増えていくことがそのエネルギーを蓄えてくれる気がした。

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かみつれ

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