リスタート
もう4月も終わり頃。
春を象徴する桜が散り、葉桜に移りゆくこの頃、私は新しい場所に移った。
3月、私は4年間在籍した大学を卒業。初めての1人暮らし、初めての土地、全てが初めて尽くしだった4年間。目立った華やかな事柄は少ないけれど、光と闇の感情を深く深く味わい、「過ごした」というより、「生きた」4年間。
4年前はホームシックになり、幾度となく実家への帰省を懇願していた私だったけれど、4年も経つと、夢想的な面も現実的な面も含めて、すっかりその土地の虜になっていた。
大好きなライ麦くるみパンとベーグルがあって、いつも温かく迎え入れてくれた奥さんのいるパン屋さん。何度も何度も通い、私がこの街に生きることを守ってもらっていた神社やお寺。
気づけば思い出がずっしり詰まったその街に、留まっていたい想いもあったのだけれども、私はこの街と離れることにした。
そんな思い出の詰まった街を離れた私が、新しく自分の生きる街として選んだ場所は、わたしのことをほとんどの人が知らない街。世間体を気にするほどの世間体がこの街と私には築かれていなく、ポジティブな孤独や孤立を生み出してくれる街。
引っ越し、家決め、不動産屋さんとのやり取り、役所での手続き、、、。全てのひとつひとつの事柄が、自分の内側との対話を加速させてくれている。
家具ひとつ、お皿ひとつ。手放すか残すか、買うか買わないかをひとつひとつ向き合う中で、自分の感性や価値観がますます洗練されて、明確になっていく。今の私の日常はこんな感じ。
そして、そんな毎日の中、頭を巡らせて、ドタバタと過ごしていたら、習慣にしていた記録も忘れ、noteを綴るにもなかなか腰が重い時間が過ぎていた、、!
すると、ひょんなきっかけから1年ぶりにzoomで再会を果たした友人との対話の中である気づきがあった。
近頃は、「せねばならぬ」の背負い込みで自分を縛らないためにも、あえて目標を立てないようにしていたのだけれど、友人が「この4月はどんな位置付けで過ごしてる??」という問いを投げかけてくれた。
なんだろ〜と考えて、出てきた答えは、「自分の心の中の地に足をつける期間」。
意識して、その期間を過ごしてきたというよりは、過ごしてきた時間に名前をつけたような感覚。
でも、そうやって言葉にすると、何だか自分の心がほくほくと温まりはじめた。自分にとって、こんなにも事柄を言葉にすることが温かいことなんだ、、、!!
焦らないようにしているつもりでも、焦ったり、自分を責めそうになったりした期間でもあるこの時間を、肯定でも否定でもなく、そのまんま言葉にできた時の高揚感がふわりと私を包み込んでくれた。
ただその反動であまりにも喋りすぎて、「聞く力をつけたい」と思っていたのはどこへやら、、といった感じで、1人反省会を開催してしまったのだけれど。
反省会をしつつも、ふわりとした高揚感から私は、言葉を綴るという営みを再開した。
そして今、このnoteが存在している。
長い長い学生という期間が終わり、新しい土地で自分という人生の新しい章がスタートする。まさにリスタートを切ったばかりの4月。
素敵な気づきによって、わたしの記録もリスタート。
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