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クソメンヘラな私にとっての浜崎あゆみとは

私が物心ついた時から「浜崎あゆみ」は私の隣にいた。
車では常にかかっていたし、世間でも家でもよく話題にも上がっていた。

「浜崎あゆみ」という歌手を明確に認知し、興味を持ったのは12歳、今から15年も前の話だ。そこから15年、浜崎あゆみは、浜崎あゆみの音楽は、私の横にずっといた。

ここからは今日神戸国際会館にて行われた「ayumi hamasaki 25th nniversary Live Tour」についての話をしたいと思う。

かなりのネタバレ、全てネタバレをするので要注意していただきたいのと、
私が持ちうる性格は非常に厄介で、勝手な自己解釈・妄想など不快になるような発言をしてしまう可能性が非常に高い。
だから、読み進めるときは自己判断でお願いしたい。

ただ、大前提であるのは私は「浜崎あゆみ」のファンであり「浜崎あゆみの音楽」によって生きることができた一般人の一人である。
それはこれから先も何一つ変わらない。

今日を迎えるまで、本当に死にたい日々だった。自殺未遂も自傷行為も何度もした。この日、「あゆのライブに行ったら救われるかも」なんてことは何も考えてなく、ただいつも、毎年のように「あゆのライブがあるから」と軽く考えながら仕事を終わらせ会場に向かった。

会場にはいつものごとくあゆのコスプレをした可愛い女の子や、昔のあゆのTシャツを着たおじさん、子どもを抱きながら席に座るお母さん、たくさんのTeamAyu(TA:あゆのファンクラブの名前)が揃っていた。

いつもより少しだけ押したタイミングでブザーがなり、公演がスタートする。
今回は振替公演ということもあり、初っ端はあゆが、「待っててくれてありがとう」と言いスタートを切った。(記憶違いだったらすみません)

赤のライトに包まれて始まった1曲目「kiss o'kill」。
13年前にひたすら聞いた曲だった。
さすがあゆ、と言わんばかりの不安定な始まりだった。

【歌詞引用】
「強がる程に 弱さが見えるよ
牙を剥く程 痛みが見えるよ
ありのままでいいよ 受け止めていくから
恐がらないでいいよ わかっているから
まるで笑うように 涙を流して
まるで泣くように 笑う私達」
https://www.uta-net.com/movie/48891/
https://www.youtube.com/watch?v=eSqdcvZoHaY

あゆ自身も不安が見え隠れする中、どうして相手を受け止めようとするのか。
これ本当にメンヘラあるあるかもしれないけど、自分だってそれどころじゃないくらい傷ついてるのに平気で正面突破していく。
向き合いたい相手になりふり構わずぶつかって、傷ついて、なのに笑顔で抱きしめている。マザーテレサかなんかか?腕が傷だらけじゃないか。
って思った。でもそれがあゆなんだよな、
と初っ端から一人で感心していた。


次点で来たのは「NEVER EVER」だった。
https://www.uta-net.com/song/12815/
https://www.youtube.com/watch?v=-TpURv-gYKg

わかってるって、大丈夫だって。もうたくさんもらってるよ。
「変わらぬ確かな想い」があることも全部わかってるから。
もっとここにいてほしい。どんな形であれ、私たちが見捨てることなんてしないんだから。と思いつつ気づいた。


あゆと私たちTAは共依存にあるのかもしれない。
私たちはあゆの曲で何度も救われているし、明日を生きる活力をもらう。
でもいつまで経っても、最近になっても、少し売れ始めた時期と変わらず、
あゆは「私ここにいていいの?」「まだ価値があるかな」「いざという時はきっぱり捨てて」と歌っている。
ここまでのファンを動員しておいて、彼女はいつも不安そうだった。
この曲もその一つであると私は思う。

この不安や悲しみ、苦しみから始まった「浜崎あゆみ」が作り上げるエンターテイメントはどう動いていくのか。


気になる3曲目は「microphone」だった。
https://www.youtube.com/watch?v=lTvmPLt1ncA
あぁ、もう一度彼女は告げている「私はこれからも音楽と共に生きていく」と。このタイミングで安心させてくれたのか、とも思ったがどこかまだ言い聞かせている感じが拭えなかった。

そこから転換を挟み、「Ladies Night」「Shake It♡」「VIBBES」と続く。
今の時代にはそぐわない言葉かもしれないが、あゆが全面的に女の子であるということを武器にしている曲が並ぶと、自然と私も女性としての勇気みたいなものをもらえる。


上記3曲はただ女性らしさのパフォーマンスだけではない。
ここで今回のツアーの一興である、「ラッキーガール&ボーイ」が行われる。
これは観客の中から女性2名男性2名をダンサーズが選び、上記の曲中にステージ上であゆと触れ合いながら踊るといったものだった。
このご時世、このタイミング、本当によくOKが出たな、と思った。
ステージの下にはスーツをきた警備員がロープを持って座っている。
ダンサーズが降りる時はロープを下げ、ステージ上にいるときはロープを肩まで上げている。
何が起こるかもわからない、そんな企画をよく盛り込んだな、とただただ感心した。そしてここまでの全公演、無事に終えている全ての運営スタッフに対し、敬意を表する。

そして転換を挟み、またあゆらしい曲に戻る(全部あゆらしいけど)
「criminal」。https://www.youtube.com/watch?v=aIfiQBRBxTg
この曲の「君」は誰で「あの場所」はどこなのか。
あゆ、きっともうたどり着いたであろう「あの場所」の景色は綺麗だったか。
その答えはきっと次の曲に続いてたんだと思う。

「Pride」心地のいい音楽から始まり、少し気味の悪いピアノで心地よさがかき消されるこの曲は、少女との会話で進んでいく。
「あの場所」に辿り着き、他者から羨まれ望まれ続けた彼女のことになりたいと思う少女がもがき続けた結果「虚しさに気付き新しい発見をする」と彼女は歌っている。
そして、最後に「この世の果てでも、他人に無駄だと笑われても共にゆこう、諦めるより怖いことなどないのだから」と締めくくっている。https://www.uta-net.com/song/35892/
https://www.youtube.com/watch?v=UQvfWTYMx1k


そして次に流れ始めたのは「Remember you」という少し雰囲気の違う曲だった。この曲、この瞬間、私は忘れないと思う。
今年リリースされた割と新めの曲だが、コロナや情勢によって街から思い出がどんどん消えていく、と言った一見普通の内容だが、
あゆは本当に正直者だった。https://www.youtube.com/watch?v=HBP1-57ko3c

【歌詞引用】
時代はこんなに巡り巡って
慣れた環境も友達も変わって

毎日通ったあの店はなくなり
思い出が宙で迷子になってます

登録されてる連絡先
使わなくなった名前消してく
あの頃はなんて昔話
出来る貴方だけは消えないでいて
https://www.uta-net.com/song/331292/

と、歌い上げながら自分の初期の頃に出したシングル「A song for XX」のジャケットが血で塗られ、端っこは茶色く古くなっていくのだ。
どうしていつも、、どうしていつもそこまで等身大なんだ。
「忘れられたくない」とあゆの全てで叫んでいた。ように私は聞こえた。
忘れなんかしないし、色褪せもしない、浜崎あゆみが歩んできた道でかいた曲なんか忘れられるわけがないだろう。自信持ってくれよ。って偉そうながら思っていた。

そこから転換に入るのだが、「you were~CALROS~Together When~momentum」これら 4曲を繋いだインストが流れていた。
全て少し前のラブソングなのだが、さっきの曲の余韻なのかこれら全ても思い出にしているように聞こえた。

そこから再度あゆが登場しスクリーンに大きな月を映しながら「MOON」を歌い上げる。https://www.youtube.com/watch?v=2iS74Y0hikA

【歌詞引用】
ねぇ優しい歌を君にあげるよ
永遠を永遠に信じられる様に
だからもうそんなに悲しい瞳で
震える声を隠して聞かないで 「ねぇ愛してる?」

優しい歌を君にあげるよ
永遠を永遠に信じられる様に
だからどうか君は笑っていて
幸せだよと聞かせて もう一度
https://www.uta-net.com/song/96806/

きた、共依存。
この曲が発売された当時はきっとラブソングの一つなんだろう、と思っていたしそれに間違いはきっとないだろう。
ただ、今聞くと私たちに言われてる気がした。
安心してよ、って言われている気がした。それはこっちのセリフなのに。
あゆとTAはやっぱり少し変わっていると思う。
曲を通して会話して、お互いに助け合ってるような、そんな感じがする。

そして私の中で一斉を風靡した冬の名曲「No way to say」。
「伝えたい言葉は溢れるのに、ねえうまく言葉にならない」ラブソングだと思っていた。思っていた。だけど本当に私たちに言われているみたいに感じる。でもこの曲は勘違いかもな、、なんておもいながら聞いていた。

そして曲調が一気に変わり【NOT】Remember you
これが唯一わからなかった。どんな気持ちで歌っていたんだろうか。
とても強気なことはわかるが、自分を戒めるような歌詞な気もする。
わからないので一旦スルーさせてもらう。

ここからライブの熱がどんどん増していく。「Dreamed a Dream」。
立ち上がるための曲なんだろうなあ〜と興味深く聞いていたが、この曲に対する知見が浅すぎて何も言えない。


ここまででボルテージをMAXまで上げていったあゆさん。
次はどんなことを私たちに伝えるのだろう、と釘付けになった私の耳に飛び込んできた曲は「talkin' 2 myself」。https://www.youtube.com/watch?v=i82ThTaK29s
15年前にかなり、本当にかなり聴き込んだ曲だった。

【歌詞引用】
現実はいつだって
悪戯に僕達を振り回す
だけどほらその中に
君だけの答えがそう隠れてる
満たされない想いがもし
あるのならそれは君自身の手で
創られたもの

情報が誘惑が
溢れてるこんな時代だからこそ
僕達はそれぞれの
選択をして行くべきなのだろう
破壊する事により
創造は生まれるという事を
君は知ってる
https://www.uta-net.com/song/56836/

この時代だからこそ歌ったんだろうな、そういえばあゆって人のせいにしないよな、いつも自分で答えは自分の中って言ってるもんな。
ん??????

破壊する事により
創造は生まれるという事を
君は知ってる

ん?????????????????

破壊する事により
創造は生まれる

はあ、無理。刺さりすぎて死にそう。
確かにそうだよな。創造しようと思ったら鮮明でなくちゃいけないもんな。
破壊して傷つくことなんて当たり前だよな。
こうして人はあゆを好きになっていくんだろうな。

そんな歌詞に浸っていると、間髪入れずに「Startin'」が流れ出す。
好き。この流れたまらん。と悶絶しているとあることに気づく。
https://www.youtube.com/watch?v=mBxhopMIY4I

【歌詞引用】
答えなんてない 誰も教えてくれない
もしどこかにあるとしたら
君はもう手にしてる
貫くって決めたんなら 思いきり胸張って
顔を上げる事

答えなんてない そんなのどこにもない
ただ今この瞬間だけは 二度と戻らない
信じるって決めたんなら
理想と違う答えも
受け止める事
https://www.uta-net.com/song/37464/

とてもノリのいい曲で、みんな必死にうちわやペンライトを突き上げている。泣きながら突き上げている人もいる。
1個目はわかる、全力の応援歌だと思う。
2個目、、

信じるって決めたんなら
理想と違う答えも
受け止める事

結構厳しい正論を叩きつけられてる気がした。
だけど本当にそうだと思ったし刺さった。
このかなりの正論を歌い上げたあゆと一緒に、TAがみんな掛け声を上げて拳を突き上げているのだ。
浜崎あゆみが神に見えた。いや、神なのだ。TAはこの神を崇拝し、崇め奉っているような気がした。いい意味で。
異様な空間が広がっている。でも私はこの空間に入れて良かったと思う。
生きる指針みたいなものがあって良かった。いや、あゆが作ってくれて良かった。きっとみんなここに来ず、一人で人生やってたら早いうちにゲームオーバーになっていたかもしれない。それを「浜崎あゆみ」は救ってくれたのだ。そりゃ神になるさ。

そして次が本編最後の曲になる。「NOW & 4EVA」。
ねえほんと最近絶対私たちに向けて歌ってるよね?
違ったとしてもそう思っていたい。
不安定だと正直に歌うあゆが好きだ。
思い出になるのが怖いと言いながら、思い出は色褪せないよって歌うあゆが好きだ。
私たちの目を見て歌うあゆが好きだ。
あゆが私たちに大丈夫っていうのと同じで、私たちからも「大丈夫だよ」って伝えたくなるんだよ。
https://www.youtube.com/watch?v=v2CGjPzAHoc


そして迎えるアンコール。
私が行ったライブの中では珍しく、ジンさん以外のダンサーズが数名でてきて、Traumaの振り付けをレクチャーしていた。
あゆが楽しそうな姿や歌ってない姿もファンからしたら珍しくて嬉しい。
元気そうで良かった。と思いながらメドレーがスタート。

「Step by step」。(一番のみ)
https://www.youtube.com/watch?v=UzJDxv7T7Mw

【歌詞引用】
もう一歩って 例えばそれが最後の
一歩になっても悔やまないように
もう一歩って 踏み出す僕らの勇気は
100歩分以上の意味を持つから
https://www.uta-net.com/song/189314/

生粋の応援歌だと思っているが、「君」じゃなくて「僕ら」と言ってくれるから、いつも横にいてくれるような感覚になる。

そこからあゆのライブでは割と出番の多い「Trauma」に移っていく。
先ほどの振り付けも相まって、より一層会場の一体感が増す。

そのあとはいつもの鉄板メドレー「evolution」に続く。
あゆが「こんな時代に生まれついたよ、だから君に出会えたよ」と歌えば、TAがすかさず「こんな時代に生まれついたよ、だからあゆに出会えたよ」と歌う。あゆちゃん、洗脳しとるやん。ええねんけど。それが心地いいんやけど。そしてメドレーは「SURREAL」で終わりを迎える。

そして熱気は冷めやらず、「Boys & Girls」に続く。
あゆのライブの掛け合いといえばこれ抜きで語れない。
https://www.youtube.com/watch?v=Sw_cTMqHQ1w

まず出サビで「輝きだした僕達を誰が」→「止めることなど出来るだろう」
「はばたきだした彼達を誰に」→「止める権利があったのだろう」

次に「よく口にしている、よく夢に見ている、よく2人語ったりしている」→「“シアワセになりたい”ってもう何度目になるんだろう」

そして「一体何が欲しくて、一体何が不満で、一体どこへ向かうのとかって」→「聞かれても答えなんて持ち合わせてないけどね」

というふうに掛け合いが始まる。

そして「本当は期待してる、本当は疑ってる、何だって誰だってそうでしょ」→「“イイヒト”って言われたって“ドウデモイイヒト”みたい」
といったフレーズもある。
https://www.uta-net.com/song/12835/

よく考えたらめちゃくちゃ繊細な歌詞をテンポよく掛け合いしてて
気づいた時に笑ってしまった。本当にあゆらしい。客に歌わせるからと言って妥協しない。本当に素敵だと思う。
この曲の中盤にダンサーズやコーラス陣の紹介を入れて、アンコールもクライマックスになっていく。

あゆが最後に出した曲は「Who…」だった。
あゆがTAに向けて書いた曲、と言われるこの曲。
私たちにひたすら語りかけたあと、彼女はこう歌う。

【歌詞引用】
道に迷った時そして
道が遠すぎた時に
ひとりつぶやいていたよ
そんなものだと…

これからもずっとこの歌声が
みんなに届きます様にと
これからもずっとこの歌声が
あなたに届く様にと
https://www.uta-net.com/song/12836/
https://www.youtube.com/watch?v=sXPhUYoEVW4


そして閉幕したかと思いきやもう一度だけ幕があいた。
本当の最後の一曲。「Replace」。https://www.youtube.com/watch?v=HgifTxOBJlQ

【歌詞引用】
君に届くようにと
こうして歌い続けているよ
また逢える時まで
諦めないで歩いていてね
その時はいつもの笑顔を見せてね

僕は君へと
君は誰かに
伝えて欲しい
ひとりじゃないと
https://www.uta-net.com/song/22844/


最大級のメンヘラたちがいつか世界を救うのかもしれない。
少なくとも日本最大級のメンヘラが自分ど返しで私たちのためにステージに立ち続けるんだから、きっと何千、何万の人たちが彼女に救われているのだろう。

いつまでも不安定で等身大な「浜崎あゆみ」は「平成の歌姫」かもしれないが私にとったらいつでも帰れる原点みたいな、いつでも横を見たらいてくれるみたいな、同じ目線でいてくれているような存在な気がする。

そして今回少し俯瞰して見てみて気づいたことは「浜崎あゆみ」は世の中のメンヘラのトップに君臨する大メンヘラ女王であり、私たちTAと浜崎あゆみはきっと共依存である。たぶん。


きっとあゆはいつまで歌手をやろうか、とかまだファンはいるのだろうか、と思っているような曲を書くけれど、私からしたら「浜崎あゆみ」は私の人生の原点であり、ともに人生を戦ってきた戦友見たいな感じだ。だから、いつでもやめていいし、いつでも歌っていてくれ、そんな不安定な「浜崎あゆみ」が私は好きだし、そんな「浜崎あゆみ」が作る曲が好きだ。

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