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食べる。呼吸する。生きる。

当然のことだけど、生きるには食べる必要があるし、呼吸もしなければならない。

私のヨガの先生は、この当然を丁寧に取り扱う。私より年下なのに達観していて、超越的にストイックで尊敬する。尊敬すると言いつつ真似できない。(あるいは、真似できないから尊敬するのかもしれない。)

呼吸について教えてもらったこと。

まず、吸うより吐くことを重視すべし。しっかりと最後の一滴まで息を吐くと自ずときちんと吸わざるを得なくなる。だから、呼吸は丁寧に吐くと良いそうだ。また、吸うより倍の時間をかけて吐く。3カウントで吸ったら6カウントで吐く。10カウントで吸ったら20カウントで吐く。吐き切ると無我夢中で吸ってしまうが、この吸うスピードも落とすことができれば呼吸の達人だ。

そもそも呼吸のカウントなんて取ったことがなかったが、なんとなく数えてみると確かに浅かった。いーち、にーい、さーん、しっっ、ごーお…と頭の中でカウントすると、子どもの頃のお風呂を思い出す。

もう1つは、友達のお父さんから聞いたこと。生き物が死ぬ時、最期に2回続けて息を吸うのだそうだ。そして、息が止まる。人もそうだし、犬もそうだと言う。つまり、吐くことは生命力の象徴なのかもしれない。

「吸って吐いて、吸って吐いて」と言うけれど、本当は「吐いて吸って、吐いて吸って」なんだ! さぁ、今日も生きるぞ。息を吐くぞ。

食べることについて教わったこと。

現代人は食べ過ぎだと、先生は繰り返す。本当は、全員が全員1日3食を必要としないらしい。確かに、歳がいくに連れて食は細る。

「食べてないのに太るのはちゃんと食べてないから」

この今日の先生のメールレターの言葉に衝撃を受けた。おっしゃる通りだ。よく考えれば分かる。何事も量より質ってやつなのだ。でも、現代において「ちゃんと食べる」のはかなり難しい。サッと適当に食べられる食物、魅惑的な美味しい食物が常にそこにある。そして、多分、ちゃんと食べるのに適したものより、ちゃんとしていない食物の方が安い。

昔に比べて豊かになったと言うけれど、豊かさとは何なのだろう。その定義は自分で決めなきゃいけない。「食べる」ことがこんなに複雑な課題になったのはいつからなのだろうか。

私の結論。呼吸については、自分が息をしていることを自覚する。それだけで人生が変わると思う。食については、自分との対話を習慣化しよう。まるで幼児に話しかけるように、「お腹空いた」と言う思考に「そう、食べたいの?」「じゃあ、何を食べたい?」と問い、一生懸命考えて答える。

今日何が食べたいのかが分かる。これぞ、幸せな生き方だと思う。

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