ツイステはDハロの火種なのか(前編)

今年で開業から37年を迎えた、日本最大のテーマパーク、東京ディズニーリゾート(以下TDR)。以下同様に、ディズニーランドはTDL、ディズニーシーはTDSと表記する。ディズニーとフランチャイズ契約を結びTDRを展開するオリエンタルランド(以下OLC)は、都心から成田空港へのアクセス鉄道で知られる、京成電鉄グループの最重要企業の一つとなっている。
このTDR最大のイベントの一つが、毎年9月から10月にかけて開かれるディズニーハロウィン、通称Dハロ。毎年、このDハロが裏側で「荒れている」事実が有る。
因みに、自身はTDRに行ったことが無い。そのため、所謂DオタのフォロワーA女史から昨今のDハロ事情を聞き出した上で、この記事は書いている。

TDRで2ヶ月間開かれるこの仮装パーティーでは、来場者がそれぞれ「ディズニーのキャラクター」に仮装して楽しむことができる。但し、2009年にディズニー傘下となったマーベル作品は禁止で、またディズニーと大手ゲームメーカーのスクウェアエニックス(以下スクエニ)が共同開発したゲーム、キングダムハーツ(以下KH)の可否については数年もの間、来場者同士での議論を呼んだ。

基本的な解釈は、一般的にディズニーのキャラとされているミッキーマウスなどとディズニープリンセスは可能だと云うものだろう。スーパーヒーロー系コミックで知られる前者は、あくまで企業としてディズニーの傘下であるだけで、ディズニーの世界観そのものとは無関係。また後者も、ディズニーが協力した上に作中にもキャラが出てくるものの、あくまでスクエニが開発、販売したもので、ディズニーのキャラ以外の扱いの解釈がその火種となった。
また、TDSの所謂「手下」の解釈を巡って論争も勃発したが、それはここでは割愛する。
今では、KHも解禁されているが、ディズニーキャラが出演していることも有って、蓋を開けてみれば意外と好意的だったと言う。ただ、それと同じ経緯でありながら、解禁の可否を問わず学級会になる可能性が出てきた。

ツイステと略されるスマホゲーム、ディズニーツイステッドワンダーランド。ディズニーの協力の下、アニプレックスが企画、配信する大型タイトルだ。このSMEJ完全子会社は、所謂ソシャゲとしては断トツの売上高を誇る巨大タイトル、Fate/GrandOrderの配信元として知られ、ソニーグループの新たな稼ぎ頭として知られる。
また、実際の開発と運用はf4samuraiと云う、セガサミーグループの企業が担っている。

ツイステはディズニー映画に出演する悪役、所謂ヴィランズをモチーフとした作品だが、A女史はDオタよりアニメやゲーム好きのオタクに刺さったと答えていた。キャラクターデザインもキャストも、確かにアニメやゲームオタク受けする。
因みに、ヴィランズ…マスターヴィランズと手下に関係は有るが、ヴィランズとツイステのキャラには関係は無いようだ。協力と云っても、恐らくはディズニーが所有する版権に関するアドバイス、つまり法務面での協力と云う程度だろう。

マスターヴィランズも銅像としての登場だけで、「本家」が登場しない。ディズニーの「匂い」だけがするゲームだとの感想も聞いたが、問題になるのはここだ。ディズニー自体が協力しているとは云え、出ない。それがDハロでの可否、どちらの理由にもなるのだ。
可能ならディズニーが「協力」した作品、不可能なら「本家との関係」、と云うのがそれぞれの根拠だ。共同開発であり、また作中に「本家」キャラが直接登場したKHとは事情が異なる。

Wikipediaによると、OLCはTDRの実務のみを担当し、アトラクションやショーの企画はディズニーの事業部門(以下本体)が担当している、となっている。つまり、本体の企画に基づき、OLCが実働部隊として展開していることになり、それでいけばDハロについてはOLCに可否の決定権は無いことになる。
TDRは本体が現場の実務に関与しないフランチャイズ契約で、OLC自体がディズニーとの資本関係を持たない。これは世界中のディズニーリゾートの中で唯一のことだ。

それがそのような判断を下すのか、可能だとしてどのようなルールを敷くのか、それが気になるところではあるが、可能だった場合、Dハロで新たな火種が生まれ、学級会と云う名の戦争が勃発する。

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