ツイステとDオタと(中編)

ツイステは、何度も触れてきたがディズニーのバッジネームこそ付いているものの、中身は全くの別物と考えてよい。本家キャラも出ていなければ、マスターヴィランズも登場しない、ただモチーフとなっただけだ。当然、Dオタからすればバッジネームこそ有るが「ディズニー作品」ではなく、Dオタではないユーザーは「部外者」だ。

前編でも触れたが、特にスマートフォンのゲーム…所謂ソシャゲは、雨後の竹の子のごとく乱立している。それは、例えば戦闘モノで云うとDMM配信の刀剣乱舞、ツイステと同じアニプレックス配信のFate/GrandOrderが有名だ。これらの収入源はゲーム内コンテンツへの課金だが、売上高での勝ち組と負け組の格差は露骨だ。
そして、ゲーム性以上に大きな要因はイラストと声優だ。有名イラストレーターを起用し、声優に関しては舞台俳優の「副業」や新人の実績作りと云う側面も有るが、話題の面子を揃えてくる。ツイステも、その典型的なパターンに見える。
それ自体はゲームで稼ぐ戦略としては、常套手段ではあるが間違っていない。問題は、ツイステで「ディズニー作品に触れた」気でいる「部外者」だ。

作中のモチーフから、TDRはツイステの聖地と云う見方はできなくもない。つまり、聖地巡礼ができる。
聖地巡礼とは、本来は宗教的な聖地を訪問することだが、ここではコンテンツツーリズムとして、作品の舞台になった場所を訪れることだ。一般的には、2016年から2017年にかけて、「君の名は。」で有名になった岐阜の飛騨と長野の諏訪湖が記憶に新しい。
聖地巡礼は、一過性のブームに終わる可能性も高いが、新たな観光需要の起爆剤に成り得る。これに関してのメリットやデメリットは別の機会に書くが、ツイステユーザーのTDR聖地巡礼はデメリットが大きい。

Dオタが特に恐れているのは、手下騒動の再来だ。土足…それも泥だらけ…の「部外者」にルールを悉く破られ、聖地をとことん踏み躙られた過去が有るだけに、次も同じことが起きないかと気を揉んでいる。以前はキャスト目当てだったが、今度はゲーム内のモチーフだ。それぞれが好きなキャラにまつわるオブジェやアトラクションに屯することは、目に見えている。
それに、手下騒動の時には無かった問題も起きる。それは、オタクグッズの存在だ。

ここ数年、特に女子向けのオタクグッズとして「ぬい」「もち」と云うものが急激に増えた。前者は、掌より一回りほどの大きさが殆どだが、デフォルメされたぬいぐるみを指し、後者はそれより小さいがマイクロビーズが封入されていたりして手触りがよい、円筒状にうつ伏せになったぬいぐるみのようなグッズを指す。
旅やイベントのお供に持ち歩き、遠征にさえ連れていく。そして道中の写真にフレームインさせる。端から見れば些か異様な光景ではあるが、見掛けることが増えた。とあるフォロワー曰く「最早家族であり、我が子のようなもの」らしい。
そして、同じく急増したのが、痛バッグと呼ばれるものだ。

痛車、それはアニメやゲームのキャラクターをボディにラッピングした車を指す。痛バッグはそれのバッグ版で、痛バと略される。
アニメショップで痛バ制作に特化したバッグが売られているが、それも痛バの普及が要因だ。化学繊維製の本体に缶バッジを無数に付け、バッグを覆うビニールカバーを取り付けてバッジを保護する。また、更にストラップなどにラバーキーホルダー…ラバキーと略される…をバッグに取り付けて、自分の好きな…「推し」…キャラクターをアピールし、同時にそのファンであることをアピールする。
特に、「オンリー」と呼ばれる特定ジャンルに限定した同人イベントや、そのライブイベントなどでよく見掛けるが、先述の「ぬい」を本体とビニールカバーの間にギチギチに入れる人もいる。

当然、ツイステの「推し」と共に「聖地巡礼」をし、同時に周囲に「推し」をアピールしたい、と思っても不思議ではなかろう。
しかし、先述のように、ツイステは事情が或る意味特殊であり、手下問題の再来…それより酷いものになる可能性も有る…を警戒したDオタの標的になる可能性も低くない。
「ディズニー作品とは認めない」ものを持ち込み、人前に出す。それだけで標的になる可能性が有るし、例えば「ぬい」と一緒にモチーフとなったアトラクション前でセルフィーをしたことが原因になる可能性も有る。
それだけで叩く、晒すに関しては当事者の感情、主観によるものが大きい。ただ、あくまで「ツイステは外様」であり、ツイステ以外ディズニーの冠が付くものに興味を持たないユーザーは「部外者」である、との認識は仕方ない部分が有る。
そして、互いに相容れないことは目に見えている。

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