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1日の流れを子午流注を意識してスケジュールしてみる

中医学で子午流注(しごるちゅう)という考えがあります。
“子午”は時刻のことで、1日24時間を12等分にして十二支に対応させています。子の刻は23時~午前1時の真夜中、午の刻は午前11時~13時の真っ昼間といった具合です。“流注”は人体の一二臓腑(十二経脈)の気血の流れを意味しています。子午流注は一日24時間の臓腑気血の運行リズムを現したものです。

24時間のうちの一時をカフェでゆったりして、漢方相談していただきたいと思い、カフェ ファルマシーを作りました。上はお客様からいただいたお写真です。

子午流注について、詳しく以下のサイトでも紹介しています。


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睡眠のゴールデンタイムといわれる午後10時~2時を子午流注で分析してみます。

まず亥の21時~23時は三焦経という六腑の中で最大の腑で全身をくまなく巡っている経脈が盛んな時間帯です。

全身の百脈を十分に休ませるためにこの時間帯にはお布団に入りたいですね。

何をしても、大きな音でも起きないという、深い眠りはノンレム深睡眠といわれ、寝入って最初のノンレム深睡眠に成長ホルモンが分泌され、成長期でなくても分泌されて、細胞の修復、脳の疲れを取り、疲労回復のために必要なホルモンです。

ノンレム深睡眠が少ないと、成長ホルモン分泌が少なく、脳と身体の疲れはとれません。

次の子の刻の23時~午前1時は胆経が旺盛な時間帯です。

消化に関わる胆汁を生成、貯蔵、排泄が活発に働くために、食事をして胆汁分泌までの時間を考えると、夕飯を寝る2時間以上前に済ませる必要があります。

遅く食事をすることで、翌朝、胃が重く朝食が取れないし、頭がすっきりしません。

続いて丑の刻の午前1時~3時は肝経が旺盛な時間帯です。

肝臓は真夜中に全身の血を集めて、新陳代謝や解毒をします。この時間に起きていると、新陳代謝の低下、解毒の低下で、顔色が悪くなり、目の下にクマ、シミが出やすくなります。

「肝は血を蔵する」

肝の血液が充満しなければ、新陳代謝も低下して、瘀血(血の巡りの停滞)が起こり、顔色やクマ、シミ、他には生理痛や生理不順、肩こりなどの痛みも悪化しやすくなります。

こうしてみれば、美容面でもダイエット、お肌、髪には睡眠が重要なことは明らかです。

私は10時に消灯します。2歳の娘が寝入っているので、起こさないように真っ暗のままで、寝る準備をしています。

中医学の陰陽の考えから、夜は陰気を養います。

明るい光を目に入れないことで、目を休め、心も休まります。

心の休まりは、更年期に入り大切さを再認識しました。

陰陽バランスが崩れやすい更年期頃より、夜が眠れない方が増えます。陰が不足して陽気を納められないとほてりや精神不安、不眠に繋がります。

ですので、夜10時以降は部屋を暗くして光を目に入れないようにすること、作業は朝に回す、食事が21時以降になるなら、温かい汁物だけにして朝食をしっかり摂るなどに変えて欲しいです。

朝方に目覚めるのが辛い、、という早朝覚醒の方はストレスで呼吸が乱れているのでは?


寅の刻の早朝3時~5時は呼吸器の肺が旺盛な時間帯です。

この時間帯に起きてしまう方は、早朝覚醒といわれ、考え事やストレスが多い方だと言われます。

呼吸器の肺が活発になるときは、深い呼吸が出来るはず。

眠れていると呼吸はゆったり、深いはずですが、嫌な夢で起きたり、起きたら仕事やストレスのことを思い出すという方は呼吸が浅く、早朝覚醒に多いようです。

本来この時間帯にはレム睡眠が中心となり、頭の中で記憶の整理と固定をしています。この時間帯に起きてしまう人は、記憶の整理ができにくく、大切なことを覚えたり、嫌なことを忘れたりすることができず、心の整理も出来にくくなります。

レム睡眠は筋肉が緩み、身体の休息が出来る時間。体力回復のために必要です。

身体に力が入って、起きると身体の痛みを感じる方、レム睡眠が悪いかもしれません。ストレスが身体を硬直させて、レム睡眠がとれず、心も身体も整理がつかないと、どんどん疲労蓄積まっしぐらです。

朝起きた時の感覚がそうであれば、睡眠を見直し、心身のバランスを戻すための漢方薬やサプリメントも助けになると思います。

さあ、そろそろ目覚ましが鳴る時間が来ます。

なるべくカーテンは薄めにして朝日が入るようにします。

朝日は陽の気をいただくには大変貴重な存在で、活動のスイッチを入れることができます。

卯の刻の午前5時~7時は大腸経が旺盛の時間帯です。

軽くストレッチをして朝日を浴びましょう。

起きてからすぐはゆったりした動作から始め、段階的に活動にスイッチを入れる。


私は、起きてすぐは夜に乾燥機をかけておいた洗濯物をたたむなど、ゆったりした作業から始めます。できれば体を伸ばすストレッチをします。

娘が起きて朝食後は、掃除機やトイレ掃除など体を使う作業といった感じで、作業を二段階に考えています。

そのうちに仕事ができるように、体が動きやすくなっています。


一段階目のゆったり作業の後、目が覚めてから30分以上してくると胃腸も働く準備ができる頃に朝食をいただきます。

ゆったり作業中に朝の漢方薬も飲んでおくと、お腹が温まり、さらに胃腸も動きやすくなります。


朝食でエネルギー補給が始まると、体と頭のスイッチが確実に入ります。

辰の刻の午前7時~9時は胃経が旺盛な時間帯です。

この時間帯は消化器系が盛んに働くので、しっかり朝食を摂りましょう。

朝食抜きでは身体に栄養が行き渡らず、冷えや貧血になりやすく、特に低血圧の人は朝食は絶対に抜かないでくださいね。

私は朝食は発酵玄米に変えて1年以上になります。玄米に小豆と黒豆を一緒に炊いています。

専用の炊飯器で、炊飯後に発酵できるものに変えてから、発酵玄米がこんな簡単においしくいただけることに感動して、娘も1歳半ごろから食べています。大量のうんちが出て、良さを確信しました。

食物繊維で腸活も出来ていることがうんちで証明されました。
さらに腸活のために、発酵食品の納豆やみそを加えます。
栄養素を沢山摂りたいけどメニューを考えるのは大変です。朝は忙しいので、考えることなく、毎日ほぼ同じ定番の和食メニューです。
朝にタンパク質、ビタミン、ミネラルともに摂ることは、夜の安眠のための栄養素となり、朝食は安眠へ繋がるため重要です。

味噌汁は夜に朝の分も作って、旬の野菜、根菜、海藻を入れます。カルシウムとタンパク質アップのために納豆にじゃこを入れます。

メニューはシンプルですが、食材を沢山摂れるように考えてはいます。熱い汁物は体に沁みるし、頭がしゃきっとしてきます。

食後は体が温まり、元気が出る感覚が分かります。

さて、そろそろお仕事が始まります。

巳の刻の午前9時~11時は脾経が旺盛な時間帯です。

「脾は運化を主る」として、胃で消化した物を吸収して、必要な臓腑へ運用してもらうように変化させています。

この時間帯が前日の夕飯と朝食で追加された栄養素を十分にエネルギー源として、運用し始める時間です。

朝の通勤で歩く、ラジオ体操から始業するなどは理想的です。

午の刻の午前11時~午後1時は心経が旺盛な時間帯です。

心は神(精神)を司るとして、精神活動が盛んのため、集中力がアップする時間です。仕事や勉強の効率を高めるために、昼食後に軽く15分くらいの仮眠をとると午後の効率が上がります。

未の刻の午後1時~3時は小腸経が旺盛の時間帯です。

昼食の栄養素を十分に吸収して、午後から活動を支えます。

申の刻の午後3時~5時は膀胱系が旺盛の時間帯です。

酉の刻の午後5時~7時は腎経が旺盛の時間帯です。

午後3時の休憩にコーヒー・紅茶を飲むことも多いと思います。カフェイン飲料は利尿作用も強く、腎臓に負担を掛けます。この時間帯はノンカフェインの黒豆茶などが、腎を守りつつ利尿作用があります。

亥の刻の午後7時~9時は心包経が旺盛の時間帯です。

心を邪気から守る心包経が盛んになると、心をリラックスさせるお茶を飲んで一息、家族との夕食が心も体にも栄養となります。

この時間帯にアトピー性皮膚炎や湿疹が悪化しやすいのは、リラックスによる副交感神経が優位になることで、血管拡張や分泌しやすい状態になること思関係ます。

以上、子午流注で1日の流れを説明しました。

このお話の一部を10月31日(日)の13時~14時30分でのyoutubuで配信する予定です。
https://youtu.be/01ZR_3pxY0M
詳しくはこちらで、確認下さい!
https://chuiyaku.or.jp/eventinfo/17265

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