見出し画像

旬のそら豆で作ったあんこが私に教えてくれたのは豊かさでした。

旬のもの。
それは私に生きることの喜びをくれます。

ばあちゃんの畑で採れるお野菜たちから
私は生命だけでなく
”心”まで育んでもらっている

そう感じているんです。

そして
旬は”はかない”ものでもあります。

満開の桜だけでなく

桜が”散る”というところにも
日本人が”美”を感じるように

旬のものは
時期が過ぎると終わってしまいます。

そこに”はかなさの美”
を感じるのは私だけでしょうか。

旬が過ぎると
しばらく”その子たち”には会えなくなる・・・

だからこそ
旬のありがたみを感じます。

大切に味わおうとするから
美味しさを感じるセンサーが敏感になります。

だから
時には涙が出そうになるくらい
「美味しい」という感動を味わうことができます。

その結果、何もしなくても
自然への感謝が生まれてくるものだと思います。

すると
お野菜を通じて
毎日が感謝の連続になります。

野菜を作ってくれる
おばあちゃんありがとう。

野菜にエネルギーを与えてくれる
太陽の日差し
大地の力強さ
かけ抜ける風にも

全てにありがとう。

命を分けてくれる
お野菜そのものにもちろん

ありがとう。

お野菜は
自然から頂いた大切な”恵み”ですよね。

命そのものだから

基本的にはシンプルに食べるのが
一番おいしいと私は思っています。

ゆでる・蒸す・焼く
だけ。

でも、たまに別の形でも
楽しみたくなっちゃうこともあって。

今年は
たくさん そら豆が採れました。

ゆでたてのホカホカの そら豆を一口パクリ。

すると

ほくほくとしたお豆の歯触りに加えて
お豆特有の甘さだけではなくて

そら豆特有の
どことなく”力強さ”を感じる味わいが
口中に広がります。

う~~~~ん
やっぱり そら豆は美味しい~~~~!

それは
何者にも代えがたい
至福のひとときです。

結局は、茹でて食べる。
それが そら豆らしくて
一番おいしいと思うんですよね。

でもついに
楽しかった旬の終わりがやってきて

最後にまとめて収穫するタイミングで
ばあちゃんから届いたそら豆には

「そら豆であんこが作れるらしいよ」
という言葉も一緒についてきました。

・・・作ってみたらどう?ということだな。

ばあちゃんはいつもこんな感じなんです。
強制はしないけどヒントをくれる。

そこで、
初めて作ったのが

「そら豆のあんこ」です。

ゆでたそら豆の薄皮を取ってから
砂糖とほんの少しのお塩を加え
フードプロセッサーでガーっと混ぜるだけ。

はい。できあがり。
とっても簡単です。

6歳の娘が作ってくれた
白玉だんごにのせてっと。

では、いただきます。

パクリ

ふわ~~っと
そら豆の香りが口の中に広がっていきます。

薄い緑色が象徴するように
そら豆あんこは
どこまでも優しいんです。

優しい甘味のおかげで
白玉もどこかしら軽くなった感じがして

スルスルっと軽やかに
口の中に踊りながら入ってくるようで。

優しさと軽やかさを
舌で感じることができました。

一般的な小豆のあんこも大好きですが、

それとはまた別の”愉しみ”が
そら豆あんこにはありました。

なんだろうな、
あんこって砂糖を使ってはいるんですけど
なんだか罪悪感がなくって。

お豆の力がそのまま凝縮されていて
じんわりと底から湧いてくるような
”力”を与えてくれる

そんな気がしてきます。

洋菓子も美味しいのは知っています。

でも、自然の恵みを使った和菓子というのは
また格別な味わいがあります。

その季節のものを
昔は高価であった砂糖をあえて用いることで

ハレの日の「特別なもの」に変えてくれる。

今はハレとケの区別はなくなっていますが、

やっぱり甘いものは「特別なもの」として
大切に味わいたいなと思っています。

ひな祭りのひし餅とか
子どもの日の柏餅など

昔の人は節句など大切な「とき」に
お菓子に願いや想いを込めて作っていましたが

今のお菓子はどうなんでしょうか。

手作りとなると
ひと手間はかかりますが

想いを込めて手作りしたお菓子には
きっと何か特別な魔法みたいなものが
かかっているかもしれません。

お菓子に限らず

旬のものを美味しく味わうことだけで
暮らしは
どこまでも豊かになる。

もちろん心も。

昔の人は本当に「楽しみ上手」というか
「生き方が上手」だったんだなと思います。

今の私たちは
いろんなものに恵まれすぎていて
結局「楽しみ下手」なんでしょうね。

暮らし上手の楽しみ上手
そんな生き方がしたいと思う
6月でした。

今日はなんとなく思ったことを
つぶやいてみただけですけども

これで終わっちゃいますね。

今日も肩の力を抜いて
軽やかにお過ごしくださいね。

火曜金曜更新中

綺麗道こと古川綾子でした!

そら豆あんこのレシピ

そら豆 さやから出したもの 150g
砂糖  40g~お好みで
塩 少々

薄皮をむいたそら豆をつぶし、砂糖と塩も混ぜるだけ。

・フードプロセッサー
・すり鉢で
・フォークでつぶす

どんな方法でも大丈夫です。


サポートしてくれなんて滅相もありません。 もしそんな奇特な殿方・ご婦人がいらっしゃった場合は、感謝しすぎて鼻血が出ることでしょう。(出なかったらすみません) そして大切なお気持ちは ”恩送り” に使わせていただきます。愉しくて温かい ”和” が広がりますように。