見出し画像

仮定法の思い出

英語を教えていて、一緒に本を読みながらその訳を考えてみたりしつつ一緒に勉強している生徒さんがいるんだけれども、その彼女と読んでいる本の中で仮定法が出てきた。

仮定法というのは、現実には起きていないことがもしあったらこうするけどね、という言い方で、よく例文として

If I had enough money, I would buy a car.
もし十分なお金を持っていたら、車を買うのに。
(現実にはお金が十分でないので、車は買わないという意味。)

とかが高校の文法の本とかに載っていたように思う。
動詞や助動詞が過去になっているけれども、これは仮定法現在で、現在のことを言っている。現在のことを、過去形で表現する。

この例文のようにきちんとIfとかと始まってくれれば、仮定法の文章かなと気づきやすいんだけれども、必ずしもこういう形で分かりやすく表現されるとは限らない。過去形で現在のことが表現されているかな?と思ったら要注意。

私の仮定法の思い出は、仕事での勘違い。
前職の上司がアメリカ人で、彼はネイティブなので英語を日本人の私に対しても縦横無尽に話す。早口だし、決まったことと今考えていることをあまり区別せずに話したりするので、普段から「それはこういうこと?」と確認しながら話を聞いていた。

ある時、仕事上のトラブルの解決を相談していて、海外のシニアマネジメントに事情を話して理解を得るべきだろうか、と私がメールで聞いてみたところ、彼の返事は一言、”I would do that.”。
それを私は、シニアマネジメントへの説明は彼からしてくれるという意味に捉えて2、3日待ったが何も音沙汰がない。上司は自分でやると言ったことを忘れたり反故にするような人ではなかったので、おかしいなと思って考えて、

あっ、仮定法か。と思い当たった。”I would do that if I were you.”(僕が君の立場ならそうするよ。)というほどの意味で、そうだね、説明しておくのが良いね、と私の意見に賛成はしてくれているものの、あくまで私が自分で説明しとけという意味だと分かった。

この時は、その後自分で対処をして、事なきを得たので大失敗の思い出でもないけれども、それでも特にネイティブの話す英語のニュアンスを理解するのは日本人には難しいこともあるなと思った。かえってお互い英語ネイティブではないアジア人同士とかの方が気をつけて話すのでこういう誤解は少ないかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?