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文句くらい笑顔で聞いてやれ

器の大きい人と付き合うと、心豊かになる。
そして、自分の器も大きくしようと努力する。


そんな経験を少し。

OL時代、海外部門に所属していた時、
頻繁に帰国できない海外駐在員からの色々な依頼を受けて、
日本の事業部や法務や工場との交渉担当
いわゆる「キャッチャー職」を仰せつかったことがあった。

当時電子メールはない。

代わりに、海外駐在所や海外販売会社と
つながれた大いなるグループ会社内線ネットワークがありました。

国際電話が1分5-6ドルの頃でした。

海外で、外国人の部下に囲まれながら
時折、日本語でしかも無料で気楽に話せる環境は
駐在員の皆さんの憩いの時間だったかもしれない。

と、今は思えます。

しかし、当時の私は
残念ながら器の小さい、
人に共感できるような苦い経験すら
ほとんど持ち合わせない20代の若輩者でした。

日々、社内での交渉を終え、

うまく行ったものも、
うまく行かなかったものも

正直に駐在員さんにお伝えし、

「次の作戦、どうしましょう。どう口説きます?」

という建設的な動きをしたかった私でした。

が、しかし。

駐在員さんによっては
拒絶した事業部や個人名を挙げて、

「日本側は海外の俺たちが、
日々どんなに命を削って頑張ってるか
全く理解してない!!!!!」

というようなことを、その後、
長時間にわたって私に文句タラタラで言われることもしばし。

キャッチャー業務に慣れてきた頃には

「私にも別の仕事もあるのになぁ」

と電話を肩と耳の間に挟んで
能面のような表情で適当な相槌を打っていたと思います。

そんな姿が
一時帰国中の石井さん(「僕なら辞める」の元上司)に
見つかっていたようで。

昼食時、
久しぶりにご帰国された石井さんから
色々なお話を聞かせていただこうと
ウキウキしてた時、不意にたずねられたのです。

「あやこうじちゃん、さっきめっちゃ長電話してたなぁ。社内か?」

石井さんから案じるお言葉をいただいた❣️」

単純に嬉しくなってしまった私は

「えぇ、そうなんですよ。
駐在員のB課長です。
いつも文句ばかりおっしゃって長電話になるので、
正直とても困ってるんです。」

と、告げ口のようにお伝えしてしまった。

その時の石井さんの表情の変わり方といったら(今でもブルブル)!

いつものアンパンマンのような弾ける笑顔が一転、
鬼の形相になられて、私に一喝です。

「文句くらい笑顔で聞いてやれ」

何故か?と言う理由については一切説明なし。

「説明しなくともいい大人なんだからわかるだろう」

石井さんは常に、こうしたスタンスで部下に接する方でした。

理由を教わらないので、
自分で深めて何故なのか考え、行動を変えるしかないわけですが、

わからないので
まずは言われた通りの行動からやってみました。

文句を笑顔で聞く(ように努力する)。

不思議なんですけど、
笑顔で聞くように努力し始めると、
文句言われる電話が減ったんですよね。

私のイヤイヤの姿勢が、
駐在員さんに伝わって、余計に逆撫でしていたのでしょう。

この教えで、それまでの
「正しいことだけ言う人間」だった私が
人の色々な意見に少し共感できるようになりました。

おかげでその後、人材サービスで色んな驚くようなお話を聞いても
アレルギー反応なく、すんなり受け入れられましたから。

と言う若き日の学びでした。


今日も長文にお付き合いいただき、どうもありがとうございました!

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