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いつでも授業見学できる小学校

娘の小学校では、授業参観とは別に、3日前までに保護者ポータルサイトから申請すれば、いつでも好きな授業を見学できる。

私立でも、ここまで保護者にオープンな学校は珍しいのではないかと思う。

今年4月に娘が入学してから、私はトータルで4回見学に行った。

ふらっと1人で行ったことも1回あったが、基本的には他のママ数人と一緒に見学して、帰りにランチをする、というパターンが多い。

授業見学とママ友との交流を兼ねることができるので、私にとってはなかなか楽しいイベントだ。


初めて授業見学に行ったのは7月で、以前の記事で書いた、6月の授業参観のしばらく後だった。


そして授業見学では、6月の時とはまた違った子どもたちの姿を見ることができた。

この小学校では教科ごとに先生が変わるのだが、授業をする先生によってクラスの雰囲気が結構変わるのだ。

何コマか授業を見ているうちに、6月の授業参観はいろんな意味で特別だったんだな、ということに私は気づいた。

保護者が勢揃いして見ているので、先生も子ども達も特別気合いが入っている、というのはもちろんそうだけど。

ただ、それだけでなく、あの時に授業をしてくれた先生も特別な先生だったんだなと。


その先生は教育に関する本を出版したり、各地で公演をしたりと活躍されてて、いわゆるカリスマ教師的な存在なのだ。

入学式でお会いした第一印象では、目力があって話上手な先生だな、くらいの印象しかなかったが、入学後の娘に「どんな先生なの? 」と尋ねたら「優しいけど厳しい先生だよ。」と言っていた。

確かに話してる感じは丁寧で優しいけど、眼光が鋭く、生徒全員の一挙一動を見逃さなそうというか、授業中は常にピリッと締まった空気感をまとっていて。

授業スタイルも独特で、課題を終わらせた子にはすぐさま次の課題をあたえたり、子どもたちが先生にノートを見せるため並んでる時も何かを暗唱させたり、とにかくテンポが速くて、生徒にボーッとする隙を全く与えないのだ。

授業に関係のない発言をしてる子には、完全にスルーという対応をしていたのも、独特のスタイルだなと私は思った。

その時の授業の本筋に関係ないことだったり、「意見」ではなくただの「反応」を大きな声で複数回言ってる子がいた場合も、先生は聞こえてないかのように無反応なのだ。
(態度や行動に問題がある場合は、もちろん注意していた。)

あえて反応しないことで、生徒自身にその発言は今は不適切と気づかせる目的もあるだろう。

先生が毅然とした態度をとることで授業の流れを中断することなく、教室の空気をコントロールする主導権は常に先生にあり、それを簡単に乱すことはできない、という気迫を私は感じた。

とにかくこの先生の授業では、だらけちゃいけないような雰囲気があり、子どもたちにもちょっぴり緊張感があるというか。

普段やんちゃな男子も、わりと真面目モードになって、先生の話をよく聞いている印象だった。



それと比べてしまうと、比較的若い先生や優しい雰囲気の先生は、正直生徒にちょっとなめられているなぁと感じることも少なからずあった。

基本的にはどの先生の授業も、生徒が退屈しないように工夫されており、内容もおもしろそうなものが多く、私から見ると十分に平均レベルは高いのだが。

それでも授業中にだらけた態度をとったり、隣の友達とふざけたり、時にはタブレットで関係ないことをして注意される子は時々いた。

まぁ1年生なんてこんなもんだよね、普段のありのままの姿はこんな感じなんだな〜と、いい意味で私は安心した。

全ての授業でみんながピシッとして、ずっと真面目に授業を受けてたら、集中力がもたないし疲れちゃうだろうから。

良くも悪くも通常モードの先生や生徒の姿を見ることができるのが、このいつでも授業見学OKのメリットだろう。

休憩時間には、何人か子どもたちが興味深そうに近づいてきて、「だれのママ~?」と尋ねてきたり、顔見知りの子は手をふってくれたり、話しかけてくれたりもした。

人なつっこい子どもたちがかわいくて、普段娘から名前をよく聞く子はこの子かぁと、娘の交友関係も確認できた。



また他にも、6月の授業参観では見られなかったような、子どもたちのいろんな面を観察することができた。

例えばこの小学校の特徴として、授業の間にチャイムがならないというのがあるのだが、それにも関わらず、子どもたち自身で時間割をきちんと把握して準備しているのだ。

廊下に置いてあるテキストなどを、前の授業が終わると、自然と手分けして自主的に配っている姿に私は驚いた。

誰かが間違えたり失敗した時には、「失敗は宝物!」「失敗は成功の母なんだよ。」というような発言を複数の子から耳にすることもあった。

実際多くの子が失敗を恐れずに、手をあげてどんどん発言していたのも印象的だった。

おそらく間違いや的外れなことを子どもたちが言っていても、いつも先生方がそれを否定することなく、褒めたりフォローしているからだろう。


また授業内容は今どきの内容にアップデートされているので、私の子ども時代には習ってないようなことも多い。

例えば、ある時は「肖像権」についての授業をしていた。

1人1台タブレットを支給され、日ごろからなんでも写真を撮ったり、エアドロップで画像を日常的に共有している子どもたち。

許可なく他の人の写真を撮ったり、他の人がうつっている写真を勝手にパワポなどに使ってはいけないということを授業で教えていて、確かに今の時代を生きる子には大事な知識だなぁと感心した。

1年生からこのような事を学校できちんと教えてくれるのは、本当にありがたい。

自分自身が学んでないようなことは、子どもに教えようと思いつかないので、親もアップデートしないといろいろ取りこぼしてしまうなと感じた。

実際に学校に足を運んで授業を見ることで、親としてもいろいろ発見や学びがあって楽しい。

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