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エッセイ

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自分が書いたエッセイをまとめています。
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#日記

祖父と交わした生き方の約束

「ヒロちゃん、ええか。最後は人に使われない人になりなさい」 2年前に他界した母方の祖父は…

ようこそ、赤ちゃん。あなたの「美味しい」のそばに。

ハロー、ワールド。2023年3月25日。午前5時13分。我が家に第一子の女の子が誕生した。小さな手…

「待ち時間」の中にある豊かさ。僕はもうすぐパパになる。

「待ち時間」と聞くと何を思い浮かべるだろうか。 僕の場合は、エスカレーターでの待ち時間が…

まおとりどり。宇宙になって、まおになる。

わからないものです。 人と人の「縁」がどこでどう繋がるかは本当にわからない。 ましてやそこ…

誰かを応援すると、人はちょっと元気になる。

「宇宙まお」がデビュー10周年記念の作品を創るために仲間を募るプロジェクトを開始した。 彼…

僕のオケツとあなたのオケツで「ニケツ」は生まれる。

自転車の荷台に何を乗せて、ペダルを漕ぐだろう。 文字通り「荷物」を運ぶ人もいれば、全く違…

ピンク髪とヒョウ柄で、僕は今日も東京にいる。

どうにもこうにも人の目を見て話すのが苦手だ。 相手が男であろうとも女であろうと関係はない。別に何もやましいことなどない。けれど、なぜか目を見て話すのが苦手だ。そんな自分を認知するたびに「陰気な人間だな」と毎回少しだけ落胆する。(実際の私を知っている人が聞いたら「よくもまあそんな嘘を書くものだな」と思うに違いないが本音はこちらである) 目と目を合わせることはある種の「貫通式」のようなものだ。発破点火されたものならば目の前の人と自分の間にトンネルが出来上がって(そこを通るか通

あの日の香りが連れてくる思い出に、僕らはいつも見えない涙をこぼす。

春が近づいてきた。地下鉄にマフラーがちょっと息苦しい。北風と南風が混ざったぬるいビル風は…

自分の百エン玉で、ガチャポンを回したい。

今日も街はハリボテで成り立っていた。屋外広告がどんなにリアルになってもその裏側は極薄の有…

黒猫の目に、雪は何と映っただろうか。

しんと舞い降りるひとひらの雪は、地上に落ちると一つの塊になる。個性豊かな「それぞれ」から…

返して、僕らのスーファミ。

市民プールへ、20インチで駆ける。 河川敷の草花は青嵐と共にささくれ立ち、僕たち二人はギヤ…

雪を見上げて深呼吸すると、伝統技術が感じられたお話。

その日、名古屋は珍しく大雪に見舞われていた。雪は静かに音を立てながら積み重なり、足元はギ…

めざせないよモスクワ。最悪で最高な出会い。

どうしたものか。 路頭に迷うとはまさにこの事だった。 約4年前。転職が決まっていた私は前職…

シェムリアップの約束

果たせなかった約束がある。 僕は、また一人でバックパックを背負っていた。 自ら孤独を作り、孤独を旅先の出会いで埋めにいく。この快感を覚えた人間の行動力は図り知れない。安宿を一人で転々とする者はある種の“トリップ”状態だ。 シェムリアップの湿っぽい夏風は、鼻の奥深くを震わせる。 僕はこの街で、果たせない約束をしてしまった。 カンボジアはシェムリアップ砂埃をあげてトゥクトゥクは駆け抜ける。かつてクメール王朝が築いたアンコールワット遺跡群に僕はシャッターを切り続けていた。朝焼