道をより美しく
愛を具体的に表現しているとき、
どんな心地がするのだろう?
生まれたての赤ちゃんの頬に
そっとやさしく触れる
恥じらいながら大好きなひとと
はじめて手をつなぐ
友達との再会がうれしくて
ハグをする
風邪をひいた家族の額に
手を当てる
食べるひとを思って
料理をつくる
ハートをひらいて
言葉を交わす
心地よい響きを
丁寧にうたう
美しいものを
分かち合う
愛はひとりでは決して生まれないものなの。
愛とは無防備に触れ合う居心地のことなの。
愛はハートから流れ出る温かさのことなの。
はじめは誰かから受けとるだけかもしれない。
その機会が巡ってくることが稀かもしれない。
でもそれはたぶん気づいていないだけなの。
みんな愛を表現するのに慣れていない。
みんな愛を受けとるのに慣れていない。
愛を表現するとき、
受けとってもらえなかったらと
考えて怖くなる。
無防備な自分を見せて
傷つけられないか
疑ってしまう。
愛を受けとるとき、
すぐに失うことを考えて怖くなる。
相手の無防備さを大切に扱えず
傷つけてしまわないか
疑ってしまう。
だから愛と謳わずに
受けとりづらくしてしまう。
ほしいかたちじゃなかったと
受けとることを拒絶してしまう。
つい取り引きにすり替えて
安心しようとしてしまう。
愛に気づかないふりをして
やり過ごしてしまう。
愛を出し惜しみしあって
愛を感じないと嘆きあう。
愛は特別なもので
ふさわしい人にしか
与えられないということに
してしまう。
愛はいつでもわたしのなかにある。
生まれたときからずっとあるもの。
今は関係が拗れた母親を大好きだった気持ち
尊敬したかったと絶望する前の父親への思慕
ただ仲よくしたいって遊んでた頃の友達関係
利害という概念を知る前の分かち合いの姿勢
そこにあった純粋なものたちを
愛と呼ばずなんと言ったらいいのか。
わたしたちにはリハビリが必要です。
あまりにも悲しいことが多かったから。
だからどうか
少しずつでいいから
まっすぐに
愛を表現していこうね。
まっすぐに
愛を受けとっていこうね。
わたしたちは
愛を分かち合いたくて
喜びと悲しみを繰り返し
体験している。
だからこそ。