トロピカル・ジャーニー

女性がほんとオープンに、それはもう無邪気に軽やかに、好きな人とするキスの味わいをきゃっきゃとうたうのを、日本の楽曲ではついぞ聴いたことがない。

この曲はメキシコ人のシンガーソングライターMarissa Mur がアルゼンチン出身のSofia Macchiとふたりでうたっている曲。

完璧な気候なんてない

でもね、今日の、今日のね、
あなたとの沢山のキスから
出てくる熱帯な気候が好き

神経細胞を刺激する甘い旅
わたしはどこへ行くの？

あなたの知性はわたしのハートと
共通の言語を発明していってるの
そしてわたしは降伏した

あなたがここにいないとき
いつももっと求めているの

あなたのくちびるが
わたしのくちびるで調和する
トロピカル・ジャーニー

泳ぎに来て、口のなかへと
この恋の狂おしさと媚薬
ねえ、くちびるを噛んでね
ゆっくりとノンストップで

うごめくあなたの舌は
わたしの体と一緒に踊っている
それは自然な、自然なことだわ

あなたはわたしの理性を解放する
ふたりむき出しで獣性を感じてる

わたしたちは炎
そして重力で遊んでいる
ある種の儀式ね

あなたがここにいないとき
いつももっと求めているの

あなたのくちびるが
わたしのくちびるで調和する
トロピカル・ジャーニー

泳ぎに来て、口のなかへと
この恋の狂おしさと媚薬　
ねえ、くちびるを噛んでね
ゆっくりとノンストップで

愛してる
さああなたを天国に連れて行く
一緒に舌から舌へと連動させて
役に立たない先入観を外したい

待ってる
夜更けごとにあなたは中毒的で
同時に完璧な効果を持ってるの
あなたの宇宙を飛ぶことが好き

宙に舞う、宙に舞う、宙に舞う、

男性への媚びもなく、ごく自然なこととして
女性が性的なテーマを堂々と表現するのって、

なんかほんと軽やかですてきだな、と思って。

しかも、快楽だけではない、ふたりがキスを通じて精神的にも調和していくようなニュアンスだったり、

主体的に男性を導いていくイメージもあってね。

それらを浮遊感のある開放的なリズムに乗せて
好きな人とするキスって最高！！！！！！って

自分の感覚を素直に出す感じがすっごく好き。
だーいすき。

確実に共鳴するものがわたしの内側にあるのがわかる。

こころとからだがつながっている状態で好きな人とつながりたいと望んでいるところがあるのですよね。

そしてもっと、自分の心身で感じるリアリティを
湧き上がる感覚を、素直に認めて肯定していたい。

だからね、こういった曲を感じるまま声に出してうたうのは、自分にとってはちょっとしたセラピーであるのかもしれない。

だってこれはさ、少なくともわたしには、

内側にはありつつひっそりと隠していたものを、
外側にちゃんと出してその存在を認める作業だ。

そしてね、この曲を通じてわたし自身が女性として、もっと自由に自分らしさを表現していったならば、

聴く人の内側にある同じ質と響き合うことができる。そこからほどけてくるものも確かにあると思うんだ。

もうそれはお互いに。

そもそも曲をうたおうと思ったきっかけはね、
お友達である森下陽子ちゃんの個展に行ったこと。

＼目醒めよ！オンナたち♡／というタグラインで
イラストとメッセージでの表現を組み合わせて、

自分らしく生きる女性の美しさを世の中に増やす
活動をしているの。

それはわたしの表現活動のコンセプトである
「世界の本質的な美しさを露わにするために」とも共鳴するところでもある。

このテキストのサムネイルは彼女の作品で、
「inspiration」という大好きなイラストなの。

陽子ちゃんは、過去２回の個展でヌードの
セルフポートレートを撮影し会場に飾った。

そこにはね、自分への圧倒的な肯定と愛情と、
女性としての強さ明るさがばーん！と現れてて。

わたしそこに響いたのでした。

響いてそして「inspiration」のイラストの前で
湧き上がってきたものの質感を味わっていた。

そのせいか、この絵の持つカラフルなパワーが陽子ちゃんの表現に宿るエネルギーと結びついて感覚に残っている。

数日経ってこの曲をふと聴いていたときに、
ぴったり重なるニュアンスの存在を感じて、

自分でもこの質感をうたってみようと思いついたのだった。

うまく言えないけど、
誰かの発信や表現に共鳴したとき、

自分の中で鳴っている音をよくよく聴いて、
それをちゃんと身体を通して出していくの、

すごく大事なことだと思う。

そうやって、おたがいの内側から共振しあうことで変わっていくものがたしかにあると感じているの。

なので、わたしのうたを聴いて、
誰かが内側に響いたものをまた、

その人らしい方法で響かせていくような
ことが起きたらとても嬉しいな。

わたしのうた、ぜひ聴いてね！
すこやかに咲こう♡