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掌編小説または詩

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2018年2月の記事一覧

この道のうた

この道のうた

鈴虫のなく、風の気配、夏の名残の風鈴の音。りんりんりんりん、となびいて響く。夜道をぽつんと歩いていると、自分の足音にしんと怯える。駅からの帰り道はいつもどこか足早になってしまう。同じ道を朝はなんだか安心感に包まれているような気分で通るのに、降り注ぐ朝陽のせいだろうか。

この夜の不安げな気配とはまるで違う。今は果たして家に無事辿り着けるのかすら心もとない。ゆるやかに登る坂道の先に果てなく広がる闇夜

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