土占い=火占い仮説

ハローハローこんばんわ!

特に誰も興味を持ってなさげなテーマ、
ジオマンシーの謎を追いかける話の第3回です。

おさらい

とりあえず、前回でおおよその見解はまとまっているんですが、
ここで第一回の時に提起した疑問をサラッと見直してみましょう。

・ジオマンシーの起源は何処なのか?
→今の形になったのはアラビアかもしれないが、そもそも中国の易がルーツっぽい。
・16のシンボルと名前、その意味の起源は何処から?
→形からの単純な連想
・二進数なの?
→今回まとめてみます。
・シールドチャートって何?(どういうフレーバー設定の計算システムなの?)
→よくわからんけど、八卦の生成図を真似た感じじゃない?
・そもそも、何から思いついた占いなのか?
→易のローカライズ版っぽい。

というわけで、二進数なのか問題に触れていこうかなと。

卦は二進数なの?

まず、最初に確認しておきたいんですが、
易にしろジオマンシーにしろ、二進法的に記号を生成してたり、数字対応させてたりはしますが、

そもそも数字として利用してなくないですか????

なので、二進“数”ではないというのが僕の見解です。

あれはただの規則的に生成された模様というだけです。

そもそも二進数は、
ゴットフリート・ライプニッツが「円周率を完璧に記述するために、めっちゃシンプルな形の数字を自作してみよう」みたいなモチベーションで生み出したものです。

彼も、後に易を知って「中国の叡智や〜」と言っていますが、
逆にいえば、彼は易から着想を得ていたわけでは無さそうだと言われています。

また、ライプニツに先駆けシスベーコンが考案をしていたベ号は、文を2種の書体分けることにり文章の中にに別の文章を隠す方法です

このライプニッツやベーコン例は、高度な学術的な発想があれば易やジオマンシーの記号は作れるという証拠でもあります。

一方で、「数」として扱っていなかったから二進“数”ではない、というのとは別に、
易やジオマンシーは二進“法”で記述された記号なのは確かなわけで、
どうやって生まれたのでしょうか?
古代中国では高度な学術的な発想を行える人がいたのでしょうか?

というわけで簡単に調べてみますと、
そもそもは易経が亀卜の結果を纏めた、実践記録集みたいなもんだった可能性が高いようです。
あるいは、数合わせにことわざとかをぶち込んでみたようなもんのようだとも。
その辺は、卦辞や爻辞を全体的にみて、整合性とかを鑑みながら考察されてる最中みたいです。

(中国語読むの苦手なので、こっからはざっくりとした私見中心になります。ごめんなさい。)

なので、易による占いは、過去の占いの結果を利用した御神籤型占いということになります。

さて、それはそうとして、卦の原型は何なのかという話です。

それは古い記録を遡っていけば何となく把握できるようになるわけですが、
今回の場合は、殷の時代の青銅器なんかに刻まれていた謎の記号にたどり着きます。

画像1

画像2

これらは数字卦と呼ばれていているそうで、
その名の通り6桁の甲骨文字の数字を縦に組み上げて構成された記号です。
また、数字卦には甲骨文字の一、五、六、七、八、(九)が用いられているようです。

なので、奇数系の一、五、七は「—」に対応して、偶数系の六、八が「--」に対応する・・・とかは割と支持できる説です。
他にもいくつかの説が検証中らしいですが、数字卦が卦の原型だろうって部分はかなり手堅いラインのようです。

こんな具合で、数字卦は高確率で卦の原型だとされているわけですが、
なんで数字振ってあるの?なんで6桁なの?
って部分はちょっと読み取れず。
というか、絶賛研究が進んでるところかも知れないですね。

占術研究家の皆さんに研究していただきたい次第。

一方で、僕の疑問だった、縦に組み上げられている理由に関してはなんとなくわかりました。
漢字だから、中国語だからですね。

また、地味に疑問だった、易の卦は下から上に初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻というナンバリングされてる問題も、個人的にはスッキリしました。
6桁の漢数字なら、一の位は一番下で、そっからナンバリングしますわ。

いや、完全に私見なので別の理由あるかもわからんですけども。

まぁとにかく、
・易の卦は甲骨文字の数字がベースになってる
・卦辞や爻辞は亀卜・骨卜の記録やことわざとかがベースになっている
というのはかなり確からしい現状。

余談・御神籤型占いって?

つまり、先にも書きましたが、易占というのは亀卜の結果を利用した御神籤型占いなんですね。

御神籤型占い・・・何回か記事の中で呼称してますけど、実は定義をしっかりしていなかったかもしれません。

御神籤型占いとは、
あらかじめ設定してある占断結果情報を、
なんらかの乱数によって呼び出し、
占いの結果とする、
占いのこと。

要は、リーディングに依存するタイプの占いでは無いって事ですね。

まぁ、最後に出てきた結果を解釈(リーディング)しないと当たらないというのは同じなんですが。

最終的な結論に近いフォーマットで、つまり日常的に使っている言語とかで設定されている占断結果情報を元に解釈を行えるため、
解釈の際に連想ゲームをやりやすいってメリットがあるタイプですね。

紅茶占いとかで、茶葉の散らばりを見ても何をどうしていいのかわからんって人、結構多いのですが、
そういった自然なランダムネスの中から自分で特徴的な部分を切り出すのが苦手な人でも、
最初から解釈すべき文章が決まっている方がやりやすいって人多いかなと思います。

亀卜の刃

さて、少し脱線をしました。

んじゃ、今度の疑問は、亀卜ってなんやねんというところです。

易の基盤にあるのが亀卜、

んじゃ亀卜はなんで亀の甲羅を焼こうと思ったんや?

この辺は着手したばかりなのですが、
どうやら石器時代あたりでアジア〜北アメリカには、骨を焼いて占うタイプの占いが広がってた模様。
ついでに、北アメリカへは、アジアから伝播したっぽいとのこと。

つまり亀卜は骨卜の一種なんですね。
骨卜全体で亀卜の占める割合はそんなに多くないらしい。

ヨーロッパとかでは、骨を投げる占いだとか、骨を焼くにしてもその煙を見て占うだとかで、
骨に入るひび割れで占うパターンは見られない感じです。

モンゴル〜トルコにかけては、現在もシャーマンが羊の肩甲骨で占ってたりとか。
日本でも亀卜をやってるところがいくつか。

ところで、エスキモーなんかの風習を思い出してみると、
アザラシを捕まえたら、骨は折らないように食べて、きれいにした骨を氷の隙間とかからそっと海に返すことで、
いつか骨が肉を纏ってニューアザラシとして復活するんじゃいというのがありました。

アイヌなんかも、似たような風習があったはず。

こうした、骨・・・死んだ後も残るものを保管して特別扱いするってのは割とよくある文化です。
取っておくと復活するとかも割とポピュラーな文化なようです。

狩猟文化の中では、動物が死滅すると困っちゃうわけですから、
手元で管理して復活の手助けをするわけですね。

したがって、骨=復活の鍵=大事にしないといけないってのは割と原始的な発想だと思います。

原始的な信仰のあるコミュニティを観察すると、死んだ食用の動物への接し方は特徴的なパターンがあります。
一つは、上述した「そのまま復活してください」ってパターン。

あるいは、「怨むんじゃねぇぞ」って敬意を示して丁重に葬るパターン。
仲間に何しとんじゃぁと動物たちが怒ると収穫が減るので、チクられないようにヨイショするわけですね。

骨を丁重に焼くのは後者のパターンで見かけます。
死者の世界に送り出す、霊的な存在に変身する手伝いをするみたいなことをやって、機嫌をとるわけですね。

こういった発想は、何も骨を焼くだけじゃなくって、
生贄の動物を焼く燔祭でも、神に捧げる〜煙が店に届くから神様にも伝わる〜とかやってますね。

さてそうすると、骨を焼くってのは、本来的には「真面目」な行為に当たる可能性が高いわけです。
そんな縛りがある状況で、骨卜とかやるんか・・・。

という部分を考えてみると、以下のように考えられるのではないかなと思ってます。

①とりあえず全部の動物を復活させてやりたいので骨を保管しよう
②でも、加工して道具にしたりするし、無傷で獲得・保存は無理ゲー
③できるだけ恨みを買わないように丁重に葬ろう
④骨を焼いて葬るという行為が儀礼として定型化
⑤霊になるんでしょ?ついでなんで神霊たちにメッセージ持ってってよって、収穫祈願する
⑥メッセージなので返答がある可能性があるわ・・・。
⑦焼いた骨の様子がおかしいぞ!!コレはメッセージだ!!
⑧というあたりが形骸化して、⑤打診と⑦返信の部分が陳腐化する
⑨骨を焼いてその様相で占う

つまり、鎮魂・慰霊の儀式が収穫祈願の儀式へと変貌し、それの手続きが占いになったというわけじゃないかと。

この手の祈願系の儀式が、占いに変わる、目的と手段が入れ替わる現象は比較的よく見られるように思います。

ルーン占いとかそんな感じじゃないでしょうか。
効果に応じた文字を刻み込んでオマジナイ的に使ってたって側面が逆転して、
文字から効果を占うやつですよね。

というあたりまでを何となく調べつつ考えております。
この辺しっかり調べるには博物館とかにいっぱい足を運ぶ必要あるなという感じ。

書いてて思いましたけど、火葬の文化圏と骨卜の文化圏重なったりしないかな。

まぁ、ジオマンシーの起源はおおよそ明らかとなった気がします。

ジオマンシーはパイロマンシーだ!

それではまた!

アディオス・アミーゴ!!

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