『ない』は楽しい!?
皆さんは子供の頃、どんな遊びに熱中しましたか?
私が小学生の頃、流行っていたのがリカちゃん人形。それも、当時は着せ替えのお洋服が自分で作れるセットなるものが販売されていました。
保育所の時から針仕事をしていた私は、それが欲しくてほしくてたまりませんでした。しかしセットどころか、リカちゃん人形も持っていない私。そこで考えたのは、「自分で人形から作ってしまおう!」ということでした。
当時ハンドメイドの世界ではアメリカンカントリーが流行っていたこと、当時『赤毛のアン』にドはまりしていたこと、母がハンドメイド好きで布や毛糸は家にたくさんあったこともあり、アメリカンカントリーな人形を布で作り、見様見真似で洋服を作りました。「型紙を作る」なんて小学生にはめんどくさいので、見様見真似の洋服はいびつなものでしたが、満足度はかなり高いものでした。最初はワンピースしか作れなかったものが、次第にズボンを作るようになり(といってもいびつさは変わりない)、ミニチュアの小物まで作るようになり、お気に入りの籐のかごには着せ替え人形の小物であふれかえりました。
布はたくさんありましたが、母のおさがりばっかりだったので、可愛い布は少なく、限られたものでどうやって可愛く作るか?が最大のポイントでした。
「どうせ買ってくれないだろう」と思い、自分で人形から手作りしていましたが、今思えば「なぜおねだりしなかったのか?」と思いつつ、ねだらなかった・買ってもらわなかったからこそ、自分で作る→作れた!という経験ができたのだと思います。
その人形はもう手元にありませんが、きっと今見るとひどい仕上がりだと思うでしょう。でもその時は、本当に大満足でした。
今はなんでも手に入る時代だからこそ、「ない」を経験する、楽しむのはかなり大変なことなのかもしれないけれど、大切なことなのではと、教室を通して思うのでした。
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