見出し画像

アイドルと一夜を過ごすみたいです

このお話は一応後編となっております

前編はこちらから!

https://note.com/aya_shiori_mou/n/n0ee6a88c7163




○○:じゃあまずなぜ僕の事を知ってるの?
そしていつ僕の事を知ったの?


机を挟みお互い向き合って座る


和:きゃっ…!! ○○さんに見つめられてるっ…


顔を抑え恥ずかしがる和ちゃん。


○○:な…和ちゃん…?

和:はっ…!!ごめんなさい!!
というか私達の出会い忘れたんですか…!?


○○:えっ…?


和:○○さんが1番最初の私のミーグリ来てくださったじゃないですか!!


○○:あぁ…!!
確かに初めの頃1回だけミーグリ行ったね!


和:その時アニメの話とかして盛り上がったのに
それ以来、来てくれなくなったじゃないですかっ!!


○○:まぁ…そうだね…


和:だから会いに来ちゃいましたっ!!


○○:急に話ぶっ飛んでない!?
しかも僕より良いファンの人だって沢山いるはずだし…


和:大丈夫ですっ…!! 私こう見えても一途なんです!!


○○:そういう事じゃないんだよなぁ…


和:私本気で○○さんが好きなんです!!


キラキラと目を輝かせながら見つめてくる


○○:まぁ…一旦和ちゃんが本気かどうかは置いといて
次の質問するね?


和:ぶぅ…本気なのに…


○○:和ちゃんはなんで僕の家に住もうとしてるの?
こうやって出会ったんだし目標は達成なわけでしょ?

和:だって私達結婚するじゃないですか
だから今の内お互いの事知らないとと思いまして!!

○○:んっ…? もう1回聞いていい?

和:お互いの好みを……


○○:その前!!

和:えっと…結婚するから…

○○:そこ!!


和:なんかおかしい所ありました?


○○:おかしすぎるよ!!  僕と和ちゃんが結婚!?  


和:はい、そうですよ?


○○:そんな事できるわけないでしょ!!


和:な、なんでですか!?
もしかして私の事嫌いになったんじゃ……

○○:いや…嫌いなわけないじゃん!! でも無理だよ!!

和:まぁまぁ…これからゆっくり仲深めていきましょ?

○○:さ…流石にさ…!? それは……


和:ふわぁ…○○さん…私眠くなってきました…


僕の言葉を遮って
和ちゃんはあくびをしながら眠気を訴えてきた。


確かに…もう時刻は1時だ…


僕も明日の仕事があるし早く寝ないと…


○○:じゃあ…今日だけは泊まってっていいから…
その代わり明日の神宮頑張るんだよ?


和:はいっ!! やっぱり○○さんは優しいですねっ!!


○○:そりゃ和ちゃんには優しくするよ。 好きだもん。


和:も、もうっ…急な不意打ち禁止ですっ…!!


和ちゃんは用意した布団に頭ごと入れて隠れた 


○○:ふわぁ…じゃあ和ちゃんおやすみ…


和:おやすみなさいっ…!!


明日から神宮かぁ……


チケット当たってれば僕も一緒にいけたのにな…



──────────────────




……ん……なんだかリビングの方から音がする……

まだ眠いので目を閉じながら音を聞きとる


何かフライパンで焼いてる音が聞こえるな……


んっ…?  僕って一人暮らしだよな…?


朝だから寝ぼけて頭が働いていない


そうだ。この家には僕以外にもう1人いたじゃないか


現役アイドルのあの子が…


眠い目をこすり急いでリビングに出た


するととても豪華な朝食がテーブルに並べられている。


○○:こ、これ全部和ちゃんが作ったの!?


和:そうですよっ! 美味しそうでしょ〜?


○○:うん!めっちゃ美味しそうだ!


和:えへへ…なんか…新婚夫婦みたいですねっ♪



○○:な、何を急に言ってるの…!?


和:さぁさぁ!冷めないうちに早く食べましょー!


○○:そうだね…せっかくこんなに作ってくれたんだし…
あっ、今の時間だけ確認してくるね!


和:はーい!!


寝室に置きっぱなしだった携帯で時間を確認する。


○○:あぁ、今この時間か……
って…ええぇぇぇぇ!!!?


和:声おっきいですよ○○さん…
どうしたんですか〜?


○○:もう会社に着いてないといけない時間なんだけど…!?  
アラームかけたよな…? なんで消えてるんだ!?


和:あっ!私が消しておきました!



ニッコリ笑顔の和ちゃん

あぁ、今日も可愛いなぁ…


○○:じゃなくて!!
なんで消しちゃうの! 完全に遅刻じゃん!


和:もうお休みの連絡いれておきましたよ?


○○:えっ?


和:○○さんのスマホから上司の方に送りました!


○○:う、嘘でしょ!?


急いで携帯を確認する



"妻の体の具合が良くない為、今日はお休みさせていただきます"



と送信されていた。


○○:マジかよ…
しかも勝手に妻いる設定になってるし…


和:私が妻になるんだからいる設定で大丈夫ですっ!


朝だからつっこむ気にさえなれない


○○:まぁいいや…とりあえずご飯食べよ…


和:食べ終わったら出かける用意してくださいねー!!


○○:え?なんで?


和:私と一緒に神宮に行くからですよ!!


○○:あ、見送りか…じゃあ会場まで付き添うよ


和:見送りじゃないです!!
○○さんには特等席で私がパフォーマンスしてるとこ見てもらいます!!


○○:ごめん…朝だから頭働いてないや…
どういうこと?


和:だからー!
チケット用意したから私の事見ててって意味です!!


○○: ……えぇぇぇっ!!?


本日2度目の驚きでまた大きい声が出てしまう


○○:神宮のライブ会場で見れるってこと!?


和:そういうことですっ!!


○○:マジか…超嬉しい……!!
ありがとう和ちゃん!!


和:ただし!チケットを渡すには条件があります


○○:な…なに?


無理難題が来たらどうしようか…

でもチケットは欲しいしなぁ…


和:今日のライブ私だけを見ててくださいね!
目移りは禁止ですよっ!!




○○:もちろん!!  和ちゃんだけをずっと見てます!!


和:えへへ…じゃあ早くご飯食べていきましょっか!


和ちゃんが作ってくれた美味しいご飯を感謝しながら食べる

頭の中は昨日あった和ちゃんと一緒にいる事の不安感など
一切なくなり神宮への楽しみで溢れていた。



──────────────────



和:じゃあ私はリハーサルがあるのでまた後で!!


○○:うん、じゃあライブ楽しみにしてる!



和ちゃんと別れ、まだ開演まで時間があるため
とりあえずグッズ列に並ぶことに


その間にも沢山和ちゃんからメッセージが送られてきた


皆に向けてではなく、僕にだけ…


「○○さん!これさっちゃんとの2ショットです!」


「今おひとり様天国のリハしてました! 緊張するっ…」


「○○さんの事思い浮かべながら頑張りますねー!」



こんな現実離れした事…未だに信じられない

夢じゃないよな?


ずっとこのまま和ちゃんといたい気持ちはあるけど…


あくまでアイドルとファンの関係を保たなければ。


このライブが終わったら和ちゃんにはお家に帰ってもらって、通常通り乃木坂と井上和を推していこう

ご飯も作ってもらったしチケットも貰ったし…


恩を仇で返すみたいで申し訳ないけど
アイドルと普通の会社員じゃ格が違うんだ

和ちゃんもきっと納得してくれるだろう。



──────────────



時刻は18時になり、Overtureが流れる

会場のボルテージは一気に上がっていく


○○:やっぱり乃木坂ってすげぇな……

そう呟いてしまうほどの光景だ。


とてもいい席のチケットを貰ったので
より乃木坂の凄さが分かりやすい


和ちゃんセンターの裸足でSummerから始まり
会場の熱気はどんどんと上がっていった



・・・・・・・・・・・・・・・・



「本日は本当にありがとうございました!!」


"ありがとうございました!!"


アンコールが無事終わり、とても楽しいライブとなった


このまま余韻に浸っていたいが……


急いで家に帰らねばいけない

この後和ちゃんにあってしまうと
1度決めた決心が鈍ってしまうから。


欲をいえば僕だって一緒にいたいが
絶対にしてはいけない行為なのも分かってる

昨日、今日の事は間違いなく僕の人生の中で
1番の思い出になるだろうなぁ……


ため息をつきながら家へと帰った。



────────────────




はぁ…ここ2日間本当に色んな事がありすぎて疲れた


もう今日は早めに休もう…


寝れば明日からは普通の生活に戻る


僕は気絶するようにベットに倒れ込んだ。




「ううっ…痛いっ…」



○○:えっ…!!?


布団の下から声が聞こえた


おかしいぞ…ちゃんと出る時に戸締りはしたはず。


まさか泥棒か…!?


布団を引き剥がし、正体を確認すると…



「えへへ…お布団あっためておきました…!」



○○:な、和ちゃん!?
なんで僕より先に家に…!? しかも鍵は閉めてたのにっ!


和: …こっそり合鍵作っちゃいましたー!!


自慢げに鍵を見せびらかしてくる


○○:和ちゃん…
改めていうけどこれ以上僕に関わっちゃダメだよ…
これまでの関係は水に流そう、ね?


和:分かりました……

思ったより素直だったな。

まぁでもこれでいいんだ

あくまで僕は普通に彼女を応援出来たら…


和:私…神宮終わりに突然誘拐された事にします


○○: …はい?


急にどうしたんだ…?

和:○○さんという人に無理やり襲われて
命からがら逃げてきましたと皆に公表します


○○:な、何を言ってるの?


和:この話が広まったらどうなると思います?
人気のアイドルグループのメンバーが襲われるなんて…
犯人はその後の人生大変なことになりますよねぇ…?


も、もしかして……


僕は今脅されているのか…?

3歳も年下の女の子に!?


でも未来のエースとなる存在を襲ったなんて
世間に知られたら…多分というか間違いなく死ぬな…


仕方ない…

少しだけ嬉しい気持ちがある自分もムカつくが…


○○:私の家で良ければ幾らでもお使いください…


和:やっぱり○○さんは頭いいですね〜!
それじゃお言葉に甘えてお世話になりますっ!


まさかこんな交渉をされるなんて…

井上和恐るべし……


和:これからよろしくね!私の旦那さんっ♪




こうして僕の家にトップアイドルが居座ることが決定しました


END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?