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#3-6 WBSの作成

今回は、計画時の「スコープの定義」の続きであるWBSの話です。

プロジェクトマネジメントのプロセスマップ

WBSとはプロジェクトで実施しなければならない全ての作業を洗い出し、階層構造に分類した図のことです。Work Breakdown Structureの略です。
 Work=タスク、作業  Breakdown=細分化する、部類する  Structure=構造
スコープの内容をWBSにまで分解し、作業者を割当てることで、プロジェクトの作業の実行が行われます。

#3-2 スコープ より

このnoteでも、何度か出てきましたが、WBSは、プロジェクトの目的を達成するために決められた範囲の作業を階層的に分解したものです。

プロジェクトの目的を達成するために決められた範囲の作業がスコープで、それをより細かく、マネジメントしやすい構成要素に分解して、体系化したものです。

内容的には、スコープ=WBSの関係で、スコープの内容を漏れなく・ダブりなく要素分解したのがWBSです。

実際の作業や管理の対象になるのが、WBSの最下位レベルに位置づけられるワークパッケージ(WP)です。

WBSの例

プロジェクトの最終目標を細分化したものを「成果物」、ワークパッケージを「要素成果物」とも言います。

「ワークパッケージ」は、1つの識別子コードを持ち、スケジュールやコスト見積りなどの対象になります。
そして、「ワークパッケージ」をどのように作って行くかの作業や活動が、「アクティビティ」と呼ばれ、プロジェクトメンバーに個々に割当てられていくタスクになります。

 レベル1 プロジェクトの最終目標
 レベル2 成果物
 レベル3 要素成果物
 レベル4 アクティビティ
と、レベルで表現することもあります。


分解する規模ですが、ルールがあるわけではありません。
会社の慣習やプロジェクトマネージャーの力量に応じて千差万別です。実行しやすいを判断出来る規模に分けるのが一般的です。

成果物と要素成果物は、目で見て確認できるモノを定義するのが好ましいです。

WBSの要素分解の仕方で、プロジェクトの作業内容は大きく変わってきます。
多くのリソースを投入する実行フェーズの指針になるので、WBSの作成は、とってもとっても重要です。

漏れなく、ダブりなく、整合性の取れた内容である必要があるので、専門家や専門部署の判断を参考にするなど、PM一人ではなく多角的に作成を進めていくのが理想です。

作成ツールにも特に決まりはなく、私はエクセルで作成したこともあります。(量が膨大で、手首が腱鞘炎になりました)
また、WBS作成用の有料サービスも、いくつかリリースされています。

WBS辞書

WBSを補完する文書として、「WBS辞書」というモノがあります。
各成果物、要素成果物、活動の内容を「WBS辞書」に明文化しておきます。
最初に作成した時点では、ほとんど項目や内容は決まっておらず、プロジェクトの活動の中でどんどん追記していくモノです。

項目一例
 ‐ WBSコード識別子
 ‐ スケジュール・マイルストーン
 ‐ 関連するスケジュール・アクティビティ
 - 必要な資源、コスト見積り
 - 品質要求事項


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