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初めてオランダの病院へ行って来ました


今回のテーマは渡蘭後初の病院体験についてです。

オランダの医療制度は日本とは少し違ってGP(General Practitioner)と言うかかりつけ医に登録し、何か症状がある場合はまず第一次的にGPにいきます。
そこで専門的な診察や入院、手術などが必要な場合にGPからの紹介状を持って専門の病院に行くのだそうです。

日本で捻挫をしたら整形外科、目が調子悪ければ眼科、等個人で判断してスペシャリストがいる病院を好きに選べていたことを考えると、処置に遅れが出そうでダイレクトに専門医に行けないのがもどかしい感じがします。

今回私がGPに行ったのは体調不良や怪我ではなく、この最初の登録の為でした。
GPは居住地のエリアのリストの中から自分で選びます。私は近所の人々から評判などを聞いて決めました。

まずはその病院に新規登録の空きがあるかを確認します。空きがあったら早速登録の為のアポイントメントを電話で取ります。

その後家族代表として家族分の健康調査票を持って私一人で行った訳ですが、これが予想外に大変でした(汗)。
フォームに書かれたメンバー分の既往症、薬、アレルギー、近親者の病歴など、担当医から全て事細かにフォームに沿って踏み込んだ質問攻め。
全然知らない医療用語を必死で翻訳アプリで確認しながらの45分間でした。
おまけに担当医が私が苦手にしているブリティッシュイングリッシュの早口な男性でマスクしてるから更に聞き取りにくく、、、

はぁ疲れました。

でも今思うと、愛想は良くないけどすごく丁寧な先生だったのかも。登録はすぐに終わると言う話も聞いていたので。
私が日本でもらって毎日服用している美容目的のビタミン剤ともう一つの錠剤で顔色が曇った先生。
その薬がオランダでは全く違う治療に使用するので、どうしてこれを健康な私が毎日飲んでるのかと。(東京の皮膚科の先生がこの組み合わせで処方したから皮膚用の薬だと思ってたんだけど💦)
たどたどしい英語で説明すると、それをネットで検索しながら
なるほどこの薬の本来の目的ではない部分がクローズアップされたんだねと納得された様子。
その後薬の特徴、オランダでは処方できない理由を説明し、そのあとは質問の連続。
・これが切れちゃうとあなたの肌はどうなるのか、
・オランダで手に入らない場合どうしたいのか、
・服用している間に皮膚や体調にはどのような変化があったのか、
・ビタミン剤だけなら似たような錠剤を処方できるけど希望するか、どのタイミングで処方してほしいか、

日本ではお医者さんとこんな風に話したり、自分の意見を聞かれたこともなかったし、自分の薬の働きをよく考えてみたこともなかったので、自分のことでありながら専門家に丸投げしていた事にハッとしました。

家族分の健康状態についてそれぞれ上記のような細かな質問が来ました。
娘のアトピーが酷くなった時に出された日本の処方箋薬について先生がオンラインで調べながらオランダで手に入る同じ効き目の薬を探してくれました。
そしてこの情報がこのまま薬局に通って明日には娘の薬が用意できているからピックアップするようにと。

そして翌日薬局に行ってみました。
薬剤師さんから娘の生年月日と名前を確認されて、「パスコードで外のマシーンからピックアップできるよ」と言われました。
ん???
パスコード???
マシーン???

先日登録したメールアドレスに病院からお薬の準備できたよってメールが届いていたらしく、そのメール内のパスコードと生年月日をタッチパネルで入力すると自動販売機みたいなマシーンから薬を取り出すことができるというのです。

薬局内にいたオランダ人のおじいちゃんもこのマシーンは本当に便利だよ、病院が閉まってる時間でも週末でも自分の都合の良い時に外から受け取れるからね、と教えてくれました。(受け取り可能日から5日間はマシーンでピックアップ可能。それ以降は薬局のカウンターに戻る。)

それがこれ↓

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左側のタッチパネルに情報を打ち込むと、○○さんの薬を出しますと表示され、下の銀色の扉を押したら娘の名前が書かれた紙袋が入っていました。

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患者名と薬の用法は箱にシールで貼られています。
お会計は前回の初診料(登録)もお薬代も直接保険会社に行きます。
(今回は子供の薬だったので東京在住時と同様で無料ですが)
なのでお会計待ち無しでした♩

今回の登録から薬の受け取りまでを経験してみて、日本との違いで驚いたのが圧倒的に「人に会わない」ことです。
具合が悪い時ほど、必要最低限な人としか触れ合いたくないですし、院内感染も極力避けたいです。
登録医制度は賛否両論あるようですし私もまだ患者としては利用していないので使い勝手について実感するものはありませんが、家族分の健康状態はデータとして管理、共有され、院内滞在時間は極めて短い。一般によく言われる「合理的なオランダ」の一部を垣間見た気がします。

海外で生活するとなると色々な不安がありますが、医療は特に気にかかるものです。
保険を含め、面倒くさい手続きやステップもありますが、こればかりは従う他ないです。
きっと登録医制の国から専門医へのフリーアクセスが可能な日本に移住した外国人も驚いたと思いますが、それぞれの国の医療体制を理解し、その中で自分に合った利用の仕方を体得していくしかないですね。

なるべく病院にかからないで済むように丈夫な身体づくりと、英語力の向上も頑張らないとです!!

最後までお読みいただきありがとうございました。


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