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脳動静脈奇形①

脳動静脈奇形という病気を聞いたことがありますか?
おそらくほとんどの方がご存じない病気なのではないかと思います。

先天的な病気で、本来血管は太い動脈から枝分かれして細い動脈になり、毛細血管となって静脈に繋がります。そしてだんだんと太い静脈に血液が運ばれて行きます。脳動静脈奇形の場合は、脳の部分で太い動脈と静脈が直接繋がってしまっている病気です。
10万人に1人の確率でかかる病気だそうです。わりとレア。
私は26年前にこの病気が見つかり、治療をしました。
何回かに分けてになりますが、そのお話を書いていきたいと思います。

それは手の痺れからはじまった。

まだ小学生の頃でした。
時々手が痺れるようになった。決まって右手だけ。当時小学生だったので事の重大さがわかっていなかった私は「なんだろ?正座した時の足みたいにジンジンするなー」と思いながらもその症状を放置していたのです。
手の痺れはだいたい数分で治まっていたし、痺れる感覚はあっても鉛筆で字を書いたりお箸を持ったりといった動作には支障がなかった。
身長が伸びたりするときに膝や足が痛くなる成長痛が病気じゃないように、特に問題のないことなんだと何の確信も無いのに思い込んでいました。

それが大きな病気の症状だなんで全く思っていませんでした。

段々と頻度が上がる痺れとけいれん発作

今思えば恐ろしいけど、手のしびれは頻繁に起こるようになっていきました。あまりに頻繁だったので慣れてしまっていたのもあり、それでもあまり気にしていなかったのです。
しかし、です。最初は痺れだけだったのに、そのうち痺れだすと右手の指が自分の意志に反してビクン、ビクンと反り返るような反復動作を起こす事が増えてきました。全部の指が不規則に曲げ伸ばしされるような動きで、絶対に自分じゃ動かせないような動き。
なんだろうなー?と不思議に思ってはいましたが、やはり毎回数分で治まってしまう。親に言おうにも、1日の大部分でその症状が出ていないので、伝えるのは難しかった。
「また私の右手が疼き出したぜ···」くらいの軽い認識しか持っていなかった中二病気味の私は、特に何もしないままにしてしまいます。

私しか知らない、私の右手の秘密。
それが皆に知られてしまう時が来るのです。(続く)

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