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フランスから、食関連ニュース 2020.03.24

フランスにおける旬でコアな食関連のニュースを、週刊でお届けします。

1. 今週の一言

フランスの統計で、今ソシアルネットワークで語られている話題の97%が、Covid-19に関連したことということです。先週の火曜日の封鎖措置による、自宅隔離生活から1週間が経ち、「いまだ向こうの光が見えない」とテレビで表現される言葉に、途方のない恐怖も感じてしまうなか、当然のあらわれだと思います。私自身も朝のニュースから、そして晩まで、コロナウィルスに関してどうしても考えないことはありません。拡大が頂点に至るのはいつかを気にして、毎日数字を追ってしまう。

買い物は、朝早くに出かける。出来るだけ、列ができてしまうような時間帯にはいきたくないからです。万が一、人がいたら、1メートル以上離れて待つ。うっかり向かい合わせになる人とは、顔を正面から合わせないようにする。帰ってきたら、まずはしっかり手洗いをし、外から運んできたものに消毒スプレーをかける。ゴミには、ゴム手袋をしてゴミ箱に捨てに行く。玄関は土足なので、アルコール除菌でモップをかける。健康的な食事を心がける。などなど、神経質になるくらいに、今までにはない生活習慣を徹底して取り入れなくてはならない毎日。政府の対応状況も刻一刻と変わるので、情報は逃さないようにも心がけています。昨日、エドゥアール・フィリップ首相から、当初は15日の封鎖措置との声明でしたが、数週間延長されるとの発表。少なくとも6週間の封鎖となるのではとの予想。そして、青空市場は禁止となり、自宅から必要な買い物やスポーツの外出も1キロ以内との制限が設けられたところです。

毎日感染者が増加する状況で、医療施設が追いついていないという状況を知るほど、それぞれができることは、出歩くことは控えて、自分も他人も守るという毎日を徹底することしかありません。そうした中、厚生省管轄の社会保険局長で感染症と公衆衛生専門医であるジェローム・サロモン氏が、毎晩、記者発表を行い、それがテレビで中継されます。厳しい状況もクリアな情報にして、政府から国民に伝えるという役割を担っており、しかも記者陣から飛ぶ細かな質問にも正確に答えてくれている。その情報に対する信頼は、国民の安心を少しでも生んでいるのではないかと感じています。昨日は厚生大臣のオリヴィエ・ヴェラン氏がサロモン氏に変わって、登壇していました。

連帯のボランティア活動も活発です。各市でレストランやパティスリーが、医療施設へ無料で食事を届ける運動や、スポーツインストラクターが団地の広場に出向いて、ベランダの人々へ向けて公開レッスンを行うなど。Airbnbは地方自治体総局との協力で、医療従事者に向け、勤務する病院のそばにある貸アパートの無料貸し出しを契約者に募り開始したばかり。また、ソシアルネットワークの呼びかけで、医療従事者に感謝の意を表そうと、毎晩8時ぴったりに、フランス全土、心ある人々のアパートの窓から、夜空に拍手が送られている。我が家のアパートでも拍手をかわしながら挨拶。これから1ヶ月以上続くであろう、隔離生活を乗り切れそうだと思う瞬間があります。

写真は新聞パリジャン。最終ページには、政府のサイトからダウンロードできる特例外出証明書を毎日印刷しています。用紙にある理由をチェックし、サインをしたものを携帯していないと、罰金が科せられます。手書きでも構わないのですが、新聞パリジャンは自宅にコピー機がない家庭に、あるいは、わずわらしさを少しでも取り去るためにという優しい計らいで、購読販売も確保するという一石二鳥に成功しています。

2. 今週のトピックス【A】アラン・デュカス氏ら、マクロン大統領へレストラン関係者を支援する緊急措置提案書を提出。【B】政府の要請で、ホテルが浮浪者のために部屋を提供。【C】レストランオーナーシェフたちのマニフェスタション。

2. 今週のトピックス

【A】アラン・デュカス氏ら、マクロン大統領へレストラン関係者を支援する緊急措置提案書を提出。

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