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二足歩行に囲まれて

前回お伝えしたとおり、9月よりはれて保育園生になったたー坊さん。9月1日から慣らし保育が始まりました。

とても丁寧な保育園で、1日1時間滞在から30分くらいずつ延ばしていったので2-3週目くらいには本人も慣れてきたご様子で。最近は担任の先生からの連絡帳にも「笑ってくれました」とか、「かわいい笑顔でした」とか「ニコニコしてました」とか、とても嬉しいコメントが書いてある。そうかそうか、いい子におとなしくしているのか、とばかり思っていた。

が、先日旦那さんが保育園にお迎えにいったとき、迎えてくれた先生から「たー坊くんが気に入ったおもちゃがあって、お友達が欲しくて近寄ってきたんですけど。たー坊くん、無言で絶対におもちゃから手を離さなかったんですよ笑」ですと。特に泣くわけでも、いっちょ前に主張するわけでもない。ただただ、おもちゃを握った手を絶対に離すまい、という覚悟とオーラが駄々洩れらしい。

たしかにそういえば、その前に私がお迎えにいったときも担任の先生が、「たー坊くん、気に入ったおもちゃがあって何をする時も握りしめてるんですよー」と言ってたっけ。「へえ、それは良かった」くらいにしか思わなかったけど、実は「何をするときも」握りしめているって本人にとっては相当なんだろう。誰にも渡すまい、と。

たー坊さんの保育園の0歳児クラスには園児が6名。た―坊は一番最後に入園したのでみんな先輩園児さんたちなのだけど。でもそれだけで終わらないのがたー坊さん。

誕生日で言えば、9月生まれだから決して他の子たちより若いわけではない。もちろん一人4月生まれの女の子がいるけれど、たー坊より後に生まれた子たちだっている。

保育園の登園初日、保育園に入ってその光景に目を丸くしたのは、きっと誰でもない私だと思う。保育園では安全のため、0歳児クラスだけは隔離されていて、ドアのついた空間の中で2人の先生と園児6人たちが過ごしている。たー坊以外の5人はもちろん健常の子達なので、既にハイハイしたり、立ち上がったり、そしてほぼみな自由に歩き回ったりしている。

ダウン症の子の発達スピードに慣れてきたわたしは保育園初日に二足歩行でスタスタ歩き回る同じくらいの月齢の子供たちをみて度肝を抜かれた。社会の教科書で見た人間の進化の過程の絵が思い浮かぶ。そうだそうだ、同じ月齢の子たちはみんなもう歩き回ったりしてるんだ!衝撃だった。

ダウン症の子は、知的障害と発達障害を伴うことはわかっているので、ダウン症だとわかると発達支援センターや民間の療育サービスを受けることができる。以前ブログに書いたとおり療育に活路を見出した私は、たー坊がこの世に生まれ右も左も訳わからずの頃から早々にそして前のめりに療育に通い始めた。

ダウン症の子供を持つママさんたちとの繋がりも増えた。一緒に公園で遊んでる姿を間近でみたり、療育でも同じ月齢の子達がいて、接するうちに段々と彼らの発達スピードに違和感がなくなっていった。

ちなみに、それでもたー坊はダウン症の子達の中でも発達はゆ〜っくりな方で最初はそれにもヤキモキして療育をさらに増やした方が良いんじゃないか、と悩んだ。でもどうやら一定以上はやっても同じじゃないか、とか、PTの先生によって若干おっしゃっることが違うので私自身が混乱することもあり、信頼できるPTの先生やクラスに絞ることにした。

からの、二足歩行集団はなかなかに痺れる。彼らは興味や関心がわいた対象に猪突猛進。凄い勢いで飛び込んでくる。毎朝預ける時は部屋の前で先生にたー坊を手渡しで献上するのだが、それこそ慣らし保育期間中は彼らもたー坊に興味津々で、預けようとするものならば、誰だ誰だ、あやつは誰だ、といわんばかりの勢いでこちらに向かってやってくる。

無事に進化の最終過程をクリアしたあの二足歩行集団を前に、どうやったらひるまずにおもちゃを握りしめたままでいられるのだろう。我が息子は相当な図太さを備えているに違いない。

先日、早帰り期間中のたー坊を迎えに行くと、5人中2人の園児と目があった。瞬間、秒殺の勢いでどどどーっとこちらにやってきて、周りをぐるぐる回るにまわり、上から下までじろーりと見渡された。まるで、「君はどこのだれだい?何の御用?」と言わんばかりに。

自分の意思で自由に立って歩きまわる先輩園児ちゃんたちは、皆かっこよくて凛々しく、「たー坊も急げ急げ!」とついせっかちが顔を出す。そんなこんなで歩き回る0歳児ちゃんたちから多大なる刺激を受けたセッカチ母は、その次の療育の日、信頼してやまないPTの先生に、「たー坊はいつごろ歩けるようになるのでしょうか・・」とついうっかりこぼした。信頼する先生なので、「実は保育園に行ったら0歳児クラスの子たちがみんな立って歩きまわってて、衝撃でして・・」と事情を話した。

そしたら先生、「お母さんも刺激を受けちゃいましたか。じゃあたー坊くんはなおさらですね。」という一言が。そうだよな、たしかに。

続いて、「最近のたー坊くん、表情もよりゆたかになって、おもちゃへの興味も高まっているのは保育園で刺激を受けているからだと思います」、「泣き方や自己主張の仕方にもバリエーションが増えて、社会性を習得している真っ只中だと思いますよ」、「発達的にもおすわりができてきた良いタイミングで保育園に入ったと思います」とセッカチ母を包み込むような愛でたしなめてくれたのでした。優しい。

母には刺激すぎる保育園だったが、きっと1日中ずっとみんなと過ごすたー坊にとってはそんな母の比ではないはずだ。刺激満タンに違いない。この流れでうっかり歩き始めてくれないだろか・・なんて邪なことを考えていないで、保育園から帰ってきたらた―坊の頭をごしごし褒めてあげよう。

こうして慣らし保育すること約1か月。保育園にすっかり慣れたたー坊は、奇跡的に一度も体調を崩すことなく元気印で登園していたのに、なぜか母の仕事復帰2日前に突然38.8度の高熱を出し、母の度肝を抜いた。

育休最後の貴重なお一人様デー。あれこれ最後にやりたいことを考えた末に、感謝の気持ちを込めて両親を誘って銀座の有名な天ぷら屋さんに行くことにしていた。夜はとてつもなくお高いけれど、お昼は比較的リーズナブル。有名なお土産まで事前手配して、あとはもうたー坊を保育園にいざない、銀座へゴー。そんな朝に予期せぬ急な発熱。もちろん高熱で保育園行けず、てんぷらのお店にも行けず(お店には直謝りしたらとても真摯なご対応をいただいたので絶対に挽回しようと心に決めた)。解熱して24時間以上経過しないと登園できないので翌日ももちろんお休みに。本人熱があっても、体が熱い以外はいたって元気。こうして2日間のお一人様デーは、図らずともおうちでたー坊とお二人様デーになりましたとさ。

結局、小児科の先生曰く、発熱は前日に受けたヒブワクチンの副反応ではないか、とのことだった。そういえば、前日に予防接種を5本受けまくったのだった。。一昨日はシナジス注射を2本。来週はインフルエンザ予防接種を打つ予定のた―坊さん。10月も元気に登園できることを切に願ってやまない。

【発熱しても元気印】

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