ママと一緒に遊びたい

今日は土曜日。普段は土日祝日は休みだけど、お客様向けのイベントがあるので朝から新幹線で名古屋に行って、夜に帰ってくる予定。

数ヶ月前から準備してきた。
暖かいからちょっと花粉が多そうだけど、いい天気でよかった。
楽しみな気持ちで目覚めて、そっと布団を抜け出し、静かな家で自分の支度を始めた。

ヘアメイクが半分くらい終わったタイミングで「ママぁ〜〜!ママっ!!マぁマっ!!」と3才の息子が泣き叫んでいる声が微かに聞こえた。
寝室に駆け戻ると、布団の足元に座り込んで号泣している息子。
ぎゅっと抱きしめる。
隣の布団できちんと布団をかぶって綺麗な姿勢で寝ている夫が見える。

「ママぁ!公園っ!いぎだがった!いぎだがった!マァマ!公園!」と、寝ぼけて怒って泣いている。
公園で遊ぶ夢を見たんだろう。目が覚めたら家の布団にいて、隣に私がいなくてびっくりしたのかな。
もうそんな具体的な夢を見るくらい、大きくなったのか、と心の隅で感慨深く思いながら、「ママここにいるよ。公園に行きたいのね。今日は保育園お休みだから公園に行けるよ。」と話しかけながら抱き締める。

毎晩一緒の布団で眠るときに
「今日もいっぱいあそんだね。明日もいっぱい遊ぼうね。夢の中でも遊ぼうね」
と言ってから寝るようにしている。

昨日の夜、夫が買った息子の新しい自転車が届いた。
喜んで早速、家の中で乗り回していたから、夫が息子に「明日は公園で自転車に乗って遊ぼうね」と約束してから、寝たんだそうだ。私はその場にはいなかったが…。
息子の夢の中で、私も一緒に公園で遊んでいたのかもしれない。

その後、家族みんなで起き出して、ご飯を作って食べた。
息子は卵を2つ、綺麗に割ってくれた。目玉焼きはとてもおいしかった。

食後、片付けをしようとしていたら、息子は私の手を取り、
「ママ、一緒に遊んで。そしたら、お仕事いっていーよ。」
「公園で遊んで、そしたらお仕事いっていーよ。」とプリプリのくちびるで私に訴えていた。

「あ〜、ママも一緒に遊びたいよ」と抱きしめて背中と頭を撫でる。
しばらく抱きしめあって、同じやり取りをくり返す。気持ちの交換をし合ったら、気が済んだみたいですっと離れて行って、おもちゃで遊び始めた。

私が家を出る時は少し悲しそうにしていたけど、仕方ないとわかっている風だった。
そっと玄関のドアを閉めて、駅に向かう道を勇ましい気持ちで歩き出した。
息子の体の柔らかくて温かい感触が、まだ腕の中に残っている。

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