香りの行方
私が選び纏う香りは、一旦私の一部になり、それから私を雨上がりの森へと招く。
導かれるまま私はその森へと足を踏み入れる。
気がつくと私の足の裏は、光と闇と深い静寂の中で強くしなやかな生命力でむくむくとこの世界を満たしてゆくものたちを感じる。
新たに生まれるもの、立ち去るもの、過去、未来、すべてはただ在るために在り、空たるために空なのだと私は歓喜する。
まだ雨を含む松の葉の向こうからは朝日が登り始め、その無垢な光の中私は魂のダンスを踊る。
ありのままでいい、あなたらしく、私らしく。。
その時私たちは皆この地球の中で影響しあっているのだとたしかにたしかに私は感じる。
私が纏う香りは、私をそんな魂の旅に招く。
一瞬の中に存在する永遠を私に見せるために。
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