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読書メモ✨現代アメリカ保守主義運動小史 はじめに、序文、第一章 まで

令和5年7月から、自由主義研究所が主催する読書会がスタートした。もともと江崎塾で企画されていたそうだが、減税アクティビストにも門戸を開いていただいたことで、私も参加できた。誠に感謝!

 勉強会への参加は無料で、録画が販売されている。

例によって、今回はこれを七回読み大会本として、はじめに~第一章を7回読んでみた。第一回は昨年に一度読んだのをカウントしている笑 ほとんど内容は何も覚えていなかった。読書会にむけてもう一度読んでみたが、それでも何が書いてあったか思い出そうとしても、ぼんやりしてしまう。そんな私なので、やはり7回読む意味があると思った。

 このnoteでは、感想文というよりは、7回読み、ZOOM勉強会を経た今の、読書メモ、という主旨であり、まとまりのないものになるかもしれない。

はじめに  江崎道朗

はじめに、から内容が濃くて…笑 おそらくこの本のエッセンスを書かれていると思う。最も印象深かったのは、カークが

 保守派と保守主義

 を区別して定義していたことだった。
 保守派 … 自由、民主主義、資本主義をなんとなく支持しているひとたち
 保守主義 … カークが定義する保守主義の本質を分かっているひとたち

そして、このカークが「神の意志」という言葉を使っていることだった。
本文ではこの辺りがもう少し詳しく書かれているのかもしれないが、
目に見えない「神の意志」の存在を認めていることは、親近感があった。

 【質問】 p11 認知閉鎖に向かう心理的欲求   とは?
@prisoner_no60 さんの回答
 認知的閉鎖欲求(認知閉鎖的欲求)というのは、問題に対して確固たる答えを求め、曖昧さを嫌う欲求のことですが、これは、リベラリズムの意味を本来の意味で用いる自由主義者を、社会主義者が揶揄するために用いる文言の一つですね。

 【質問】 p14 小さな政府(制限された政府)とは、レーガン時代に生まれた言葉?
@prisoner_no60 さんの回答
 小さな政府という単語自体は、レーガン政権以前からあると思います。アメリカ合衆国憲法は制限政府の観点から制定されていますし、一方でミーゼスの著作に「全能政府」があり、これはナチス・ドイツとソビエト連邦の政府について書かれたものです。これを政治的タームにしたのが、レーガン大統領です。

序文 マシュー・スポールディング

この本が、ヘリテージ財団が不定期に刊行する小冊子シリーズの最初のものだ、ということ。
また、そのシリーズのテーマが、合衆国憲法に謳われている秩序ある自由ordered liberty の第一プリンシプルについて、なのだ、ということを理解して、この本を読むことが最も大事なことだと思った。

そして同時に思ったのは、日本では、その思想の根本になるものは、
日本国憲法なのか?という疑問
、であった。
 倉山満著『誰が殺した?日本国憲法』(通称 誰コロ)を読むと、とても日本国憲法を基準にはできない気持ちになる。では、何を基準にするのか。私にとっては、斎藤一人さんの教え、になる。

 憲法、がアメリカにとってどんなに大切なものか、について考えさせられた。

第一章 保守主義の精神

ハイエクとウィ―ヴァ― P29~46

 1945年 ハイエクの『隷属への道』が与えた影響について書かれている。レーガンがハイエクを読んで感化されたことを初めて知った。研究者、学者の思想を知っていただくには、まずは印刷され、出版される必要がある。『隷属の道』もアメリカで出版されるまでに紆余曲折があった。

【質問】ハイエクの要約本に影響された、俳優ロナルド・レーガンの、「ハリウッドの政治活動」とは具体的にどんなことだったのか。

 哲学⇒論文⇒ジャーナリスト⇒政治家⇒慈善家⇒出版

 ある哲学的主張が出版されるまでには、このような道を辿るのか、と改めて認識した。救国シンクタンクの研究員が本を出版できたことは快挙、と理事長が仰っていたことが思い出された。

 今年の4月下旬に渡瀬裕哉著『社会的嘘の終わりと新しい自由』が発刊された。権威主義に囚われていることに気づかないまま、社会に生き苦しさを感じている人々へ、自由をつかみ、自分らしい人生を歩むにはどうしたらよいのか、というメッセージが籠められている。『隷従への道』と比較するのは本人が照れるだろうけれども笑、日本での減税運動のタイミング的と思想的な内容、という意味では重なるところがあるなぁと思った。

ウイーヴァ―の『理念には結果がある』について、とても興味深かったが、分からない点も多かった。ZOOM勉強会の中でも議論があった。

 唯名論(とは何か、山之内さんが解説してくださっていたが。。。実在よりも名前のほうが大事、みたいな意味?)が
見境の無い平等主義(共産主義的な思想?)を助長したため、ウィ―ヴァ―が、言葉遣いを清め、かつ尊重すること(ウィーヴァ―三つの理念のひとつ)を提案した。

と理解した。ウィ―ヴァ―の主張「良き社会は疑う余地のない不変の真理の基盤を必要とする」は3つの理念が根拠になっている。非常に現実的で、スピリチュアルな理念だと思った。

1946年中間選挙 と モンペルランソサエティ p37~46

 タフトは自分を「リベラルな保守派」としている。
 中間選挙では勝利した。これを勝利主義(ちょっと意味がよく分からない)による、権力の追及の結果として思想の自由が奪われている(P40 )として(<-【質問】この解釈は大丈夫か?)、。
 古典的リベラル、またはリバタリアン、ネオリベラルの再生のために、
 ハイエク、リード、フリードマン、ルーノウが集まった。
 
マスコミは注目せず、モダンリベラル派はこれを無視した。

【質問】勝利主義について
prisoner_no60 プリズナーNo.60@prisoner_no60  さんからの回答
勝利主義は、先ほどの「リベラルな保守派」に関連して、選挙での勝利を追求するあまりに自らの思想(この場合で言うと保守主義)を枉げてしまうこと、または、そのような考え方だと思います。日本の自民党がまさしくこれではないでしょうか。

【質問】 「リベラルな保守派」古典的リベラル、ネオリベラル、モダンリベラル、リバタリアン の違い。
prisoner_no60 プリズナーNo.60@prisoner_no60  さんからの回答 
  ニューリベラリズムが、俗に言う「第三の道」という考え方で、社会主義と自由主義(自由市場経済)の折衷案です。リベラルな保守派もここに含まれます。オスカル・ランゲのネオマルキシズムのように共産主義と自由市場経済とを折衷した場合も、第三の道と呼ばれます。
 モダンリベラリズムが、ニューリベラリズム(またの名をソーシャルリベラリズム)にあたります。

第80回連邦議会 トルーマン、タフト、デューイ P46~52

 トルーマン(民主党)、タフト(共和党)、ウィーヴァ―(共和党)の大統領選挙、党内予備選の話。
 タフトが減税政策を掲げていた。下院は、トルーマンの拒否権を認めず、減税法案を可決したが、上院は5票差でトルーマンの拒否権を認めてしまった。でも、その5票ならイケそうだ、とタフトは希望を持ち、結果、1948年減税法案が可決された。
 インフレも起こさず、かなり国内経済はイイ感じでタフトは頑張っているにも関わらず、意外と国民はそのことに気づいていない。それはなぜか。メディアが報道しなかったことが大きい。
 おまけに共和党内の予備選挙でも、エスタブリッシュメントでルーズベルトに接戦していたデューイのほうが、タフトよりイイんじゃね?と候補に選んだ。しかし、民主党側のプロパガンダ合戦にデューイは弱腰で負けてしまった。この結果から、気骨の無い人間を候補にしてはいけない、という教訓を学んだ。

 この頃すでに、マスコミとプロパガンダが世論を誘導し、政治に大きく影響していることがわかる。

保守運動に火がついた! 言論と刊行物とヒス事件 p53~

 政治の動向とは別の世界で、様々な言論や経済学者が出て、様々な刊行物も出版され、少しずつ保守の考え方が広がっていた。
 学者、研究者:カーク、トゥリリング、ハイエク、ミーゼス、レプケ
 雑誌(保守系):フリーマン、ナショナルレビュー、

 そこへ、チェンバースの『目撃』1952年 で、ヒスが共産主義のスパイであり、機密文書漏洩をチェンバースに強要した、という自白をしたことがドラマチックに書かれたことで話題となり、人々に共産主義への警戒感が強まると共に、保守主義への理解も広がっていった。

 また、大学が世俗的なリベラリズム(つまり共産主義、、、らしい)に浸食されている状況もあった。
 そこでリバタリアンであるチョドロフが1952~53年「個人主義者大学連合協会」を立ち上げた。

【質問】 日本でいうなら、Student For Liberty に当たるだろうか。

まとめ

 1945年、ハイエク『隷属への道』がアメリカに広がってからも、マスコミ、スパイにより浸透していた共産主義的政治に抗うには、保守主義の思想家、紙媒体、寄付者、政治家の協力が必要であったことが分かった。また、様々な思想についても紹介されていた。その思想には神的な視点があることを感じた。思想の詳しい解釈については別の機会があれば嬉しいことである。

減税あやさん💛

追伸 prisoner_no60 プリズナーNo.60@prisoner_no60  さん
素晴らしい回答、示唆に富んだコメント、ありがとうございます!

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