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いちごサンドのいちご抜きでも、しあわせ

実を言うと、2人子どもを産んでも「自分が親である」という実感があまりない。育児にかなり協力的な夫のおかげで、負担がだいぶ軽減されているからだと思う。

子どもが大事という思いは前提にありながらも、親である前に1人の人間でいたいという気持ちは強い。定期的に髪を染めて、ついでにトリートメントもしたいし、ネイルで気分を上げたいし、マツエクだってしたいし、たまには外で友達と酒を飲みたい。(誤解がないように言っておくが、私なりの責任を持って育児をしている)

そんな私が、「親になったなぁ」と強く感じるときがある。「食事をしているとき」だ。

もうすぐ2歳になる娘は、食いしん坊期真っ只中。食べ物はなんでも気になるし、気に入ったものはしつこいくらいにねだってくる。最近のお気に入りはアンパンマンのスティックパン、いちご、にんじん、ポテト、ハンバーグ、コーンあたりだろうか。

ちなみに過去にはひじき、豆、きゅうり、チーズ、納豆などにハマっていた時期もある。「おっさんみたいなラインアップだなぁ」と心配していたけど、2歳を目の前にしてようやく子どもらしいものを好むようになってちょっと安心した。

話を戻そう。食いしん坊の娘とご飯を食べていると、「もっとちょうだい」とねだられるときが多々ある。娘の好きなもの限定だと、100%ねだられる。そんなとき、もちろん狙われるのは親本人の食べ物。それを、なんの躊躇もせずにあげる自分を客観視したとき、「親になったなぁ」と強く感じるのだ。

私も娘に負けじと(競ってないけど)食べることがかなり好きだ。アンパンマンのパンはともかく、いちごもにんじんもポテトもハンバーグもコーンも、好き。それらを人にあげるなんて……!!!もう信じられない。数年前の私が知ったら驚くだろう。

子供の頃、ママがよく私に自分のハンバーグやら唐揚げやらをくれたときのことを思い出す。あの頃は「こんなに美味しいものを人に譲るなんて仏か何かなのか?」と本気で思っていたけど、今はその仏に自分がなっているのだ。子どもが美味しそうに食べるならむしろあげたくなるし、ねだられるとかわいいからあげちゃう。必然だったのかなぁ、なんて、親になると感じる。

そんなことをしみじみ感じながら、大阪に向かう新幹線の中でいちごサンドのいちご抜き、もとい生クリーム×カスタードクリームサンドを食べて少し気持ち悪くなった。

それでも、なんだかしあわせだ。

私、親になったなぁ。

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