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夜明け前

こんなことを書いたら、批判されるかもしれない。でも、今回のコロナ騒動が世界的に拡大している今、思うことがあり、素直に書いてみようと思う。私たちは今、この新型コロナウィルス(COVID-19)に翻弄され、世界中がパニック状態になっている。確かに、発症するまで2週間も潜伏期間があり、その潜伏期間の間にヒトに感染させてしまう可能性があること。故に感染経路がわかりにくいこと。未だ有効なワクチンや治療薬が出来ていないこと。重篤な症状になる人が確実にいること。そして重篤になった人の中に、命を落とす人も少なからずいること。こうした背景があり、今や世界中でこのCOVID-19を蔓延、拡散させない為の措置が取られている。

それは至極当然なことであり、一人一人がかからない為、うつさない為の努力は必要なことだと思う。

ただ、このウィルスも自然の一部であり、神さまが作り出したものであると感じている。

コロナウィルスは、今騒がれている新型COVID-19を含めて7種類あるというが、国際ウィルス分類委員会の分類によると、およそ3万種のウィルスが見つかっているらしい。そもそもウィルスとは、生物と無生物の中間の存在であり、生きた細胞体に寄生することで生きてきたもので、ウィルスの歴史を辿ると、生命が誕生した30億年前には既にウィルスも現われている。そう考えると地球上で一番長く生き伸びて来たものがウィルスなのだ。ウィルス側からすると、わずか20万年前に出現したヒトという種は、ウィルスにとってたまたま遭遇した生きた細胞体の一つでしかないのかもしれない。

新型コロナウィルスが急速に広がり、私たち人類は怯えて震えがっているが、自然界に目を向けると、空は澄み、川や海も濁りが消えた。鳥はいつも以上にさえずっている。花は誇らしげに美しく咲き、新緑は眩しいほどに鮮やかだ。

神の意思である自然の法則は、私たち人間の思い通りには何一つならない。震災などの自然災害と同様に、ウィルスの作用も自然災害といえるだろう。世界同時多発的に、私たちは今、目に見えないウィルスに苦しめられている。それも終わりの見えない闇の中にいるような感覚だ。でも、これは同時に現代人である私たちの生き方・暮らし方・考え方を改めて問われていると言っても過言ではない様な気がする。収入面にだけ意識を向けたなら、誰しも不安が募って当然。明日の生活を心配するのは当たり前だ。早く経済的救済方法を提示してもらい、少しでも安心素材が増えるといい。今、やりたいこと、動きたいことを止められる、辛い思いをしている人も大勢いる。でも、今は誰もが一旦止まれ、と自然界から言われている状態なのだと思う。自分勝手に動くわけにはいかない。

私自身、走り続けていた足を止め、前にも後ろにも、右にも左にも次の一歩を出せない不自由さに辟易している。でも致し方ない。今は長い夜だと思うしかない。第一次世界大戦の時、スペイン風邪が世界を襲い、戦争が終焉したように、今回の新型コロナウィルス騒動で、本当の意味での働き方改革が起こるかもしれない。人によっては幸せの価値観そのものが変わっているかもしれない。神様は、きっと私たちに何かを伝えようとしている。

自分だけが、自分の家族だけが、自分の国だけが良くなれば、人間だけが良くなればいい…。そんな考え方がこれまでの主流だったかもしれないが、これからは、自分も隣人も、他の国の人々も、さらには森羅万象全ての生きとし生けるものと共にあり、協調しあっていく生き方考え方が主流となる世の中になるかもしれない。

いや、すぐさま人類の歴史がひっくり返るほどの大きな意識革新はないだろう。ただ、どんなカタチであれ新型コロナウィルス騒動が終わった後は、これまでとは違う新たな価値観の世界が始まるはずだ。

でも、今はまだ夜明け前。

早く明けないものかと空を睨みつけているよりも、今はのんびり夜が明けるまで寝て待っていた方が良い。眠くなければ本を読むか、家族とゆっくり話をするか。とにかく焦らず時を待とう。

明けない夜は無いのだから。





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