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合格率28.1%、PRプランナー3次試験が相当大変だった話

広報・PRの資格試験といえば「PRプランナー資格認定制度/検定試験」一択。
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が広報・PRに携わる者の意識・知識・技能の向上をはかるべく、2007年より実施している資格試験です。

この3次試験の第29回(2021年11月)を受けたのですが、これがまあエグかったのです。
何がエグいって、合格率。
28.1%でした。

年々下がっているなあと思っていたのですが、初めて30%を割りました
詳細はこちら

▲過去10回分の合格率。第26~28回はコロナで非開催。

理由はわかりません。
難しい内容になった、審査を厳しくした、とも考えられますし、受験者数が増えているので受験層が広がったため、とも考えられます。コロナ禍で3度中止になったから、今回から時間短縮&システムが変わったからなど、考えられることは多数ありますが、それはいいんです。

この試験、合格率以外にもエグいところが複数ありまして。
忘れないうちに記載します。
役に立つ情報というよりは、ほぼ感想とグチです。

注釈

  • 業務範囲が固定されがち、作業系が多い企業広報向けの情報です。

  • PRプランナー試験は1次試験から3次試験まであり、今回は3次試験のみにしぼって記載しています。ちなみに、1次試験は誰でも受験でき、2次試験は1次合格者のみ、3次試験が2次合格者+実務経験3年以上という制約付きです。

  • 3次試験はプレスリリースの作成+PR計画の立案を行い、PR計画立案はコーポレート課題かマーケティング課題かを選択可能。私はマーケティング課題を選びました。コーポレート課題を選ぶ方には役に立たない情報の可能性があります。

  • いろいろ書いていますが、本試験は受かる・受からない以前に、本試験のために勉強するというプロセス自体に価値があります。広報・PR担当者はチャレンジして損はない試験だと思う、ということは最初にお伝えさせてください。

PRプランナー3次試験、大変だった3大要素

【1】プレスリリース作成とPR企画立案(重め)を2時間でという試練

2時間ですよ、2時間。
プレスリリースの場合、概要把握、情報整理、文章作成、推敲・校正。
PR企画立案(マーケティング課題)の場合、概要把握、情報整理、ストーリー設計、戦略立案とロードマップ作成、予算算出。

2時間でできるかーーーーーーい!!!
新製品のローンチ前後1年間で1億円使うPR計画をそんな短期間でつくるなんて、むしろバチあたりというか。いややったけども。
死ぬかと思いました。鍛えられた。

ちなみに、プレスリリース作成とPR企画のお題は別物です。
問題文はコピペNGです。全部手打ち。今回からNGになったとか。エグい。会社名や住所くらいコピペしたい。

試しにやってみたい! という方はこちら。参考問題です。
ぜひ時間制限を設けてチャレンジしてほしい。
https://pr-shikaku.prsj.or.jp/reference/sample_3rd_exam

【2】上流から考える、点ではなく線の広報・PRスキルが求められる

上流から考えるなんて当たり前じゃん、と思われる方もいるかと思います。
PRエージェンシーの方はまんべんなく業務を経験してきているのかなと思うのですが、企業広報の場合はプレスリリース作成がメイン業務の人もいれば、取材対応で手一杯の人、SNS運用が中心の人など、担当業務がかなりバラバラなのではないかと思います。

広報予算0円のなかで仕事をする人が、いきなり1年間で予算1億円のPRプランを考えなさい、といったこともザラに起こりうるでしょう。

広報・PRの概念のばらつきを是正し、本来の広報・PRはこうなんである! ちゃんと理解しスキルを身に着けよ! という試験かと思うので、担当業務の範囲が限られている場合、本試験が示す「本来の広報・PR」の把握から進めることをおすすめします。
逆に、上流からのPR設計を学べ採点してもらえる場が少ないので、かなり貴重ではあります(採点結果ほしい)。

【3】練習問題・過去問題が少ない

ハードルになるのはPR計画の立案になると思います。
採点基準は以下です。

課題Bは、(1) 的確性、(2) 戦略性、(3) 実現性、(4) 独自性・適切性、(5) 論理性・構成力をもとに採点します。

https://pr-shikaku.prsj.or.jp/about/content_3rd_exam

わかるような、わからないような、、

2次試験が広報・PRの知識全般を問われる試験なので、そこで学んだことを実技におとしこめばいいじゃん、という話なのですが、日々大量のPR企画立案をこなしている人でないと、短時間で概要把握、情報整理、ストーリー設計、戦略立案とロードマップ作成、予算算出まで行けるかどうか。

題材となる商品・サービスのジャンルも、大勢の人は初チャレンジになるのではないかと思います。参考問題では「米国発のランニングシューズ」でした。

とはいえ、やるしかないのです。
公式発の対策は以下4つ。


【1】試験対策テキスト「広報・PR概説 (2022年版)」 ※2022/3/11発売

【2】問題集「広報・PR資格試験参考問題集(2019年版)

【3】試験対策動画「3次試験対策講座(Web受講)
【4】
公式サイト掲載の参考問題


【1】の試験対策テキストは、2次試験と共通なので購入必須。新テキストも発売予定なので買いましょう。
【2】の問題集は、2019年度と古めなのが難点。今年は新しいの出るのかな。
【3】の試験対策動画は、3万~4.5万円。これでスキルが身につくと思えば……! という決意が必要なお値段。
【4】の過去問題は、1問のみなんですよね。もっと載せてほしい。

問題集の最新版が出るとともに公式サイトの参考問題が増えれば、もう少し挑みやすい試験になりそうな気がしています。

ちなみに、2019年度の問題集も第29回(2021年11月)対応とはされていました。私が買わなかっただけなので、これを買っていたらもっと楽だったのかもしれません。

その他

  • 新システム切り替えタイミングだったためか機材トラブルあり。
    (すぐ対応していただけたけどめっちゃ動揺した)

  • プレスリリースがコーポレート課題の回だった。
    (リリースは選択不可。私マーケ系ゆえ、、)

  • PR計画の立案の際、コーポレートかマーケかを選ぶ画面がパッと見でわからなかった。
    (時間に追われすぎて冷静じゃなかった可能性あり)

心臓に悪すぎる、、
システムについては切り替わったばかりなので致し方なし。次回は改善していることでしょう。

何をすればいいのか

最後にまとめです。

早めに受かりたい!という方は、【1】試験対策テキスト【2】問題集【3】試験対策動画【4】参考問題すべてを網羅することをおすすめします。お金はかかるけども、一番の近道です。

なるべくお金をかけずに、という方は、【1】試験対策テキスト掲載の参考問題と【4】の参考問題を、2時間という時間制限を設けて複数回解いてみることをおすすめします。ある程度の形が見えてくるかと思います。

ちなみに私は受かったのですが、なぜ受かったのかわかりません。ガチで落ちたと思っていました。
採点結果ほしい……。