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受け入れてやるものか


でっかい夢を持っている自分が好きだった。

叶いっこないと周りが諦めていく中、馬鹿みたいに子供な私は、がむしゃらに夢にしがみついていた。

そんな童心を忘れない自分が、好きだった。



秋風に吹かれながら哀愁が深まっていく、10月。

私は残りわずかな21歳を過ごしている。



子供であることと童心を抱くことは、全く別種である。

世の中にいる、年を取っただけの人間の多くは、童心を忘れないという言葉を、子供じみた自分への免罪符にして生きている。

大人になりたいと思ったことは一度も無い。でも子供である自分には、もうお腹いっぱいだ。




拝啓、私。21歳は、どうでしたか。

絶望が、深まりましたね。
どこまでも伸びていく人影を、たくさん見てきましたね。
それでも、自分だけは諦めきれませんでしたね。




懐玉・玉折編を見て、狂ったように『呪術廻戦』にハマった。
アニメのセリフは時折、私に痛覚があることを思い出させてくれる。

小さな絶望の積み重ねが、人を大人にする

七海建人 『呪術廻戦』


21歳は、そういう年だった。
長い目で見れば、きっと成長痛であった。
そう思える大人であれ、私。



優しくすることがどんどん簡単になり、
優しくいることがどんどん難しくなる。

これが大人の入り口なのであれば、
わたしは永遠に子供のままでいい。

諦めたくない。何もかも。


受け入れてやるものか、諦めなんて。

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