職業人としての最初の岐路(十年目くらい)の時期のメンティにメンターが役立てること

　キャリアの途中で訪れる岐路に立たされたとき、メンターの存在は非常に大きな意味を持ちます。特に職業人生の約十年目に差し掛かったタイミングでは、これまでの経験を踏まえつつ、今後の方向性を見つけるためのサポートが求められます。メンターは、単なる助言者に留まらず、自身の経験や知識を活かしてメンティを導く役割を果たします。以下では、渡辺三枝子氏と平田史昭氏の共著「メンタリング入門」から引用し、職業人としての最初の岐路に立ったメンティに対するメンターの具体的な役立て方について紹介します。

以下引用

・メンター自身の経験、体験や現実的な選択のための情報を提供する

・一般情報として、起こりがちな悩みであることを教え、専門家などの情報提供をする

・現在の仕事の意味づけや新たな可能性探索のために、他部門や他事業でロールモデルや人脈を探す

以上引用

出典：渡辺三枝子・平田史昭
　　　日経文庫「メンタリング入門」
　　　日本経済新聞社　2006年

　このように、メンターは自身の経験や専門知識を活かしてメンティに対して実践的なアドバイスを提供し、キャリアの岐路に立つメンティにとって非常に貴重な存在となります。特に、現実的な選択肢や新たな可能性を見つける手助けをすることで、メンティは自己のキャリアを再定義し、より明確な方向性を持つことができるのです。また、他部門や他事業でのロールモデルや人脈を活用することにより、異なる視点や新たな機会を見つけることも可能です。このようなメンタリングのアプローチは、メンティが自分自身のキャリアを豊かにし、成長するための大きな支えとなるでしょう。

　メンターとメンティの関係は、単なる一方的な助言に留まらず、相互に学び合い、成長するパートナーシップであることを理解することが重要です。これにより、メンティは自信を持って新たな挑戦に取り組むことができ、メンターもまた、自身の経験を再評価し、新たな視点を得ることができるのです。メンタリングの価値を再認識し、職業人生の大切な時期における有効なサポートを実践することが求められます。