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突き刺す体験でエシカルな事業を変革したい

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布田 尚大
株式会社drapology 代表取締役。強い美意識を持ったクリエイター・企業の事業運営のあり方を追求。ボディポジティブなランジェリーブランドfeast COO/REBIRTH PROJECTプロデューサー。/日本マーケティング学会会員。2008年一橋大学 社会学部/2010年 同大学院 社会学研究科修士課程 修了。WSD28期ワークショップデザイナー。1983年東京生まれ。元エシカルファッションブランドINHEELS COO。2018年・2019年渋谷ファッション&アート専門学校 非常勤講師。


エシカル・サステナブル・SDGs界隈で活動してきて思うこと

ーー布田さんはRex以外でも色々な仕事をしていますが、どんなことされているんですか?

2013年からいわゆるエシカル消費、サステナビリティ、SDGsといったキーワードの領域で企画や事業運営をしています。尖った活動をしている著名人やインフルエンサーの方と仕事をさせて頂くケースが多く、俳優の伊勢谷友介さんが経営しているREBIRTH PROJECTでクリエイティブ企画を行ったり、起業家のハヤカワ五味さんが立ち上げられたボディポジティブな
ランジェリーブランドfeastの事業運営、エシカルファッションに関心を持ち、LEBECCA boutiqueというブランドを運営している赤澤えるといくつかのイベントや専門学校の非常勤講師などが現在のメインの活動です。

ーーなるほど。現在も続けているそれらの活動と、AXはどのような部分でつながっているのでしょう?

去年ぐらいから大企業がSDGsやサステナブルな企画を打ち出すケースが増えたんですけど、自分がやっているような比較的中小規模なアクションをしているって人達って実はそんなに増えていないというか、あんまり顔ぶれって変わっていないな、さらにぶっちゃけ経済的にも豊かになってもいないんじゃないかっていうような感覚があるんです。そんな中で思っているのが、今まで自分も積極的にやってきた、解決が難しい社会課題みたいなものを、楽しく、面白く、カッコよく、わかりやすく伝える。そうすれば関心を持つ人が増えて、より大きな社会的なムーブメントになるっていう考え方に限界があるなと。これを打破する可能性として、エシカルやSDGsをアート体験として構築していくことに興味を持っています。

社会の変革とAXへの期待

ーー具体的にはそれはどのようなアクションになるのでしょう?

まだまだ模索中なんですが、AXを実際に創出していきつつ、そのプロセスの再現性を持たせられるようなアカデミックな理解や定式化を行うことだと思っています。先ほどあげた一緒にしている方は起業家兼クリエイターみたいな存在なんですが、近くで見ているからこそ凄いなあと思うことがとても多いんですよね。こういう人たちが新しい価値観とか時代を作ってくんだなと。でも、そう思う一方で、そういうクリエイター任せにしない、ある種凡人でもできる方法ってないのかっていうことは思っていて。工場みたいにAXを創出できる方法というか。それを単なるフレームワークやスライドにするのではなく、血の通った形で方法論化していきたいなと思います。

意味の先にあるもの

ーー最後に、布田さんにとって、AXとはどのような経験か、教えてもらえますか?

ロラン・バルトって哲学者が『明るい部屋』っていう写真をテーマにした本を書いてるんですが、そこでプンクトゥムとストゥディウムって概念がでてくるんです。ざっくりいうとストゥディウムはすでに社会的に受容され流通している既存の意味体系による解釈、プンクトゥムはそれを破壊するような異質な経験といった意味なんですが、AXはまさにプンクトゥム的な経験なのではないかなと。自分が好きな芥川龍之介の「蜃気楼」って短編や、岡崎京子の『エンドレスサマー』っていう漫画にでてくるワンシーンで、そういう世界が裂けてくるような一文や一コマがあると思っていて。そういうイメージです。一方自分は事業運営をしているので、そういったもの再現性や換金性が低いのも身に染みて感じています。精度が高い一つのクリエイティブより、他大量のSNSポストによるインプレッション増加や値下げセールの方がマネタイズ上成果が出ることが往々にして多いんです。それらを越境しながら、AXというビジネスを実践していきたいと思っています。


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