🇺🇸Peer reviewの文化

2022年5月2日 02:35

年始にパフォーマンスレビューがあり、これまでのキャリアで私にとっては初めてピア・レビューベースのプロセスを経験しました。今まで所属した会社では、自己申告振り返り→マネージャー評価という流れでしたが、どうもアメリカではピアレビュー方式は一般的な評価プロセスのようです。

ピアレビュー方式の流れ

まず、レビューを依頼するメンバーを選び依頼をかけます。普段一緒にプロジェクトに入っているメンバーから選び、私は初めてだったのでマネージャーに確認を入れました。私はデザイナーなので、PM、SDM、オペレーションのメンバーの比率がバランス良くなるように依頼をかけました。多分、事前確認は必須ではないけれど、あまりにもバランスが悪いとマネージャーからコメントが入るのではないかな。

レビュー依頼と同時期に自分にも依頼が来るので、期日までにレビューを記入します。匿名性ですが、相手が行動に移せるようにレビューを書く必要なあるので、具体例を提示する事が推奨されており、記入者はほぼバレていると思います。ここで驚いたのが、当時のマネージャーからも依頼が来ていた事です。マネージャーには360が推奨されているのかもしれません。

ピアレビューのインプットが集まったら、直属のマネージャーが総括をしてフィードバックが返ってきます。会社によって評価軸や分量など多少の差はあるにしても、友人デザイナーに聞く限り大体こんな感じのプロセスだと思います。

良かったこと

個人的に自己申告方式は苦手で、しかも誇張して書かないといけない雰囲気があるので有効性に疑問を持っていました。普段一緒に仕事をしている仲間からのフィードバックは、自分の意図がどう伝わっていたか、評価されているのかの確認にもなるので気に入っています。

ピアレビューが無い場合には、どうしてもマネージャーに見える行動が評価されがちだと思いますが、ピアレビューではプロジェクト外でコラボした人からのレビューを通し、課外活動についてもアピールできます。

ピアレビューが無いと、自分がリーダーポジションに就くまで他の人をレビューする機会は無いと思います。レビューを書くのはひとつのスキルだと思うので、早い段階で練習できるのはありがたいと思います。レビュー、本当に難しいです。ポジティブな内容は割と書きやすいですが、建設的なフィードバックを的確にするのはとても難しいです。受け取った相手が行動に移せる内容で、さらにその行動をする事でこんな変化が期待できるというような内容が期待されています。

以前読んだNo rules rulesのレビュー方法についての記載が良かったので、参考までに。

レビューする側の難しさ

前述の建設的フィードバックのお作法に加え、それぞれの職種＋階級に合った期待値の理解が必要なのがキツかったです。期待値から大きく外れたフィードバックをしても誰の為にもなりません。私の場合、エンジニア・エンジニアマネージャー・プロダクトマネージャー・プログラムマネージャー・カスタマーサービス、アソシエイトと関わりがあったので、それぞれのレベルの期待値・責任範囲を調べる必要がありました。

多分、デザイン側のタスクや責任範囲もあまり周りに理解されていないので、マネージャーからのフィードバックの際にその辺りの補足がありました。何年かこのサイクルをやればだいぶ慣れてくるとは思いますが、初めてのプロセスにはとても時間を要しました。

ピアレビュー方式だと、単に結果を出すだけでなく一緒に働くメンバーとの信頼構築がとても重要になってきます。気持ちよく仕事ができる相手には、ピアレビューを通して相手のキャリアを応援したいと思います。

ただこの方式、同じメンバーとの関わりしか無かったり、外部と仕事する事が多い部署などでは機能しないかもしれませんね、。プロダクト組織では少なくともPM, Dev, Design,マーケなどとのコラボレーションが必須だと思うので、特に相性が良いのかもしれません。

先日、友人にこの話をした際、学校での相対評価に慣れている日本の文化ではあまりうまくいかないのでは？との意見がありました。米国の学校では、小さい時からお互いの発表などをレビューをし合う機会があるそうです。確かにと思う所もありますが、ピアレビューをする経験から学ぶ事も多いので、何らかの形で取り入れられたら良いんじゃないかなと感じます🤔

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