プロダクトデザイン面接(🇺🇸)ではユーザーリサーチのアプローチを使って効率的に
書こうと思い立ってからすっかり時間が経ってしまいましたが、2021年始から5月にかけて、米国で2回目のデザイン就職活動をしました。結構な数の会社のプロセスを経験し、面接を受けるという視点だけでなく受ける会社をリサーチする視点があると効率的に進められるのではと思いました。
まずゴールを決める
リサーチ計画をする時も、なぜ、何をどうやってやるのか定義すると思います。就職・転職活動も同じで、何を持ってゴールとする=活動終了とするのか自分で答えを持っておく必要があると思います。
状況によってだと思いますが、職種を変えたい、場所を変えたい、業界を変えたい、年収をあげたいなどのゴールを設定すると良いと思います。そして、自分にとって譲れない条件や、それが揃った時に考えるNice to have条件など優先順位を考えておきます。
そして、できれば家族やパートナーにも早い段階で共有しておくと良いと思います。リロケーションに対する考え方や、通勤形態、年収は家族の生活にも関わることなので、せっかくオファーをもらったけれど、家族の状況と合わず諦めるといった事は避けたいですよね。
ターゲットの具体化
ゴールが決まったら、リサーチ被験者の条件を考えると思います。新卒や、未経験の職種に応募する場合は、広く応募する必要があると思いますが、転職の場合なるべく効率的に進めたいですよね。私は受ける企業を最小限に絞るのをおすすめします。求職者側のポジションスクリーニング要件です。
私の場合は、そもそも2回目の転職の目的が場所を変える事だったので、場所を軸に。Nice to have条件としては、前職でやっていた事が好きだったので、似たような業界を中心受ける事に決めました。
リサーチターゲット集め
決めた条件を基に、求人情報を集めます。転職活動の多くは運とタイミングとご縁だと思うので、条件が合ったり興味を持ったところにはとりあえず応募してみるのもありなんじゃないかと思います。ただ、逆に興味の無い分野に応募しても、うまくいく事は少ないと思うので、量よりも質な気がしています。
ここでコネクションが生きてくると思います。転職していった元同僚に新しい組織の話を聞いたり、興味を持っている企業で働いている友人と話してみたり、求人情報を読むだけよりも立体的な情報を持っている方が有利です。
あと、米国ではリファラル制度が整っている企業がほとんどだと思うので、目当ての企業で働く人との繋がりを作るのはとっても大事です。私も前に参加したミートアップで知り合ったデザイナーに連絡をとったり、彼女の知り合いのためにリファーラルをしたり協力関係を活用しています。
応募書類の準備
私は、働きながら転職活動をしたので、1度にプロセスに載せるのは3社くらいまでにしていました。仕事をしながら面接準備するのは、私にはそのくらいが限界でした。これも、ユーザーインタビューに向けてプロトコルを書きスケジュール設定していく感じや、アンケートの場合にはアンケート作成と言った作業に近いと思います。
数は状況に応じて決めれば良いと思うんですが、同じくらいのスピードで何社か受けるのが効率良いと思います。スピードを調整していかないと、オファーが出る時期もバラバラになってしまい、決断が難しくなります。私は応募して3社くらいスクリーニングが通ったら一旦応募をやめる、を数セット繰り返しました。
周りのデザイナー仲間に相談することも多かったんですが、ミレニアルど真ん中の若い世代デザイナー数名が、「面接官パネルの性別や人種が偏っていたらもうそこで降りる」と言ってたのが印象に残っています。確かにパネルの多様性は会社全体の多様性を反映しますからね!
カルチャーが合わなければ入ってから苦労するので、合わないと思ったらすぐに去る潔さが凄いなーと思いました。
デザイナーはポートフォリオが必須だと思うんですが、ポートフォリオについては長くなるので、また別の機会に触れたいと思います。面接を受けながら気が付いたところを改良していきますが、応募を始める前にいくつかケーススタディが準備できていると良いと思います。
スクリーニングコール
大体最初のスクリーニングはリクルーターさんで、カルチャーに合うか、チームが必要としているスキルを持っていそうかを見られているんだと思います。
と同時に、応募者にとっては情報収集のチャンスだと思います。ここがまさにユーザーリサーチと重なる所で、リクルーターさんとの会話で募集しているポジションに求めるものを把握する必要があります。ある程度慣れてきたら、スクリーニングを通す事ではなく、その後の選考に有利になりそうな情報をとる事に注力すると良いです。ここでの情報収集が合否を分けるんじゃないかと思うくらいです。
募集要項に書いていない、チーム編成やどんな所に課題があって人を入れようとしているのかなどの情報から、ポートフォリオプレゼンで強調すべきケースや経験を選びます。プロダクトデザイン職は幅が広いので、リサーチ・情報設計・ビジュアル・インタラクションのどの経験を主役に見せるか?モバイル、ウエブベース、B2C、B2Bどんなプロジェクトがその会社での仕事に近いのか、又は採用するメンバーに期待されているのかを考えていきます。
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この段階で相手のニーズが掴めてしまえば、ポートフォリオプレゼンも組みやすいですし、アピールすべきポイントに沿って準備ができます。私は、面接プロセスで人の相性やデザイン哲学の相性はかなり大きいと思っているので、あとは運というか相性なんじゃないかなーと思います。
初めての就職活動では、持っている経験もバリエーションが少なかったですし、どうにか次に進む事しか考えていなかったので、たくさん失敗しました。1社目で米国のプロダクトデザイン組織の中を経験できたので、2回目の転職活動ではもっと的を絞って、組織との相性などにも目が行くようになりました。米国でプロダクトデザイン職に挑戦する方がいたら、何か助けになったら嬉しいです。
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