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2022春 九州旅行③

試験やレポートに追われて1ヶ月ぐらい更新をサボっていたせいで続き感が全くなくなってしまいましたが、この記事は九州旅行②の続きです。お待たせしました。暖かな眼差しで見ていただけると幸いです。

4日目 川内〜宮崎

川内で起床し、ホテルから長い道のりを歩いて駅に到着しました。駅には地元の高校生がたくさんいて、旅行者には肩身が狭かったです。仕方のないことですが。この川内駅からは三セクではなく再び鹿児島本線と呼ばれる路線に変わります。地元の方言が行き交う車内に揺られて1時間ほど経つと、鹿児島の中心である鹿児島中央駅にたどりつきました。鹿児島本線の終点は厳密には隣の鹿児島駅なのですが、全ての列車が鹿児島中央駅を終点としているので、実質的な終点はここです。ここからは指宿枕崎線に乗って、県南の保養地である指宿を目指します。
やってきたのはいかにも国鉄といった感じを漂わせた気動車。通学利用の高校生を駅で大量に吐き出し、折り返しで南へ進みます。晴れ渡る3月の陽気の中、燦然と輝く錦江湾を左手に眺めながら列車は唸りを上げます。指宿枕崎線で特筆すべきはその車両の揺れ具合、そこんじょらのアトラクションを上回る揺れを、公共交通機関で体験できるようになったというのは、時代の進化を感じます。座っているだけなのに何度も腰を宙に浮かせ、背中が痛み始めた頃、列車は目的地の指宿に到着しました。

指宿駅前

指宿について2文字で表すとするならば、「南国」とでもしましょうか。駅前や通りには椰子の木が立ち並び、砂浜が市街地のすぐ近くにある光景は、とても日本とは思えない異国情緒に溢れていました。駅前に停まったバスに乗り込み向かった先は、指宿名物の砂蒸し温泉が体験できるという施設です。春休みということもあってここに観光に訪れたのであろう同い年ぐらいの集団の中で孤立しながら、受付を済ませて砂蒸しができるという場所に向かいます。到着すると、従業員のおじさんに言われるがままに砂の上に寝かしつけられ、大量の砂を身体の上にかけられました。この砂は軽く熱せられており、この中で汗を流すことで血行を促進し、体に大変良いそうです。所定時間が終わると砂落としのためのシャワーを浴び、屋内の温泉にしばらく浸かっていました。湯を上がると心なしか体が軽くなっていて、旅で溜まった疲れが吹き飛んでいました。

砂むし快感

指宿に戻ると折り返して鹿児島中央駅に戻り、駅前で昼食を取りました。今日の昼食は鹿児島の特産品である黒豚を使った豚カツです。脂の少ない引き締まった身はとても食べやすく、一緒に供えられた味噌ダレやソースがよく合いました。

金が少なくなっていたのでカツは小さめ

駅に戻ると日豊本線の都城行きに乗車し、ここから宮崎県を目指します。市街を出てしばらくして右手の錦江湾に、桜島が噴煙を巻き上げながらその雄姿を現します。桜島が次第に見えなくなった頃、僕の腹が唐突な悲鳴を上げ始めました。おいこれやばいぞ、決壊したら「旅の恥はかき捨て」なんてレベルじゃねえぞ、と必死の思いで我慢しながら、電車が国分駅でしばらく停車したので、すぐに駅のトイレに向かおうとしますが、そこにはトイレがなかったのです。終わった、フラフラの状態で座席に戻り、車内を見渡すと、なんと2両目にトイレが併設されていました。今までトイレ付きの車両に乗った経験がほぼなかったので忘れかけていたのですが、普通の車両にはトイレがついてるものなんですね。ありがとうJR九州、座席は撤去してもトイレは撤去しないでくれよ。

錦江湾に浮かぶ桜島


くだらない一人芝居をしているうちに、電車はグングンと県境の山岳地帯へと突入していきます。先までの車窓とは打って変わって、両側に草が生い茂り始めます。しばらくすると右手に霧島山が現れ、田園地帯が流れるようになると、そこはもう宮崎県。間も無くして、列車は終点の都城駅に辿り着きました。次の電車の乗り換えには数十分の時間があったため、せっかくなので市街を散歩することにしました。今着いた駅は都城駅で、次に乗る列車もここに来るのですが、起点となる駅は一つ隣の西都城という駅だったので、せっかくなのでそこまで移動します。特に観光名所などは訪れなかったので、都城には「普通の街」以上の感想を抱けませんでした。ごめんなさい都城の人。
西都城から南宮崎行きの列車に乗り込み、本日の目的地である宮崎へ向かいます。すでに太陽が地平線に姿を消しつつあり、宮崎に着いた頃にはあたりはすっかり暗くなっていました。一度南宮崎で乗り換えを挟み、本日の目的地である宮崎へ到着しました。夕食には宮崎市民のソウルフードと噂されるチキン南蛮を頂きました。今では全国の食卓やお店でもよく見かけるチキン南蛮ですが、発祥はこの宮崎とのことです。ジューシーな衣と肉にタルタルソースがよく絡み、スタンダードな風味ではあったものの、まさしく「シンプル・イズ・ベスト」の極致を体験させてくれる味わいでした。食後は駅前から離れた繁華街にあるホテルに向かい、翌朝に備えました。

南国の風情漂う宮崎駅前
撮影技術の向上が望まれる

5日目 宮崎〜博多

宮崎のホテルを出発したのは朝5時。まだ酔っ払いが屯する暗い中を駅へ向かって歩き、電車に乗り込んで宮崎県北部の街・延岡へと向かいます。次第に明るくなると、進行方向右手に日向灘が迫ります。1時間ほどで電車は延岡に到着、ここから宗太郎越えというものに挑むこととなります。宗太郎とは大分と宮崎の県境を通る道の通称で、深い山の中を駆けていくことになるのですが、問題は鉄道の運行本数です。大分から宮崎を通る主要ルートということもあって特急は頻繁に運行されているのですが、普通列車が運行されている本数は日になんと1.5往復。しかも早朝と夜中にしか運行されていないという鬼畜なもの。当然18きっぷでは特急に乗れないため、この区間だけ特急に課金するという一般的なきっぱーと、早朝・深夜にここを越える限界のきっぱーに大別されます。当たり前ですが僕は一般的な側に入るため、特急に2000円ほどを課金して山越えをすることにしたのでした。しばらくしてやってきた特急「にちりん」に乗車し、1時間ほどかけて大分県側の街・佐伯を目指します。山中は民家がまばらにあるだけの過疎地帯で、そらこんなところに普通列車走らせても普段使いする人はいないよな、といった感じでした。山が開けると佐伯に到着し、ここからは再び普通列車に乗り、さらに北上を進めました。

特急「にちりん」@佐伯駅

2日前に旅立った大分を通過し、降り立ったのは大分観光の代名詞的都市・別府。別府といえば温泉!といきたいところですが、あいにくそんな時間はなく、駅前の商店街を散歩してお昼を食べるに留めることとしました。お昼には大分名物のとり天を頂きました。その名の通り鶏肉を天ぷらにしたもので、程よい塩味と天ぷらの相性が抜群によく、箸が進みました。

右上がとり天

別府を出てからもひたすら北上。福岡県との県境の街・中津で一度列車を乗り換え、4日前に訪れた福岡県北九州市の中心駅である小倉に到着します。当初の予定では小倉で1分の乗り換えをする予定でしたが、残念ながら間に合わず、15分ほど待つと次の電車が到着しました。この電車に乗っても博多に行くことはできますが、同じルートを通るのも味気ないということで、途中の折尾駅で下車。福北ゆたか線に乗って博多を目指します。福北ゆたか線は湘南新宿ラインや神戸線と同じく路線愛称の一つで、若松〜原田を結ぶ筑豊本線の折尾〜桂川の区間と、桂川〜博多を結ぶ篠栗線の区間を合体させたものです。福岡の近郊輸送を担う路線であるため、僕の乗った列車にも高校生が大量に乗り込んできました。桂川で乗り換え、トンネルを抜けると、本日の目的地であり1日目の目的地でもあった博多駅と再び顔を見合わせることとなります。1日目の味が忘れられなかったため、夕飯は懲りずに博多ラーメンを食べ、駅前のカプセルホテルにチェックイン。明日からは長崎方面へと向かいます。

黄色が福北ゆたか線の路線図(Wikiより引用)
博多ラーメン(近すぎ)


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