【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】「キャリア教育」という言葉を正しく理解しているでしょうか?
キャリア教育支援人材養成を開講していると
(https://ax-factory.com)
「キャリア教育に興味がある」といういろいろな方に出会います。
興味を持ってくださる方がいるのは本当にありがたいことです。
ですがここで必ず出会う「ギャップ」のようなものがあって、
それは、それぞれの方が持つ「キャリア教育」のイメージが
全く違う、ということです。
正しい知識を共有していくことがこの講座の役割なので、
もちろんそれでかまわないのですが、
もしもみなさんが、同じように
「キャリア教育に興味がある」仲間と語り合うのであれば、
相手がどんな理解をしているかを
確認しながら対話する必要があるかもしれません。
存在している「ギャップ」の代表的なものとしては、
以下のようなものがあります。
●大学の「キャリア教育」をイメージしている場合
特にキャリアコンサルタントの方だと、
大学の就職支援や、就職支援に向けたキャリア形成の授業を
担当されている方も多くいます。
就職活動になるべくスムーズに移行できるよう、
低学年のうちから「働くこと」や
「将来設計」の意識づけをするものが
キャリア教育であるというイメージを持っていることが多いです。
これもキャリア教育の一部であることは間違いありません。
●職場体験や職業講話をイメージしている場合
いちばんわかりやすい活動なので、
そうしたイメージを持たれていることも多いと思います。
特に中学校のキャリア教育は、
職場体験を軸に3年間の活動が組み立てられていますので、
理解の入口としては決して間違っていません。
いずれも間違っているわけではないのですが、
「ギャップだなぁ」と感じるのは、
小中高で行われているキャリア教育は、
もっと少し幅広い意味を持っているんだという点です。
文部科学省によるキャリア教育の定義は、
「一人一人の社会的・職業的自立に向け、
必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、
キャリア発達を促す教育」とされています。
(平成23年1月中央教育審議会答申
「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育のあり方について」)
ポイントとなるのは、
職業的自立だけではなくて「社会的自立」が
含まれている点ではないかと考えています。
働くことだけではなく、社会の一員として
どう社会に参画し、貢献していくのか、
そんな領域も包括されているのだと思います。
キャリア教育って将来設計や職業に関する学びじゃないんだなぁ、と、
もっと知っていただけたらなと、いつも思っています。
この幅の広さというか、懐の広さがわかってくると、
キャリア教育に関われる部分がたくさんあるんだなという可能性も
きっと感じていただけるはず、なんです。
松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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