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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】第48回あらためて「主体的・対話的で深い学び」を考える

この7月は、東京・福岡(オンライン)・沖縄と、
キャリア教育コーディネーター向けに
新学習指導要領の勉強会を開催してきました。
みんなで新学習指導要領の改訂の意図を探ろう、
というねらいのものです。

あらためて、キーワードでもある、
「主体的・対話的で深い学び」をどうとらえるのか、
キャリア教育コーディネーターと一緒に勉強会をしながら
私も学び直した気持ちでした。

今回の学習指導要領の改訂、
高等学校は教科・科目が大きく変わりますが、
小学校・中学校に関しては、
実は「学習内容」には大きは変更はありません。
トピック的に報道されたのは外国語くらいでした。

にも関わらず、戦後70年で最大の改訂と言われるのは、
学習指導要領において「何を学ぶか」(学習内容)だけでなく、
「どう学ぶのか」という視点に触れられたという点でしょう。

アクティブ・ラーニングという言葉がひとり歩きしたとも言える
「主体的・対話的で深い学び」という言葉。
よくよく読んでみると、これが登場している文脈は、
以下のようなものです。

****************
「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)
の視点からの学習過程の質的改善
****************

「学習過程」の「質的改善」なんですよね。
「学習内容の改善」ではないんです。
そして学習過程の質的改善を図るための「視点」が
「主体的・対話的で深い学び」となっているのです。

そのため
「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」についても
それぞれ「〜が実現できているか」という「問いかけ」になっています。

****************
<主体的な学び>
学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と
関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、
自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。
<対話的な学び>
子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに
考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
<深い学び>
習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた
「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けて
より深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、
問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に
創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
****************

先生たちがこれまで教えてきた授業の「内容」については、
すでにいろんな工夫がされ、知見も積み上がっている。
その内容、「ちょっと学び方を変えてみませんか?」
ということなんだと思います。
そして、そのための改善の視点(チェックポイント)が
「主体的・対話的で深い学び」として示された。

大きな改訂なのかもしれませんが、
「ちょっとした工夫」でおもしろ授業に化けるかもしれない。
もちろん「深い学び」といった学びの本質を求める部分もあります。
ここは、私たちキャリア教育コーディネーターも、
もっともっと勉強が必要な部分。

でも。未来を創る可能性が
たくさん散りばめられた教育改革なんじゃないでしょうか。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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