見出し画像

「女子高生」の分類にあてはまらなかった私たちの話。

中学生の頃の教室をちょっと思い出してみてほしい。
どんなクラスにも、1・2人は、いたんじゃないだろうか。

「地味〜に浮いてる女子」が。

休み時間には中学生らしからぬ本を手に持ってたりする。
群れることもしない。
ヲタクのニオイもちょっとしたりして。

そんな中で勉強ができるタイプの女子が集まってくるのが
ウチの高校だったように思う。
いわゆるマーケティング的な「女子高生」の分類には
おそらくあてはまらないであろう女子。

クラスの女子の半分くらいは、そんな感じだった、と思う。
(同級生のみんな、勝手な意見でごめん。)

もちろん私もそういうタイプに分類されるんだけど、
私は、そんな彼女たちが、とても好きだったんだと思う。

この分類の女子には、次のような特徴がある。

・それぞれが独自の「ワールド」を持っている。
・自分の中に語れるイロイロは存在しているが、
 それは他人にとって楽しいものではないと思っている。
 なので、表に出して語ることはしない。
・他のワールドの人と交流できるほどの
 言語能力もコミュニケーション能力も、持ち合わせていない。
  (そこは高校生だから、どうにも未熟)
 なので、双方の会話が成立しづらい。
・かといって、他人のワールドを干渉することもしない。
 むしろ、その存在はかなり高く評価し、認めてもいる。
・なので、教室で独りでいることもさほど気にならない。
 思う存分、自分のワールドを楽しめる。
 休み時間に友達と一緒にトイレとか、ありえない。

クラスの結束がめっちゃ高まるわけではないんだけど、
いま思うと、居心地が、けっこう良かったような気が。
中学生特有の煩わしい干渉がなくなって、
大人になるって楽なのかもしれないと、思ったもんでした。

  ・・・・・・・

で、なんでこんな話を書いているのかというと、
結局、仕事の話につながるのですが(笑)

探究型の学びって、
「オタクとか地味なタイプが社会で生きる学びの方法」
なんじゃないかと思う、ということです。

もちろん、アクティブラーニングのような手法で
他者と関わる活動もとても大事だと思うんですが、
それだけじゃなくて、
ひとりひとりが自分の世界を追求していくことは、
社会や他者とつながる「窓」にもなる。

これからの学習指導要領の改訂、
そういう側面からも楽しみなのです。

大人になって、
それぞれが語る言葉を手に入れたら、
彼女たちの「いま」が色鮮やかな世界になっていて、
そういう発見がおもしろくて。

というわけで、次こそは同級会に行きたいなぁ。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
☆学校を応援する大人のための教育マガジン無料配信中
 登録はこちらから。
  https://submitmail.jp/FrontReaders/add/4173

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?