マガジンのカバー画像

社会人のための”教育ってそうなってるのか!”講座

197
学校・子どもたちを応援したい社会人のために、キャリア教育コーディネーターが学校・教育について解説。無料メルマガも配信中!登録はこちら。https://submitmail.jp/…
運営しているクリエイター

#キャリア教育

「探究」と「キャリア教育」の関係を読み解く【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

学習指導要領の改訂により、 高校の「総合的な学習の時間」が 「総合的な探究の時間」になったことをご存知でしょうか。 名前が変わっただけ?と思われるかもしれませんが、 高校ではこの「探究」がまさに キャリア教育そのものになっています。 「探究」と「キャリア教育」の関係を読み解くヒントとして、 まず、「総合的な学習の時間」と「総合的な探究の時間」の 何が違うのかについて確認したいと思います。 学習指導要領の解説に「課題と生徒の関係イメージ」として 次のような説明があります。

コーディネーター的機能がなぜ必要なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

8月の1週目、博物館実習に行っていました。   (学芸員資格の取り直しのためです) 実習テーマのひとつに「博物館教育」がありまして、 博物館が収蔵する資料(文化財など)を活用した 教育プログラムを考えるワークもありました。 博物館も学校外資源。 学校外資源を活用した教育プログラムの開発は、 キャリア教育コーディネーターの仕事・・・ なので、学芸員も似たような動きをするんだな、 と思うのと同時に、 学芸員という非常に専門性の高い人たちが この動きをするのは、厳しいのではない

学校教育への関わり方はいろいろあります【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

私が開講するキャリア教育コーディネーター養成講座では、 学校教育への関わり方はいろいろあること、 できれば、ご自身の得意を活かして ワクワクする方法で関わってほしいことを 繰り返しお伝えしてきています。 その中でも、学校教育への関わり方については、 以下の2軸でご紹介しています。 (1)子どもたちと直接関わりたいのか、     または、しくみづくりで関わりたいのか (2)地域密着型で活動したいのか、または、     地域は関係なく専門性を持って関わりたいのか 上記の図に

3年以内離職は本当に問題なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

今回は、キャリア教育がなぜ必要なのか、 ということについて考えてみたいと思います。 キャリア教育という言葉が日本で登場したのは1999年。 中央教育審議会答申 「今後の初等中等教育と高等教育の接続の改善について」でした。 キャリア教育が求められる背景として、 ニート・フリーター問題に加えて、 早期離職者の問題が挙げられています。 具体的な数字としては新規学卒者の就職後3年以内の離職。 この当時は、 「学校から社会・職業への移行が円滑に進んでいないこと」が その要因と考えら

AIでキャリア教育コーディネーターの仕事はなくなるか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

「AIでキャリア教育コーディネーターの仕事はなくなるか?」 この問いへの答えは、YESであり、NOだと思いました。 今回は、ちょっと長文になりますが、 ChatGPTに授業プログラムをつくらせたら どうなったかをまとめてみたいと思います。 さて、ChatGPTがどんなものを出してきたかというと、 そこそこな感じの授業案が出てきました。 ねらいがきちんと書かれており、 45分のタイムテーブルもあり、 それっぽい感じの体裁になってます。 それもかかった時間は、ほんの一瞬。

キャリア教育の「その先」にある大人の責任【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

そもそもキャリア教育はなぜ必要なんでしょうか? 英国視察から帰国後、 キャリア教育コーディネーターとして 何をしていくのかを考えていく中で、 そんな「そもそも」を描いてみました。 キャリア教育を通して、 すべての人が、 自分の人生を、自分で・自由に決定できる社会を めざしたい。 社会システムとして そのための機会が平等にあることも必要なのですが、 ひとりひとりの人生の中で必要なのは、 大きくいえば、「自分を知ること」と 「社会や職業を知ること・出会うこと」、 それを繰り

「学びと社会をつなぐ」、その「社会」とは何なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

4月の英国視察の報告会を3回に渡って開催してきました。 報告のために追加で資料収集(英語)をしたりまとめたり、 さらに参加したみなさんからの声をお聞きし、 自分の中でもモヤモヤが増えたり、 論点がクリアになってきたりと、 英国という国を通して、 日本の現状や課題と向き合う日々が続きました。 この原稿はまだVol.3(6/4)前に書いているのですが、 きっとVol.3での議論を経たら、 また違う視点も生まれてきていることでしょう。 今回は、 私の「モヤモヤ」をなんとかコトバ

コーディネーターがいれば問題は解決するのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

今週から3回シリーズの英国視察報告会が始まりました。  (2回目以降のご案内も最後にあります) 来週の2回目は「コーディネート機能」がテーマです。 私自身がキャリア教育コーディネーターでもあり、 育成の制度設計から関わる講座を続けている身としては、 イギリスではどうなっているのかが、 非常に気になるところでした。 (ベンチマーク=評価基準よりもむしろこっちが) いろいろなところで 「キャリア教育コーディネーターがいたらいいのに」 というニーズは耳にするものの、 それはどん

人生において”学ぶ”と”働く”をつなげていくには【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

4月の英国視察の報告会も企画しているのですが。  (詳細は最後にご案内します) 海外を盲目的に賞賛することはしないけれど、 理念として英国の施策に共感できるかも、と思ったこと。 それは「”学ぶ”と”働く”を包括して考えているっぽい」という点。 今回はこの点について考えてみたいと思います。 まず、視察に行って感じたことは、 そもそも日本の施策についてどれだけ知っているのか、 自分の足元をしっかりみなければ、ということです。 そこで、日本のキャリア教育に関して。 私たちキ

海外の教育を盲目的に賞賛するのではなくて【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

このメルマガをお届けするころには帰国していますが、 4/10−17、イギリスで キャリア教育の取り組みの視察をさせてもらいました。 (リージェンツパークのカフェでこの原稿を書いてます) ETIC.さんのコーディネートのもと 以下のようなところを訪問させてもらいました。 それぞれの詳細は、 また機会をつくってシェアする時間をと思いますが、 ここでは、まずは感じたことをお伝えしたいと思います。 今回の視察に関しては、 ギャツビーベンチマークの日本版開発が視野にあります。 昨

令和の日本型学校教育をあらためて考える【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

3/20に開催されたアスクネットのENGINEで、 基調講演で登壇された上智大学の奈須先生。 私もイベントの企画にも参加していたのですが、 奈須先生にぜひ登壇してほしいと提案したのは、 これからの学校教育がどう変化していくかを知るには 「個別最適な学びと協働的な学び」について 学ばねばならないと考えたからでした。 令和3年(2021年)、 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して  ~全ての子供たちの可能性を引き出す,  個別最適な学びと,協働的な学びの実現~」 という中

授業の成果は「実現度」「到達度」で検証せよ【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

ちょっと前のことになりますが、今年度の キャリア教育コーディネーター養成講座実践コース、 最終発表会が終わりました。   (https://ax-factory.com) 弊社の受講生だけではなく、 群馬、愛知、九州からの発表と、 リアル・オンラインで先輩たちの参加もあり、 とても濃い学びの場となりました。 参加してくださったみなさん、本当にありがとう! 最終発表に向けて、 午前中は実施した授業の振り返りをしていたのですが、 私から受講生みなさんには こんな「ふりかえりの視

教育に関わる人のネットワークによって生まれること【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

週末に、NPO法人アスクネット・NPO法人JAEの開催する ENGINE@関西に参加してきました。 https://engine.asknet.org/kansai/   ※3/20には東京でも開催されます。    https://engine.asknet.org/tokyo/ 基調講演から分科会まで 学校、企業、行政、コーディネーターなど、 さまざまな立場からの事例が盛りだくさん。 主催のアスクネットは この「ENGINE」をこんなふうに表現しています。 ”教育に関

キャリア教育コーディネーターに必要なスキルと知識【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

キャリア教育コーディネーター養成講座実践コース、 今年度も学校での授業実践が終了し、 残す活動は、ふりかえり・検証・報告書となりました。 毎週、チームで議論を交わしながらつくってきた授業。 授業をやって終わり、ではなく、 ひとりひとりの「これから」に つなげてもらえるといいなぁと願っています。 そこで、あらためて、 キャリア教育コーディネーターに必要なスキルと知識って どんなものなんだろうと振り返ってみたいと思います。 ●正しい知識と情報収集は大前提。 いわずもがな、で